ゲームセオリー4
[4]
「運命の勝負。戦い。真剣勝負。
その成り行きは、決して運などに、ただの運否天賦に巻かしていい物では無い。
それは絶対に、戦う物の、全力を掛けた結果でなければならないのだ。
――決着」
「こんな状況でどうやって戦えって言うの!」
「まぁ見ていてください、とりあえずまずは手札が次に少ない一人を狙います」
次はリンネのターン、彼女も残り手札は二枚。
「……剣折れや矢も尽きたの」
流れから、一番の強敵であるライセに勝負を挑み、1点を獲得するも、残りの手札をすべて使い切ってしまう。
■現在
●ミライ
手札:0 得点:2
●主人公
手札:9 得点:-2
●ライセ
手札:8 得点:-3
●リンネ
手札:0 得点:2
次はミライさんのターンである。
「いいですか、僕の言う通りにしてくださいね、まず僕はそれほどカードを消費していませんので手札の一枚をミライさんに譲ります」
「そんな、そしたら貴方のカードが……」
「大丈夫です、それで渡したカードで僕と対戦してください」
「分かったわ、こう?」
僕はミライさんに渡した札と同じ数値の札を出し引き分けにする。
「そして次は僕がミライさんと戦います」
「え、いいの?」
「ルール上、対戦を指名する側を選んで行けない決まりはないので、組み合わせは同じでも二人で交互に戦う事は可能なんですよ」
再びミライさんと戦い、同じカードで引き分ける。
「これに何の意味があるの?」
「いいですか、これでライセは対戦相手に僕を選ぶしかなくなりました」
「なるほど、私の安全が守られたわけね」
「ふ、そんなもの、貴女を倒せば済む話よ」
ライセは僕を指名し、威勢良く勝負を挑んでくる。もう直接対決なので温存したカードを惜しみなく使って来るだろう。しかし。
「な……」
「気づくべきでしたね、今まで一度も……1(A)が出ていない事に!」
決着を急ぎ、10を出したライセが目にしたのは、億が場に伏せた1(A)だった。ルール上は絵札及び10に出された1(A)は無条件で勝利が確定する。
「実は溜めていたんですよ、これまでね」
そう、ミライさんから開幕でいきなり渡された三枚と、元々持っていた一枚、合わせて四枚、全てのAが実は僕の手の中にあったのだ。
「これで貴方はもう10を出せない!」
[続く]




