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僕と彼女のリア充ライフ  作者: 一条二豆
第四章 修学旅行
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第七話 初めてのスキー

 修学旅行二日目。天気には今日も恵まれて快晴だった。ホテルの部屋から見た朝の町の景色は、やはり香川で見ていたものとは違って見えて、感動と共に朝を迎えることができた。


 今日の予定は、午前中にこれから二日間行われるスキー実習をやって、午後から自由班で小樽を観光することになっている。


 今日は双葉たちのグループとは合体せず、各自のグループで自由に回る予定らしい。明日は一緒に回るということらしいので、今日は千堂たちと存分に小樽で遊ぶことにしようと思う。


 そんなこんなで、まずはスキー実習である。ホテルでスキーウェアに着替え、そのまま小樽に行けるように制服も持ち、俺たちはバスへと乗り込んだ。スキー実習の後は、小樽観光が終わるまでホテルには帰らないようなので、制服も持っていかなければならないのだ。


 バスに揺られること一時間ほどで、スキー場は見えた。

 初めてそのゲレンデを見たとき、俺は言葉を失った。いくら雪を見たことがある俺にとっても、こんなにきれいに整備された雪山を見るのは初めてだったからだ。それに、北海道の雪は他県のそれと比べてとても柔らかい。倒れこんでも痛くない雪というのは、俺にとって衝撃的なものだった。


 スキー場に感動しているのもつかの間で、すぐに開講式が始まった。

 どうせ形式的なものだからとその流れをぼーっと聞いていた俺だったが、先生が言い放った言葉に、俺は冷水をかけられたように意識を覚醒させられた。


「今回のインストラクターさんは、すべて外国人の方々にやってもらいます」


 言われてぞろぞろと現れたのは、正真正銘の外国人たちだった。見たところ国籍はばらばらだが、英語圏であるということだけは共通しているようだった。


 言葉にならない衝撃を受けている間に、スキー実習は始まった。


 スキー実習の班は上級者から初心者のコースに分けられており、さらにそのコースごとにランダムでメンバーを振り分けられている。

 そうしてできた俺たち総勢七名の実習班は、カレンと名乗る活発な女性のインストラクターに先導され、気持ちの整理がつかないままスキーへと臨むのだった。


 あ、この中に英語理解できるやつ、一人もいませんから。


 最初は、基本的な滑り方や曲がり方、ブレーキの仕方、雪上での歩き方などを習った。だが、


「――、――――」

「なあ、なんて言ってんの?」

「わからん」


 たまたま班が一緒になった千堂に聞いてみるが、カレン先生がなんと言っているのかはわからなかった。

 少しは日本語が話せるのかもしれないという希望を抱いていたが、講習が始まった瞬間、それは潰えた。完璧なイングリッシュでした、はい。


 ジェスチャーでだいたいは伝わるのだけれど、俺たちはカレン先生と意思の疎通ができているのか心配になってくる。


 誰だよ、この提案したの。名乗り出てこいや!


 そんなことを言っても解決にはならない。俺たちはカレン先生を見て真似ながら、徐々にスキーを覚えていった。

 そして、本番はやって来た。


 ゴンドラでスキー場の最上部まで上がり、初心者用コースの入り口に集まった。

 カレン先生の言っていることをなんとなく意訳すると、これからゆっくりと下へ滑っていくらしい。


 でも先生、事実なんでしょうがこのコースの高さ、初心者用とは思えません。


 それに、まだちゃんとブレーキがかけられません。


 この二言を伝えることができないもどかしさ、皆さんには伝わるだろうか。

 俺の気持ちをよそに、カレン先生は「Go! Go!」と俺たちの方に向きながらゆっくりと滑っていっている。すげえ、後ろ向きに滑るとかできるのかよ。


 変なところで感動している間に、他の班員たちが次々と体を滑らせていく。みんなブレーキの掛け方が上手で、カレン先生と同じくらいのスピードで順調に滑っている。


 俺もいくか。


 覚悟を決めて、俺はポールを使って体を前へと進めた。

 そして、冒頭に戻るのである。

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