出会い
遅刻してもいいや。別に一日くらいいいだろ。死ぬわけじゃないし。
寝坊した後、そんなふうにけだるく構えながらゆっくりと紅茶をいれ、ふんぞりかえって啜ってみるんだけども、十秒単位の時間の経過と共に段々と焦燥感が出てきてしまうのは俺が凡人だからだ。
周りの目を気にして、周りに合わす。
着込んだ制服と同じように、カラーを同じにしないと気が済まない。
そういう性分が本質的にどっかに埋め込まれてしまっている。
その結果あれだけ余裕ぶっこいていたのにもかかわらず、全速力で走ってしまっていて。
遅刻せずにぎりぎり間に合ったことに対して心の底から安堵してしまっているところとか、うん。やっぱり凡人だ。
単純に遅刻に対する度胸の多寡で、俺は自分を凡人としているわけではない。それ以外にも理由がある。
俺は若い。若さってのはそれだけで実りある。可能性がある。
そう。可能性があるってのはわかるんだ。時間が他の人より多くある。だが一体何に向けて頑張ろうってのが明確にない。これだ。
世にはびこる社会的に高い評価を持った人間を眺めてはほーすげぇと達観した気持ちになれば嫉妬混じりに羨ましく思うこともある。んでじゃぁ俺もっ。だなんてなればいいんだろうけど、そう上手いこと熱情ってのを引き出せれば苦労はしない。
人間の能力なんて差異があるようで、あんまりないって誰かが言っていた。誰だったっけ。英語の教師だっけ。
だからやろうと思えばなんだって出来るってこともその後に言っていた。なるほど、と得心する部分はあったし、じゃぁ俺でも凡人を抜け出せる。だなんて思うことは出来たんだけど、結局何にも行動しないんだよな。そこらへんだ。俺が凡人だと確信する所以は。
俺みたいな人間が何も考えずに高校を卒業して、とりあえず流されて勉強して大学に入って、適当に就職して。見えちまってるんだよな。先々のこと。大体こうなるんだろうな、って予測。
その予測を覆そうとする何かを自分から探しもしないくせに、生きてさえいればどこかで自分を丸ごと変えてくれるようなありもしない革命的な何かを期待している部分がある。それを歯がみしながら持って、今の状況で足踏みしているのをどこか不安がりながらも楽しんでいる。
そもそも何かってなんだよ、何かって。
はっきりとしないものを待ち続けてどうするんだって理解してるのに。わからないふり。見て見ぬふり。何もしないことを楽しむために。
結局その場でステイ。
周りになんとなく合わせながら。
自分の方向もなんとなく決めながら。
それをよしとして。
で、どこへ行くんだろうか。
っかぁー。
そんな悩みといえないもやもやっとした悩み未満のものを持っている。葛藤と言い換えてもいいかもしれない。日々の中で常に意識してるわけじゃないんだけど、退屈な授業の中でも殊更に退屈な教師の授業受けていると、ちっと思考がもたげてしまう。
人間は勝手に悩みを作り出しちまうものなのかもしれん。悩み、あるいは悩みっぽい何かはなくてはならないものだとして。寄り添って近くにあるべき存在として。人間は考える生き物だし。全く悩みのない人間もそれはそれでどうなのかという気もするしな。
「はいっ。今日の授業はここまで」
クラスで歓喜の声。俺もそれに合わせて盛大なあくびと伸びをかましてやった。
どうせこんな思考は誰もがしているんだろうな、なんて同じ服を着た連中を見回して思って。
終業のチャイムが鳴れば一瞬で炭酸の泡みたいにしゅわっと消えちまうんだ。それくらいの、どこにでもありそうな、思春期特有の……一過性の発作ってことにしとくんだ。
帰宅する時には実際そんなことほとんど忘れていて、気分が高鳴っていて。帰ったらゴロ寝して、お菓子でも食いながらテレビとか、ゲームとか、漫画を読もうかな。それとも何か食ってから帰ろうかな、とか。眼前の欲望を思い立てていれば発作はぴたりとおさまるもんだ。退屈な授業の後となりゃ格別だものな。どうせ、そんくらい些末なもんなんだって。
