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僕とミライの傑作小説  作者: cry-me
62/94

ゲームセオリー5

[5]


「逆転、逆境、逆風、逆回転。

 全てが裏返し、覆す。

 人はその逆転劇に歓喜する。

 最後に勝つ者が勝者なのだ。

 皆勝者を賞賛する為に、此処に居るのだ。

         ――勝者」


「く、そんな馬鹿な……」

 ライセが呻く。

 そう、そう宣言した後、僕は場に1(A)を出す事を止めた。

 そして勝負に負け続けた。しかし頃合いを見て1(A)を場に伏せ、勝利も重ねた。


■現在

●ミライ

手札:1 得点:2

●主人公

手札:2 得点:-2

●ライセ

手札:1 得点:-3

●リンネ

手札:0 得点:-2


 状況は圧倒的に僕に有利だ。

 そして恐らく、ライセの持つ手札の残り一枚は10。そして僕の手札に、まだ1(A)が一枚残っている。

「ど、どうしてこんな結果に……」

「全くだわ……」

「ふ、簡単ですよ……僕とミライさんで直前に二回ほど引き分けを起こしているので、ライセが僕と引き分けをしてしまうとその時点でゲームが終わってしまう、そうすると、得点が一番低いライセの負けが確定してしまう、その為に多少リスクを覚悟しても、勝利を得る為に10を出さざるを得なかった」

「でも、どうやって……タイミングよく10に対して1(A)を出せたのよ」

「そうですね、ヒントを言うならばこのカード自体もともと僕の持ち物だったと考えれば」

「まさか……イカサマ!」

「いえいえ、単に古いカードですので、多少絵札と化に小さな傷が……ね」

「まさか、こんな結果になるなんて……」

「さぁ、もう逃げられませんよ、大人しく最後の勝負で僕に負け、僕とミライさんの攻撃で最下位になって全裸になるんですよっ!」

「……わ、私の完敗よ……」

「いえ、ライセさん、勝負はまだ終わって居ませんよ、そしてまだ脱衣タイムは始まっても居ないんですからさぁ、カードを!」

「ゆ、ゆるし……」

「さぁ、バトルを!」

「ご、ごめ……」

「さぁ!」

「あ、ちょっといい? アンタのカードちょっと見せて」

「何ですかミライさん、今良い所なのに、カードに事態に変な細工はしていませんよほら……」

「ライセのもちょっと見せなさいよ」

「……どうぞ」

「それではさぁ、勝負を」

「じゃ、私がこのカードでアンタにバトルを仕掛けるわ」

「え、ちょっと今はミライさんのターンじゃ、それとカード返してください」

「あら、カードの譲渡は自由なんでしょ? コレもう私のカードよ」

「え?」

「たかがカードで女性を裸にひん剥くのは流石にやり過ぎよ、っと言う訳で次もアンタにバトル」

「そんなっ!?」

「文句あるっ?」

「…………いえ」

 こうして僕は全裸に成りました。


[続く]


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