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古道具屋のお客様

作者: 東京多摩
掲載日:2013/10/25

 平沢律子は、夢をなくしていた。彼女は、独立したデザイナーになりたかった。そのために、高校から大学と、ファッションの勉強をしてきた。しかし、現実には、毎日毎日ファッションと関係のない職場と家の往復しかない日々。たまの休日は、溜まった疲れを癒すためにひたすら眠る。そんな生活を上京してからずっと続けてきた。気が付けば20代を終え、さらに30代さえ残り少ない。以前はそんな生活の中であっても、いつか自分のブランドを持つための準備期間と言って耐えることができた。だが、そう言っていられないほど、自らの時間が残り少ないことに、彼女は焦っていた。

 追い打ちをかけるように、数の多くない友人たちも次々と結婚し、皆家庭を持った。一時期、結婚は自分の夢を妨げる邪魔な存在で、その制度自体を忌むべきものだと思っていた。旦那の愚痴や子供の世話の大変さ、嫁姑問題を友人から聞くと、自身にとって、結婚自体がまるで災厄のように思えた。ところが、今になると結婚している友人が羨ましくてしかたがない。どれだけ文句を言っても、世話が大変でも、仲が悪くても、それでも誰かと一緒に居ることができるからだ。今の自分には、ただいまと言っても、お帰りと返してくれる人はいない。それだけで胸が締め付けられる思いだ。せめて、彼氏でもいればと、何回何十回と願った。

 そんな自らと、周りの環境、それが、彼女から夢を少しずつ奪っている。


「はあ、私、ファッションデザイナーになれるのかなあ。」


 本屋にてアパレル雑誌を購入し、帰り道を歩く律子は一人ごちた。雑誌の中には、自分よりも若く、それなのに、自分では到底手の届かない夢を叶えた人たちのインタビューが載っていた。インタビューに答える若きファッションデザイナーは、律子と正反対に生き生きとした目で写真に収められていた。ただの写真だが、それですら律子の精神を逆なでし、嫉妬し、そんな自らに失望を与える程の力を持っていた。

 夢や結婚、自らの老化、そんな悩みが脳内に渦巻き、うなだれながら歩いているとき、律子はその看板を見つけた。それは、大分古ぼけた雑居ビルの前にぽつんと置かれていた。中の蛍光灯が切れかかっているのか、チカチカと点滅し、色は長年使っているのか褪せている。そして、看板の中央には黒いゴシック体で


「御役に立つもの揃えてあります。古道具屋…?」


とだけ書かれていた。

 普段だったら、何も考えず通り抜ける律子だったが、このときは違った。毎日歩く細い裏道で、その看板は初めて見るものだったからだ。新しい店ができたのかとも思ったが、それにしては看板が古すぎる。あれこれ考えてみたが、律子は意を決し、店に入ってみることにした。何か気に入ったものがあればよし、無いのならば何も買わずに出ていけばいいだけの話だからだ。律子は雑居ビルの階段を上り、openと書かれた札のかかった鉄製のドアを開けた。


「いらっしゃいませ。」


 中には、ごちゃごちゃと積み上げられたガラクタと、その間で椅子に座っている比較的若そうな男性が律子を見ていた。歳は10代、20代か、もしかしたら30を過ぎているかもしれない。眼鏡をかけ、白いYシャツにジーンズというラフな恰好をしていた。シャツの胸ポケットには、手書きの名札ホルダーがついており、マジックで汚く店主とだけ書いてあった。手にはブックカバーの付けられた文庫本をもっている。店内の汚さに圧倒されると同時に、恐らく店主であろう男の様子に律子は呆気にとられていた。


「あ、あの、ここが古道具屋さんですか?」


 はと正気に戻り、律子は店主に尋ねた。


「えぇ、そうですよ。お客様は何かお探しですか?」


 店主は目を細め、微笑みながら律子に答えを返した。手に持った文庫本をガラクタの山に投げ、律子を改めて見返した。


「えぇっと、何となく立ち寄っただけで、これと言って欲しい物はないんですけど…。」


 そう言いながら、律子は店内を見回した。置物や調度品、家具家電さらには剥製まで置いてある店内は、店と言うよりガラクタ置場に見えた。その中で、ある一つの物に目がついた。手を伸ばし、ガラクタの山を崩さないよう慎重にそれを手に取る。


「これは、ノートですか?」


 手にしたのは、深緑の和紙で作られた表紙を持つ、一冊のノートだった。右端を紙縒りで止めてあり、正確には綴りと言った方が良いような作りをしていたが、しかし紛れもないノートであった。B5サイズ程で古ぼけたそれは、中に何も書いておらず、未使用なようだった。


「あぁ、違いますよ。それはね、日記帳、それも夢専用の日記帳なんです。」


 律子の横に立っていた店主が説明した。曰く、この日記帳は一日の行動を書くのではなく、夢を綴る日記帳である。江戸時代、夢占いをしていた祈祷師が、自らの半生を費やし作ったものである。それは、毎日毎日夢を占った祈祷師が、人々の為にと作った代物で、この日記帳は、ある種の呪いが掛けられており、その効果は


「書いた夢が、現実になる…?」

「はい、そうです。どんな些細なことでも、どんな壮大なことでも、書いた夢は必ず叶います。」


 律子は驚き、そして訝しがんだ。常識を考えるなら、そんな非現実的なことは絶対に起こらない。起きてはならない。しかし、それでも、もしかしたら。自分の夢を、諦めかけている夢を、叶えられたら。


