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僕と彼女のリア充ライフ  作者: 一条二豆
第四章 修学旅行
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第十話 救世主よ!

 細い路地を重い足取りで進んでいくと商店街のような明るい場所に出た。悪天候なのか誰も通らない道なのか人通りは少なく、俺たちの不安をよりかき立てた。


「で、どうする?」

「武野、貰った地図はどうしたんだよ?」


 千堂がふとそう俺に尋ねてきた。そうだった、俺たちには先生たちから配られた小樽周辺の地図がある。ここの場所も調べればわかるだろうし、ここからどこへ行けば集合場所に着くかも判明するだろう。

 俺はポケットやカバンを探り、地図を探してみる。すると…。


「あっ! あった…けど…」

「どうしたんだよ?」


 いぶかしげな視線を向ける千堂に、俺は震えた声を出し見つけた地図を見せた。


「これ、地図なんだけど…」


 俺が千堂たちに見せた地図は、雪にさらされて見るも無残な姿になっていた。要所要所がぼろぼろに欠け落ち、字は滲んで読むことができない。今掴んでいられるのがほとんど奇跡のようなもので、風に吹かれてしまえば一巻の終わりだろう。


「使えねえな…」


 ぽつりと出た千堂の言葉がぐさりと俺の胸に刺さった。もう、立ち直れない…。

 ノックアウトした俺に代わり、千堂が打開策を考え始めた。


「金山はなんかある?」

「ごめん、思いつかない」


 金山は申し訳なさそうにその大きな体を項垂らせた。


「いいよ、大丈夫。斉藤さんはなんかある…って斉藤さん?」


 千堂が向いた方に斉藤の姿はなかった。忽然と姿を消した斉藤を金山も一緒になって目で探す。そして、あるところでその目が止まった。


「あの、あそこの店にはどうやって行けばいいんでしょうか?」

「ああ、あそこ? あそこにはね――」


 そこには集合場所を説明し、道行く人に道を尋ねて回る斉藤の姿があった。

このとき、きっと俺たち三人は同じことを考えたと思う。


 え…斉藤が喋ってる…てっきり俺たちと同類だと思ってたのに…。


 人見知り属性を全開にしていた俺たちに震撼が走った。


 そりゃそうだよね! 現地の人に聞いた方が早いもんね、当然だよね!


 無意識の内にその選択肢を消していた自分たちが怖い。

 しばらく人に聞いて回った後、斉藤はいつもの無表情で俺たちのもとへと帰ってきた。


「…あっちだって」

「あ、うん」


 俺たちは斉藤の案内のもと、無事時間内に集合場所に着くことができた。

 この後、斉藤はメシアと呼ばれることとなった。


 あと、夕食のバイキングはおいしかった。というか寿司があった。


 あるなら言えよ馬鹿野郎!


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