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僕とミライの傑作小説  作者: cry-me
6/94

キャラクター2

[2]


「単に可愛いだけじゃ駄目なんですか!?」

「……そうね、例えば貴方、すっごく可愛い人形があったとして、どうする?」

「え、それはフィギュア的な?」

「ま、まぁそう言う感じで」

「勿論部屋に飾りますよ」

「そのフィギュアが展示品で購入できなかったら? 常にずっと展示されてるだけで販売されない」

「ふむ、まぁ諦めますかね、あ、一応写真とか取るかも」

「まぁそうよね、毎日通って眺めるまではいかないでしょ?」

「ま、まぁフィギュアですし」

「何に可愛いだけなら人形と同じな訳よ、魅力的って言うのはね内面や行動を伴って初めて言える訳」

「えっと、内面ですか?」

「いい、キャラクターに大事なのは心技体! 心情(心)・特技(技)・体現(体)よ! 心情はキャラクターの内面、性格、考えている事よ、何も考えていないなんてそれこそお人形よ、悩みや楽しみや苦しみや憎しみがあって初めて、そのキャラクターが動けるの。特技とはそのキャラクターに与えられた役割とも言えるわ、単にキャラクターを大量に並べただけじゃ区別がつかない! 個々に個性があって、得意不得意があり、出来る事と出来ない事があって初めてそのキャラの行動の枠組みが生まれる! キャラクターは役を与えられて初めて生きるのよ。そして体現、そのキャラの性格、容姿や与えられた役にあった動きを伴って魅力的に成るっ! 何も動かないのはモブって言うの!」

「心技体……えっと」

「まぁいきなり言っても分からないわよね……例えば、主人公の友人がいるとするわ」

「え、男キャラなんて背景じゃないですか」

「極端っ! だいたい、男一人でその他全部女生とか、女学院潜入物でもない限りそうない光景よ、友人キャラは主人公と対比させて真逆のキャラで行くといいわ、主人公がモテないならモテモテに、主人公が人気あるならモテないキャラにって感じにね、文科系と体育会系、理系と文系とか対にするといいわ」

「それにどういった意味が?」

「主人公に足りない要素を補わせる事が出来るのよ、逆に言えば友人と要素を分ける事で欠点が生まれる」

「え、魅力の話で言うなら欠点なんて要らないじゃないですか」

「あまりにも完璧過ぎると人は距離を置いてしまう物よ、ヒーローは欠点があってこそ親しまれるのよ、特に恋愛系の主人公なら欠点だらけにして、足りない能力を女の子たちに補わせれば、それだけお近づきになる接点にもなるでしょ?」

「おおお、そう言う事ですか!」

「キャラは何か一つ! 特技とか特徴があれば良いわ、あんまり要素とか付け過ぎても一つ一つの印象が薄くなるし」

「え、でも特技一つだけじゃ物足りないんじゃ?」

「そう言う時は、テンプレートなカテゴリーを利用するの。例えば委員長とか生徒会長みたいな役職とかね、それだけでキャラの印象が決まるでしょ、後は性格とかを印象のままにするのか、それとも印象を裏切るものにするのか、そして特技はその印象にあったモノか意外な物か、そう考えて行けば、ある程度キャラは固まるでしょ?」

「で、では生徒会長で猫耳で妹で破天荒でツンデレで救世主で黒幕で貧乳で料理下手でアイドルとかだと属性過多なんですね」

「いえ、逆にアリね」

「な、なんとっ!」

「まぁそのキャラを完全に把握出来て動かせるならだけどね、まぁそう言う事、要素を付加するのは別にかまわないけど、自分で処理できる範囲で、無駄につけて生かし切れず死にスキルに成るくらいならいっそ削って、生かせる特技を描写した方が魅力的に映るわ」

「しかし、特技とかスキルとか、そう言うのが出せるまで話進まないと駄目じゃないですか、それまでは無個性キャラになってしまいますよ」

「言動とかでも個性的なキャラ付すればいいでしょ、後はフレーズの勝利ね!」

「フレーズ?」

「そのキャラに毎回同じセリフを言わせる事で、キャラの印象付けを行うのよ、特に個性が無くてもそれだけで印象的なキャラになるわ」

「ああ、毎朝おはようございますと」

「それじゃ単なるあいさつでしょ! そうじゃなくて、コレで勝ったと思うなよっ! とか、呼ばれて飛び出てーとか、さて私は今何を考えているでしょう? とかそう言う感じに口癖を言わせるのよ、安易な手段では、語尾に何々ッスとかニャンとか」

「…………ミライさんはニャンでお願いします」

「私に指定しない!」

「ニャンでお願いします」

「そ、そんな真顔で言われても」

「ニャンで」

「分かったニャン! だから頭を上げるニャン! コレで満足かニャン!」

「……やっぱちょっと無いなぁ」

「努力を評価しろっ!」


[続く]


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