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僕とミライの傑作小説  作者: cry-me
16/94

冒険セオリー1

『冒険セオリー』


「石造りの道に、木造の古びた家屋が並び、家から立ち上がる煙が空を黒く染める。

 道をゆく人々は黒装束を身に纏い、薄暗い街並みを彷徨う様に進む。

 戦争も疫病も無い時代。しかし平穏と言うには人々の心は疲れすぎて居る様にすら思える。

                    ――町並み」


「さぁ、正に時代は暗黒時代! 今こそ人々に希望の光を指し込ませる為に冒険へ出かけるわよ!」

「ちょ、ちょっと待って下さいミライさん!? 行き成り何が始まったんですか!?」

「フッ、驚くのも無理は無いわね、ついに私の機能の一つストーリーダイブが発動したのよ」

「ストーリーダイブ? 何ですかその後付け設定」

「未来から来た者は、何かしらの特殊能力を帯びるモノなのよ、だから後付け言うな! 私は設定した物語の中に潜航する事が出来る訳」

「はぁ……」

「と、言う訳で今回は中世頃を舞台にした冒険活劇のセオリーを学んでいくわよ!」

「冒険活劇ですか? 何で中世頃なんですか? 現代でも登山家とか探検家とか冒険者っぽい人は居るじゃないですか」

「そう言う卑怯は現代では随分と少なくなってきているわ、それに近代的な冒険を描くには、専門知識や技術なんかを学ばないといけないしハードルが高くなるのよ、それに比べれば中世頃なんてそこら中に秘境があるし、大した知識も無い奴らが勝手に出かけて帰って来なくなったりしているしシチュエーションとしてもバッチリよ、まぁそれでも面白く演出するには、多少は冒険の知識なんかは持っていて損はないけどね」

「ファンタジーっぽい異世界とかじゃ駄目なんですかね?」

「剣と魔法の世界って感じのファンタジーはハイ・ファンタジーと呼ばれるわ、それはまた別個でやるつもりだけど、一から世界観を設定しなきゃいけないし、その世界の法則性やら、冒険知識も変わってくるわけよ。だからとりあえず最初は現実の冒険活劇って事にしたわけ」

「なるほど、じゃ主人公は冒険家って事ですかね?」

「それ以外にも、海賊や行商人、騎士なんかも使えるわね。この時代の人は基本的に街から出る事は無いわけだし、自然と移動する必要のある人には冒険が舞い込むモノなのよ、この辺は後にやるハイ・ファンタジーを構築する上でも参考に成るから、しっかり現実のこういった職業の知識を身に着けておくといいわ」

「王子とかお姫様は出てこないんですか?」

「まったく出せない訳じゃないけれど、あまり現実的じゃないわね。どうしても出したいなら架空史とか、現実に非常に近い異世界にするといいわ」

「魔法とかは」

「実際に中世期頃は信じられていた訳だし、出す事自体は駄目じゃないわ。でも魔法を主流に置くとその為に世界観を構築し直す必要があるわね、現実世界に準拠するならあくまで裏方として使わないといけないわ」

「成るほど、占とかそういう所にとどめておくんですね」

「後奇術師や詐欺師なんかも行けるわね、そう言う設定にして本当に使えるって仕掛けも面白いわ」

「そう言うの面白そうですね……で、いきなりこんな世界に連れて来られましたが、どうすればいいんですか?」

「決まってるでしょ! 冒険と言えばまずは酒場よ! これから酒場に繰り出して情報収集よ!」

「え、本当に冒険するつもりなんですか!」


[続く]


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