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僕とミライの傑作小説  作者: cry-me
27/94

推理セオリー2

[2]


「アンティークの丁度で揃えられた広い一室。

 行われるはずだった晩餐会。

 行われなかった食事会。

 そして行われる討論会。

 皆身の潔白を、他者の真偽を、そして事件の真相を声に出し追求する。

 そしてこの中の誰かが一人、嘘をついている。

         ――晩餐会場」


「状況整理の為にも、各々の行動を振り返りましょう、まずは私達ね」

「この屋敷に入ってからミライさんとはずっと一緒でしたね」

「確か先ず、主の部屋に通されたのね」

「はい、鍵が掛かって居ましたね」

「用心深い人ねとは思ったわ」

「ようこそ私の屋敷にと挨拶を済ませて、晩餐会まで部屋で寛ぐようにと言われましたね」

「その後宛がわれた部屋で休んでいると、急に停電が起きて、とりあえず二人で晩餐会の会場に行ってみたわけよ」

「その後二人で停電の原因を探しに行きましたね、ブレーカーが落ちただけでしたけど」

「で、電気が点いて暫くしても主が来ないから、書斎に行って扉を抉じ開けたら死んでいた」

「で、タオルと救急箱を探し出して戻ったと言う訳です」


 ライセは僕等の説明に、訝しんだ目で問いかける。

「部屋で別れた後は、お互いにバラバラに行動したわけよね?」

 その言い方は何処か刺があった。

「そりゃ男女で一緒に部屋にいる訳にはいかないでしょーが!」

「ええ、もしかして疑われてるんですか!? 僕等は主人と最初に会って以降一切接触してませんよ!」

「でも、停電の原因がブレーカーって良く分かったモノよね? もしかして自分達で落として、停電の間に殺したのでは?」

 妙にライセさんの視線が鋭い。

「大体停電の原因でまず疑うべきはブレーカーでしょ、それにブレーカー自体は遠隔操作で簡単に落とせる仕掛けを作れるわ、ブレーカーの場所は大体家具に阻まれて操作できないって状況を避ける為に、大体洗面所とか脱衣場に設けてあるのが一般常識よ」

「それに、書斎に言った時鍵が掛かっていたんですよ」

「そう……見た所ナイフは背中に突き刺さっており、主自身でさす事は困難、無理して他殺に見せかけた自殺の可能性もまだ皆無ではないけれど、この事件」

 ミライさんもまた鋭い視線で告げる。

「密室殺人事件よ」


[続く]


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