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僕とミライの傑作小説  作者: cry-me
86/94

文章力3

[3]


「それで、他には何かないんですか?」

「何か偉そうね……まぁ良いわ。あとは自分なりに参考になる様な、むしろ手本となる文章を見つける事ね、ゴールも見えずに努力するのは大変だからね、目に見える目標を見据えた方が努力はし易いんじゃない?」

「確かにそうですね」

「まぁ上手い文章を幾つか目にしたり模写している内に、自分のテンポとか、ノリが見えてくるはずよ、そういう自分なりの調子を掴めるようになれば、かなり文章力も上がるんじゃないかしら」

「テンポとノリ……ですか」

「その辺は人それぞれあるから一概には言えないけどね、分かりやすい例で言うと、クラシックを聴きながらだと文章が進むって人も居るし、賑やかなロックとかを聴くと文字が浮かんでくるとか、それぞれに合った執筆環境ってのがある訳よ、そういうやる気スイッチ的なのを見つけられれば、かなり上達するんじゃないかしら」

「なるほど、あ、分かりましたよミライさん、僕はヒップホップのテンポが合うようです、ほら見てくださいよ!」

「読み辛いし分かり辛いしで却下だわこんなの! 何よ出だしの地の文、Yo Yo 今日はいい天気とか、行き成り斬新過ぎるわい!」

「え、でもコレがボクスタイルですよ」

「完全に音楽に引っ張られてるじゃない! あくまで自分の世界を作るのが大事よ! 他人の世界に引っ張られてフワフワしている内はまだまだよ!」

「Yo Sey Hey Hoo !」

「それ止めて貰える!? 何か腹立つんだけど! あと韻も踏めてないし、リズム乗ってないし! アンタB-Boy向いてないわよ!」

「そんなこんなにもノリにノってるって言うのに!」

「そう言うのを自分に酔ってるって言うのよ」


[続く]


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