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僕とミライの傑作小説  作者: cry-me
61/94

ゲームセオリー4

[4]


「運命の勝負。戦い。真剣勝負。

 その成り行きは、決して運などに、ただの運否天賦に巻かしていい物では無い。

 それは絶対に、戦う物の、全力を掛けた結果でなければならないのだ。

          ――決着」


「こんな状況でどうやって戦えって言うの!」

「まぁ見ていてください、とりあえずまずは手札が次に少ない一人を狙います」

 次はリンネのターン、彼女も残り手札は二枚。

「……剣折れや矢も尽きたの」

 流れから、一番の強敵であるライセに勝負を挑み、1点を獲得するも、残りの手札をすべて使い切ってしまう。

■現在

●ミライ

手札:0 得点:2

●主人公

手札:9 得点:-2

●ライセ

手札:8 得点:-3

●リンネ

手札:0 得点:2


次はミライさんのターンである。

「いいですか、僕の言う通りにしてくださいね、まず僕はそれほどカードを消費していませんので手札の一枚をミライさんに譲ります」

「そんな、そしたら貴方のカードが……」

「大丈夫です、それで渡したカードで僕と対戦してください」

「分かったわ、こう?」

僕はミライさんに渡した札と同じ数値の札を出し引き分けにする。

「そして次は僕がミライさんと戦います」

「え、いいの?」

「ルール上、対戦を指名する側を選んで行けない決まりはないので、組み合わせは同じでも二人で交互に戦う事は可能なんですよ」

 再びミライさんと戦い、同じカードで引き分ける。

「これに何の意味があるの?」

「いいですか、これでライセは対戦相手に僕を選ぶしかなくなりました」

「なるほど、私の安全が守られたわけね」

「ふ、そんなもの、貴女を倒せば済む話よ」

 ライセは僕を指名し、威勢良く勝負を挑んでくる。もう直接対決なので温存したカードを惜しみなく使って来るだろう。しかし。

「な……」

「気づくべきでしたね、今まで一度も……1(A)が出ていない事に!」

 決着を急ぎ、10を出したライセが目にしたのは、億が場に伏せた1(A)だった。ルール上は絵札及び10に出された1(A)は無条件で勝利が確定する。

「実は溜めていたんですよ、これまでね」

 そう、ミライさんから開幕でいきなり渡された三枚と、元々持っていた一枚、合わせて四枚、全てのA(エース)が実は僕の手の中にあったのだ。

「これで貴方はもう10を出せない!」


[続く]


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