ゲームセオリー5
[5]
「逆転、逆境、逆風、逆回転。
全てが裏返し、覆す。
人はその逆転劇に歓喜する。
最後に勝つ者が勝者なのだ。
皆勝者を賞賛する為に、此処に居るのだ。
――勝者」
「く、そんな馬鹿な……」
ライセが呻く。
そう、そう宣言した後、僕は場に1(A)を出す事を止めた。
そして勝負に負け続けた。しかし頃合いを見て1(A)を場に伏せ、勝利も重ねた。
■現在
●ミライ
手札:1 得点:2
●主人公
手札:2 得点:-2
●ライセ
手札:1 得点:-3
●リンネ
手札:0 得点:-2
状況は圧倒的に僕に有利だ。
そして恐らく、ライセの持つ手札の残り一枚は10。そして僕の手札に、まだ1(A)が一枚残っている。
「ど、どうしてこんな結果に……」
「全くだわ……」
「ふ、簡単ですよ……僕とミライさんで直前に二回ほど引き分けを起こしているので、ライセが僕と引き分けをしてしまうとその時点でゲームが終わってしまう、そうすると、得点が一番低いライセの負けが確定してしまう、その為に多少リスクを覚悟しても、勝利を得る為に10を出さざるを得なかった」
「でも、どうやって……タイミングよく10に対して1(A)を出せたのよ」
「そうですね、ヒントを言うならばこのカード自体もともと僕の持ち物だったと考えれば」
「まさか……イカサマ!」
「いえいえ、単に古いカードですので、多少絵札と化に小さな傷が……ね」
「まさか、こんな結果になるなんて……」
「さぁ、もう逃げられませんよ、大人しく最後の勝負で僕に負け、僕とミライさんの攻撃で最下位になって全裸になるんですよっ!」
「……わ、私の完敗よ……」
「いえ、ライセさん、勝負はまだ終わって居ませんよ、そしてまだ脱衣タイムは始まっても居ないんですからさぁ、カードを!」
「ゆ、ゆるし……」
「さぁ、バトルを!」
「ご、ごめ……」
「さぁ!」
「あ、ちょっといい? アンタのカードちょっと見せて」
「何ですかミライさん、今良い所なのに、カードに事態に変な細工はしていませんよほら……」
「ライセのもちょっと見せなさいよ」
「……どうぞ」
「それではさぁ、勝負を」
「じゃ、私がこのカードでアンタにバトルを仕掛けるわ」
「え、ちょっと今はミライさんのターンじゃ、それとカード返してください」
「あら、カードの譲渡は自由なんでしょ? コレもう私のカードよ」
「え?」
「たかがカードで女性を裸にひん剥くのは流石にやり過ぎよ、っと言う訳で次もアンタにバトル」
「そんなっ!?」
「文句あるっ?」
「…………いえ」
こうして僕は全裸に成りました。
[続く]




