ゲームセオリー3
[3]
「手札が尽きた時。
それは多くの場合、戦う力を失うと同義だ。
もし、戦いがそこで終了ならば、全力を振り絞ったと言える。
しかしまだ戦いが続いて居たら?
戦う力を尽かせた者に、生き残る術は無い。
――手札」
「あー手札が無くなっちゃったわ」
何度目かの攻防で、ミライさんの手札は残り一枚となりライセの攻撃を受け、ついに手札は0となってしまった。
「じゃ後は見学かしらね」
そう言って場から一歩退こうとするミライさんにライセは告げる。
「あら、ルールでは全員の手札が無くなった場合が終了であって、誰か一人の手札が無くなった時点では続行よ」
「でも、もうする事無いじゃない」
「ルールにはこうあるわ、不戦敗の場合は問答無用で敗北が決定、そして戦闘を拒否した場合減点、と」
「なっ!?」
「そうか、このゲームは如何に、効率よくカードを使って得点を稼ぐことが勝利条件じゃない! いかにカードを消費せず、相手の手札を尽きるのを待つゲームなんですよ!」
「え、どういう事?」
「手札が尽きれば、自分のターンに戦う事が出来ないので、自動的に得点がマイナスされ、さらに勝負を挑まれた場合点を取られてしまってすごく不利ですよ、でも逆に自分以外の全員がカードを使い切ってしまえば、後は自分の残りの手札がそのまま得点になる訳ですよ」
「そうか、しまった!」
早まったと言う表情にミライさんに、ライセは意地悪く笑いかけます。
「ふふふ、今更気づいてももう遅いわ、あと、一つルールを言い忘れていたわね……このゲーム、もっとも負けたプレイヤーの得点がマイナスの場合、そのプレイヤーはマイナスの数値分服を脱ぐ決まりよ」
「なっ!?」
「な、何て素敵なルール! えっとライセさんの手札が今9枚だから、なんとミライさんをライセが集中攻撃した場合ミライさんの全裸が確定しますよ!」
「じょ、冗っ談じゃないわよ! 誰が脱ぐもんですか!」
「あら、でももうあなたはカードが無いのよ、後はもう他のプレイヤーの動向に身を委ねるしか出来ない、どうするの? まぁ誠意を見せれば見逃してもいいけれど? 例えば下着姿で土下座とかねっ!? さぁ、どうする? 負けて全裸になるか、下着姿で土下座して見逃して貰うかを選びなさいっ!」
「く……くぅ……わ、私には、もうどうする事も出来ないの……」
「諦めては駄目です、ミライさん」
「で、でも……」
「まだ、逆転の手はあります!」
「そんな……どうやって?」
[続く]