そんで、また明日が来て。
どうするんだろうな。っていうのはまた後で。ってことにしてるから、またどこかで発作がってのは目に見えてるんだけどな。けど置いておこう。また後で。
しかし今日の俺のルンルン気分はもう半端ないぜぇ。もうすぐテストだというのに、半端ないぜぇ。昨日買っておいた有名店の個数限定特製プリンがあるからなっ。
俺は家の鍵を人差し指でぶんまわし、華麗に鍵穴ちゃんにぶっさしてやった。するりと一回転。あれ、でも違和感。何か今……
ドアノブを回してみる。
あれ。開かない。
しまった。鍵をし忘れていたのか。今この状態が施錠された状態ってことだ。
今朝は急いでいたからな。
俺はもう一度鍵を差し込んで回した。ようやく扉が開いた。
だが再度違和感。というより、明らかにおかしい。玄関に見知らぬ靴があるのだ。小さい。子供用か? しゃれたブーツのように見えるが。中々歩きやすそうでもあるな。機能性良し。って感心している場合か。
俺は息を潜めて、腰を屈めながら自宅の廊下を進んでいった。
物音がする。やばい。おい、マジかよ。こんな簡単に空き巣に遭遇するものなのか? 先進国のこの日本でよ。つうかこの空き巣。わざわざ靴を脱いで玄関に放っておくとかどんだけ律儀なんだよ。
抑えきれぬ疑問を湧かせながら俺はなおも進んでいった。あの靴を履いている人間が侵入者と考えればそこまで強面の人間ではないだろう。
発見した。人間の姿を。リビング。冷蔵庫の前。
「え? いや、お前なにやってんの?」
俺はナチュラルにそう話しかけていた。というのも、なんというか、そいつがぼけっとしたような少女で、まったく悪辣としていなかったからだ。
「ふぁひ?」
その少女は口にハム(もちろん俺んちの)をくわえて野菜室に落としていた目をこちらに向けた。
「あれだ。状況を鑑みるに、警察呼びましょうか」
「ケイサツ? ケイサツってなんですか?」
「なんですかじゃねぇよコノヤロウ。って、あっ!」
待望していたプリンが綺麗に食べられて、机の上に置かれていた。俺の心の中で何かが弾けて飛んでいったのを感じた。
「おまっ! 俺のプププリンまで食いやがってぇぇ! ぜってー許さん。断固許さん。警察に突き出してやるからな。帰宅時のウキウキは九割がプリンで占めていたってのに。プリンの恨みは恐ろしいんだからな」
「落ち着いてくださいって。怒ってもいいことありませんよ」
少女はわざとらしく困ったような表情をした。
「おめぇのせいだろうがぁっ!」
しかし俺が即座に警察に電話せず、このように二人で机を囲って対面しているのは、やはりこいつから悪意を感じなかったらだ。
俺は眼前の盗人をよく観察した。
外国人……なのか? 目や髪の色が日本人のそれと全然違う。最近は日本も国際化が進んでるし、そのあおりが俺の家まで? いやでも、さすがに人の家に勝手に入るのが罪ってのはどんな国でも共通だろ。着てる服も……なんだろう。海外製のかな。日本人にはあまり似合わなさそうな感じの服と着こなしだ。年齢的には大体中学生くらいってところか。
「よし。色々と話を聞こうか。ちなみに情状酌量の余地はまだあるぜ。お前さん次第だがな」
「ええっと。お名前は?」
「汐見恵一。ってお前こそ誰なんだよ。俺から質問させろよ」
「私は、アンリチェット・ビネスティですよ。通称はアンリですよ」
「そんな知っている体で話されてもしらんわい!」
こいつは抜け目ないというか、しゅっとしているっていうか、くせ者っていうか、くえないっていうか。
たった今現行犯で盗みを目撃した直後だってのに、全く悪びれている様子がねぇ。最近の中学女子のモラルはこんななのか?
