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僕と彼女のリア充ライフ  作者: 一条二豆
第四章 修学旅行
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第十三話 想いは熱く

 ついに修学旅行最終日がやってきた。今日の日程は白い恋人パークと市場にて自由行動の後、香川へと戻り解散する予定になっている。


 ホテルのチェックアウトを済ませバスに乗り込み、待つこと一時間ほどで白い恋人パークに着いた。地味な工場をイメージしていたがそんなことはなく、メルヘンチックな造りをしたテーマパークそのものだった。

見たことのないキャラクターの置物がちらほらと居たり、レンガ造りの大きな建物が中世の雰囲気を出していたりとバスの窓から見える外装だけでも楽しめて、十六歳にしてワクワクドキドキが止まらなくなっていた。


 バスを降りると、先生からの注意事項を全員で聞いた。だけど、俺の頭の中にはその内容は一切入ってこなかった。だって次に待っているのは最高の時間なのだから!


 先生が解散の合図を出すと生徒たちは待ちきれないとばかりに動き出した。俺も他に漏れず、早歩きで真っ先に双葉のもとへと向かった。


「おはよう」

「おはよ」


 今日は理にかなった挨拶をすることができた。そんなどうでもいいことが、そこはかとなくうれしい。


「じゃあ、行こうぜ」

「うん」


 ほとんど毎日会っていたはずなのに、なぜか今は双葉と久しぶりに出会ったかのような気分だ。束縛されていたものからやっと解放されたような気分、それに恋心が少し加わったような気分。

 そのせいか体は全く触れあっていないけれど、心でつながっているような幸せな気持ちになった。つないだものを放したくないという気持ちがこみ上げてきた。


「どうしたの?」

「いや、なんでもないよ」


 ぼんやりとしていたらしく、双葉が心配そうにしていた。俺は彼女に笑顔を返して歩き出す。


 満足できない。心だけでは満足できない。


 心だけでなく実際に繋がっていたいと思った俺は勇気を出して彼女に手を差し伸べた。双葉は少し微笑むと、ノータイムでつなぎ返してくれた。


「熱いね」

「熱いな」


 『温かいね』と言わないのは照れ隠しなのだろうか。俺にはわからない。でも彼女の想いはその小さな手からいっぱい伝わってきた。


 俺たちは寄り添い、二人で歩いていく。お互い、付き合っていることを隠していることなど忘れるほどに。


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