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僕とミライの傑作小説  作者: cry-me
87/94

文章力4

[4]


「さて、いよいよ最後の奥義を伝授するわよ」

「おお、ついにここまで! これはアレですか? もうお前に美味し得る事は何も内的な!」

「そこまで自惚れるのもある種の才能よね、とにかく、語彙を増やす事ね」

「語彙ですか」

「語彙って言うのは、使える言葉の数とか単語とかそんな感じね、沢山の単語や言葉や言い回しを知ってれば、その分沢山書けるようになるのは道理よね」

「確かに、沢山言葉とか知ってればそれだけ書く事に困りませんよね」

「それだけじゃないわよ、比喩、直喩、隠喩、擬音、オノマトペ、英語、造語。とにかく沢山の言語に触れて、身に着けていくのよ」

「でも、そんなに沢山の辞書とか参考資料を集めたら、机の周りが本で埋もれてしまいますよ!」

「何言ってるのよ! 作家足る者作業場を本で埋め尽くさないでどうするのよ!」

「えええっ!?」

「辞書の中身なんて頭の中に全部入るわk無いんだし、全部手の届く場所に置いておくもんでしょ? そうやって積み重ねた参考書が多ければ多いほど、身になるし、中身も詰まってくるのよ」

「そんな、尻尾まであんこが詰まってるような言い方」

「でも、頭の中を情報と資料でぎっしり詰め込めば、少なくとも書くないように困る事は無いんじゃなくて? むしろ早く書きたいって衝動に駆られるはずよ!」

「おおお」

「情報のベクトルがプラスであれマイナスであて、入力には違いないのよ、それによって作者の感情がどう変動したとしても、出力できるわけよ、フラットでさえなければ、あらゆる外部入力に対して、作者は執筆に転用できるのよ」

「す、素晴らしい理論ですね……」

「さぁ、その考えに基づくなら! 貴方もこの講義を通じて何か出力できるはずよ! さぁ、早速何か出力してみなさい!」

「あqwsでfrgtyふじこlp;@:!?」

「ちゃんと翻訳できる言語で出力しなさいよ!」



[続く]


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