「まず俺に質問する権利がある。そうだよな。今、お前は何をしていた? はい答えよ」
「食欲を満たしていました!」
「満面の笑顔で罪を告白すな!」
「ええ。質問に答えただけですよ」
「じゃあ人の家に勝手に入り込んで人のものを食べ散らかすお前のような人間をなんという?はい答えよ」
「盗人! 侵入者! 不届き者!」
「わかってるじゃねぇか!」
俺がそう突っ込むや否や、少女は顔を伏せて落ち込んだ。そして哀しそうな目をした。
俺は深い事情があるならやはり情状酌量してやるか、とも思ったのだが、ただ現代日本において、人の家に勝手に入り込んで飯を食うだなんて程の困窮が起こりえるのか甚だ疑問だった為、この少女の表情にはやはり懐疑的になってしまった。
「すいていたんです。お腹」
「ああ。だろうな。そうじゃないとぜんっぜん説明がつかないよな。むしろ腹が減ってたって理由でいてくれて助かったよ。で、なんだ。お母さんが食わせてくれないとか。そういう感じなのか?」
「そういう感じではないのです」
「ああ。かわいそうに。帰って親に食わせてもらえばいい。家はどこだ?」
「いや、そういう感じではないのですが」
「そういうことにしとけ。家はどこなんだ」
なんでもいいからとにかくこいつをさっさと家に帰して、親に一言文句を言いたい。
「シュヴィヒルーデルデ二番通りです。家っていうか寮ですけど」
「は? しゅび……?」
「ですから、シュヴィヒルーデルデ二番通りです」
「ごめんな。もう一回いいか」
「シュヴィヒルーデルデ二番通りです」
「うん。何県だ?」
「けん?」
「というか日本か?」
「いいえ。異世界から来ました」
「へぇ。そりゃすごい」
俺はおもむろに立ち上がり、少女の両足をむんずと掴んだ。
「へ?」
無防備な少女は全く予期していなかったようで、俺にされるがままだった。
俺は机の上に乗って彼女をぶん回すことにした。
「おりゃぁぁぁぁ! ふざけんのも大概にせいやぁぁぁ!」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!」
ひとしきり俺のジャイアントスイングによる懲罰が終わり、少女がまだ目を回している隙に俺は再度問うた。二度同じことは言わせない気構えだった。
「で、どこから来た?」
「ひょっろまってくださいぃ」
「場所は近いのか? もう親に言いつけてやるからな」
「違うんです。本当に、本当に話を聞いてください」
「わかった。聞こう。しかしもう一度ふざけたことを言ったら容赦なくまたぶんまわすぞ」
「ふざけてないんです! 私は事実を言ったのです! わかります。わかりますよ。汐見さんが信じられないのは。でもこれは事実です。異世界から魔道士になるた──」
「ぎゃああぁぁぁぁぁぁ!」
俺は二度目のジャイアントスイングを敢行した。
「ほっろ。本当なんです」
「まだ言うのか……」
俺は呆れてしまっていた。もうぶんまわす余裕もなくなってしまっていた。
「わかった。一応全て話してみ」
「もう、また振り回さないでくださいよ」
少女は乱れた髪を整えてから俺に向き直った。
「で、そうです。私は異世界から来ました。結論から言うとそういうことなのです。あ、待ってくださいね。全部話してって言ったのは汐見さんですからね。言いますよ。言うから待ってくださいよ。異世界っていうのはですね、多分日本の皆さんがファンタジー世界として思い描いているような世界です。多分ですけど。まぁ、ひとまずそう思っといてください。で、何しに来たのかっていうと、試験を受けにきたのです。試験」
「試験?」
俺は一応話すことを全て真実だと仮定して聞いてやることにした。どこまで脳内設定をまかり通してくるのか見たかったのだ。
