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僕と彼女のリア充ライフ  作者: 一条二豆
第四章 修学旅行
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第十一話 楽しみが消えそう

 その日の夜、ホテルにて俺は室長会議へと出席した。

 室長会議というのはその名の通りホテルの部屋の責任者が集まって、連絡事項などのやり取りをする会議である。


 先生からの話によるとい小樽ではめを外しまくった人がいるらしく、厳重注意を受けた。普段は優しい先生もとても機嫌が悪そうだった。一体誰がなにをしたっていうんだ…。

 そのせいか室長会議は少々長引き、俺たちはうんざりとしながら話を聞いていた。


 二十分くらい話が続きようやく解放されると、皆一様に友達と文句を言っていた。先生はさすがにいちいち怒る気にはなれないようで早く部屋に戻るように指示を出していた。

 しかし、俺は双葉に用事がありすぐには部屋に戻ろうとしなかった。双葉も俺と同じく室長であるため機会を伺っていたのだ。


 一人でふらふらとしている双葉に俺は駆け寄っていった。


「おっす」

「あ、おはよ」


 なぜこの子はいつもおはようと言うのだろうか、もう九時過ぎなんですけど。

 疑問には思うがもう慣れたのであえてツッコまずに俺は話を切り出した。


「あのさ、明日札幌一緒に回るんだろ? どうなってるんだ?」


 修学旅行前にした一緒に回るという計画、それがもう明日へと迫っていた。でも、一向に詳細がわからず連絡も来ないので、この機会に聞いておこうと思ったのだ。


「あー…そのことなんだけどさ」

「うん」


 双葉は苦笑いを浮かべると、両の手を合わせた。


「ごめん、駄目みたい」

「へ?」


 その衝撃の一言に俺は固まった。


「どういうこと?」

「今日さ、事前に試しとこうってことでオレら女子だけでバラバラになったんだけどさ…見つかっちゃって」

「じゃあ、今日先生たちが怒ってたのって…」

「うん、たぶんオレたちの事」


 俺は頭を抱えるしかなかった。いや、予測はしていたことだけれどまさか本当になるなんて思っていなかった。

 これで明日は一緒に回れないのかと思うと辛くなってくる。買ったばかりのおもちゃを取り上げられた子どものような気持ちだ。上げて、落とされた。


「ほんとごめん」

「…いや、大丈夫。無理やり会おうとしなくても、また修学旅行が終わればどこか行けると思うし」


 ようやく絞り出せた言葉は、強がりだったかもしれない。会えなくなって寂しいなんて、俺から言えるわけがなかった。そんな恥ずかしい真似できるわけがない。


 しかし、咄嗟に出た言葉は諦めの悪いものだった。


「じゃあさ、明後日」

「ん?」

「明後日、回ろうぜ。確か自由行動できるところあったろ」


 明後日には班に関係なく自由に行動できる日がある。その日は双葉も他の人と回りたいだろうと思い遠慮していたのだけれど、ついそんなことを言ってしまっていた。

 どうして口にだしてしまったのかわからない。俺はそんな気持ちも含めて、双葉を困らせやしないかと内心焦った。


「うん、いいよ」


 だが、俺の考えは杞憂だったようで、双葉からはそんなあっさりとした返事が返ってきた。


「え? いいのか?」

「え? うん、いいよ」


 正直、頭の整理が追いついていない。こんなにあっさり受けてくれるなんて思ってなかった…。


「じゃあ、もう遅いからまた明日ね」

「あ、ああ、おやすみ」

「おやすみ」


 どうやら、明後日は一緒に回れることになった、らしい…。

 やはり、わからない。俺に女心というものはわからない。


 というか、俺のことほんとに好きなんですかね?


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