「そうです! 試験っていうのは私達魔道士の卵が異世界に降り立って……つまりここ日本に降り立って、最終試験をするということなのです」
「全然説明になってねぇような。てか魔道士ってなんだよ」
「そのままですよ。魔法を使う人です」
「いや、言葉の意味はわかるんだけどな……まぁいいや。それで?」
「私達試験生は魔法の才能だけは持っていて、勉強もしてきたんですけども、魔法はまだ使えないのです。精霊さんから力を借りる必要があるんですが、精霊さん達も色々立場とか、気むずかしい部分がありまして、試験を通して私達に力を与えるという慣例になっているのです。試験を経て、精霊さんと契約して、晴れて魔道士になれるというわけなのです。ずばり卒業試験なのです」
「日本をなんだと思っているんだその精霊さんとやらは」
まるではた迷惑な設定だ。
「別に今回はたまたまこの世界だっただけですよ。それで、どういう試験かといいますと、まず『魔法の源』を探すことです。精霊さんと契約するときに必要になってくるんですが、私達の世界では既に枯渇してしまっています。だから異世界で探さないといけないんですね。これはほんの少しだけでいいんです。そしてこれについては私はもう既に入手しましたので、安心できます」
「へー、そいつはよかった。大方俺のプリンがその魔法のなんちゃらってわけだ。目的果たしたんだろう。さっさと異世界という名の自宅に戻るといいさ」
「まだもう一つ試験はあるのです。『魔法の源』を探すのはついでなんです。それはぁ……」
散々場をため込む少女。この瞬間にも設定を考えているのだろうか。
「私達魔道士候補生が精霊さんに認められる為に、一斉に試験生同士で戦いをするのです!」
「そうですかい」
なんか面倒になってきたぞ。俺はテレビを付けてごろ寝をしながら話を聞くことにした。
「戦いですよ。これは熾烈です。最後の一人になるか、来たるべき時が来るまで戦いを続けなければならないのです。すぐに脱落しちゃう人は精霊さんに認められずに魔道士になれません。噂では上位の試験生しか受け入れられずに魔道士になれないということらしいですから、やはりこれは熾烈です」
「おう。だったらどこぞでおっぱじめてくれて問題ないぞ。俺の家じゃなけりゃどこでもいいぞ」
「まだまだ話は続くのです。それで、この試験に際して一つ条件があるのです。何だと思います?」
「全くわからんなぁ」
「異世界の一人の人間と協力しなければならないのです。これはもう絶対条件なのです」
「へぇー。それまたなんで」
「いや、色々と深い理由があるみたいなんですけどねぇ。これは試験ですけども、異世界交流を経験するという目的も含まれているみたいでして。現地の方と協力して試験に取り組みましょうってことです。有意義じゃないですか。試験も出来て、交流も出来て。一石二鳥ですよ」
「つまり、思い出作りの為のお気楽レジャー感覚で日本にきたということなんだな。さながら修学旅行ってことだ」
「雰囲気的にはそんな感じなのです。血みどろの殺戮が繰り返されるというわけではないんですよ」
「だとしたらこええよ」
「でも本分は試験ですからね。レジャーというほど甘ったるくはないんですから!」
「はいはい。で、まだ設定はあるのか? 結局俺の家に転がり込んでる理由にはなってない気がするんだが」
「もうっ。勘が悪いんですからっ。選ばれたんですよ! おめでとうございます! あなたが私のパートナーですっ!」
「全然めでたくねぇ」
「テンション低っ! 低すぎですよぉ。でも……あっ。これ言っちゃおうかなぁ。どっしようかなー」
にやつきながらこちらを見てくる。
「言ってみ」
「精霊さんの寵愛を受けられるのですよ。もし私と共にこの試験で最後まで残れば」
「寵愛?」
俺は体を起こしていた。中々面白そうな設定だと思ったのだ。
「精錬さんの寵愛っていうのは、精霊さん達がなせる力を総動員して、可能な限りのお願いを一つかなえてあげましょうってことなのです」
「つまり億万長者になりたいとかも?」
「多分いけると思います」
「へぇ。じゃぁ俺なるよ。お前のその何とやらに」
もしそうなら面白いな、と思った。
「いいんですか! 実はパートナーにも素質ってものがありましてね。霊体化した私の姿を認識出来て、触れる人が条件なのです。その点では汐見さんばっちりでしたよ」
いやいや、そんな『もし』は存在するわけない。一瞬で我に返ったぜ。危ない。何引き込まれてんだ。
「気が済んだらもう行っていいぞ。そして親にちゃんと飯を食わせてもらえよ」
これ以上話をしていても延々と設定を垂れ流されそうだ。ここいらで切り上げなければ。
「じゃ、ちゃちゃっと契約しちゃいますか」
少女は持っていた怪しげな鞄の中から一枚の薄い木の板を取りだした。わりと精巧な作りのようで、表面もつるつるして綺麗だ。
「その板が何か?」
「ここに手を合わせてください」
「へぇへぇ」
「こう言ってください『言葉の精霊よ。汝の盟約者に力を貸すことをここに証明しよう』。はいどうぞ」
まるでおままごとだが、これで満足してくれるのならまぁ付き合ってやろう。
「えー。ことばのせーれーよ。汝の……」
「盟約者!」
「めいやくしゃにちからをかしますんでしょーめーしますよ」
「はい、おっけーです!」
「ドラマの撮影かよ」
すると青白く木の板が発光し始めた。
最近のおもちゃはすげーなぁと思っていると今度は異常なくらい……いや、おもちゃとは言えないくらいに発光しはじめた。最近の薄型LEDはすげーぜ! ってやばい! もうそんなレベルじゃ──。
何も見えなくなるほどの光が部屋中を覆い、しばらくしてようやくそれが収まった。
「おいおい。なんだいまの」
「契約完了の証ですよ。よかったです。精霊さんも認めてくれたようで」
「へ?」
「もぉー。言ったじゃないですか。協力してくれるって」
「は? まさか。いや、まさかな」
「これが一番最初の鬼門なんですよ。もう全然見つからないまま途方にくれる試験生だっているんですから。ああよかった。私って運が良くて」
「おいちょっと喜んでいるとこ悪いんだが。マジ……なわけないよな?」
「マジですよ」
少女は真顔だった。
「見ててくださいね」
少女は持っていた杖のようなものをを縦に振るうと、突然──小さくなった。え、なにこれ。
奇妙奇天烈な、ぬいぐるみみたいな姿だ。二頭身ってやつか。しかも……よくみると全身がうっすらと透けてる。
「なんじゃそりゃぁ!」
「精霊さんの力を借りて、霊体化出来るんですけど。霊体化するとこのように体の形を変えられます。別にお化けになったってわけじゃないですし、ものをすり抜けたりすることは出来ないんですけどね」
俺は口をぱくぱくさせることしか出来ない。
「私はこの格好が結構好きです。ちなみにこれ以上小さくはなれません。移動速度はかなーり遅いし、少しの間だけですけど。一応飛べます」
言って少女は本当に──飛んだ。水泳の平泳ぎみたいにすいすいと。
「どうです? 結構不気味ですよね」
そう言って、もう一度元の大きさに戻った。
「これで信じてくれましたか? これから頑張りましょう! 汐見さん! 一位通過で、目指せ億万長者ですよ!」
俺は凡人だが、置かれた今の状況は、非凡かもしれない。
何かを待っているってことにはしていたが、こんな状況を……待っていたのだろうか。わからないけれども、こうして出会っちまったのは、どこか運命的……なのかな。