「そちらの商品、ご購入、していきますか?」


 律子はそう聞かれ、迷った。訳のわからない物、しかも年代物で、もしかしたら非常に高いかもしれない。今日、雑誌を買ったため、財布の中身も心もとない。そんな律子の様子を感じ取ったのか、店主はこんな提案をしてきた。


「もし、効果に不安がありましたら、そちら、無料でお渡ししますよ。」

「え!いいんですか!?」

「はい、構いませんよ。実はそれ、最後に売れたのがもう随分と前で、別の古美術商に卸そうか悩んでいたんです。」


 ですから、使っていただければ道具も喜ばれますし。と店主は続けた。それならばと、律子はノート、夢日記を手に店主にお礼を言って帰ろうとした。その時、店主の声がかかった。


「あぁ、言い忘れていました。使用上の注意なんですが、絶対にその日記で書かれたこと『夢みたい』、なんて言わないでくださいね。さもないと、書いた夢がすべて壊れて《・・・・・・・・・・・》しましますから。」


 よくわからない忠告を、律子は半分聞き流し、もう一度お礼を言って、古ぼけた看板の古道具屋を後にした。店内に残された店主は、座っていた椅子に再度どかっと座り、口の端をぐにゃりと曲げ、酷い顔で一人笑っていた。







 家についた律子は、早速夢日記をテーブルの上に置き、とりあえず眺めてみた。ある種の呪いが掛けられている。店主の言葉をまだ信じ切ったわけではないが、そう言われても納得できる雰囲気がそこにはあった。


「さて、どうしようかな。」


 そう言いながら、律子は愛用の赤い万年筆を手に取った。上京する時、父親と母親から渡された、家族のつながりを確認できる律子の宝物だ。そして、いざ、夢日記に書こうとしたときふと手を止めた。


「こういうの、漫画とかだと、絶対何かあるのよね。」


 考えてみればあんな怪しい店の、あんな怪しい店主に貰った、とてつもなく怪しい逸品である。そう考えると、そのまま自分の夢を書くことに抵抗を覚えた。そこで、律子は実験をすることにした。

リンゴが食べたい。

 一言、それだけを書いた。一分たち、二分たち、十分たっても何もなかった。


「あーあ、やっぱり、そんな都合のいいものなんて、あるわけ」


 あるわけないか。と言いかけた時、携帯電話の着信音が鳴った。ディスプレイには、お母さんと表示されている。通話を押し、そのまま耳元に電話を当てた。


「もしもし、お母さん?どうしたの?…え?青森のおじさんが?あぁ、それで電話を。うん。じゃあありがたく貰うね。…うん、うん、日曜日でいいよ。ありがとう、それじゃあまたね。お休み。」


 長くない会話の後、切断を押し携帯電話を夢日記の隣置いた。― 青森のおじさんから、取れ過ぎたリンゴ、たくさん送ってもらっちゃった。父さんと二人じゃ食べきれないし、律子にも送るから、いつ届くようすればいい? ―母親との会話を思い出しながら、律子は再び夢日記を見た。


「これ、もしかしたら…。」








 律子は、更に三日かけ、様々な実験を行った。例えば、早く帰りたい。そう書くと、取引先との会議が突然中止となり、いつもより2時間も早く家に帰れた。新しいバックが欲しいと書けば、以前出した懸賞が当たったとハガキが届いた。どんな些細なことでも叶い、どんな夢でも実現された。


「これは、きっと本物だわ!」


 アパートの自室にて、届いたリンゴをかじりながら、律子は夢日記の効力に興奮していた。部屋の片隅にかけられた新しいバックと、玄関に置いてあるリンゴの詰まった段ボールが、夢日記の力を表していた。

そして、律子は意を決し、赤い万年筆を握った。


「これで、私も…!」


自分のブランドを持ちたい。

かっこいい彼氏が欲しい。


 震える手で、しっかりと自分の夢を夢日記に書き、律子は万年筆を置いた。どうやって叶えられるか、それはわからなかったが、必ず長年の夢さえきちんと叶えてくれるだろう。そんな確信を持ち、律子は期待に胸を膨らませ、ベットに横になった。








 次の日、律子に上司から声がかかった。


「新しい事業展開として、アパレル関係をやるという話なったんだが、ノウハウも何もなくてね。律子さん、前にファッションの学校に行ってたって聞いたけど、知り合いにデザイナーとかいない?」


 渡りに船、まさにチャンスが巡ってきた瞬間だった。飛び上がり、歓喜するのを抑え、律子は返す。


「私の知り合いではいませんね。そこで、提案なのですが、そのプロジェクト私にもやらせてい頂けませんか?他の方よりファッションには強いですし、なにより、私の今まで培ってきたことを会社に還元したいんです!」

「あ、そう?じゃあよろしく。」


 呆気なく、律子は自身の夢への切符を手に入れた。長年持ち続けてきた夢の、第一歩だ。

 それから、律子は寝る間も惜しみ、資料を集め、利率の計算をし、いくつもの素材を厳選し、大量のラフ画を描いた。周りから心配されることもあったが、夢の実現のため、会社の為と言って周りを説き伏せた。プロジェクトはとんとん拍子に進み、着々と律子のブランドを発表する日が近づいてきた。

 そしてもう一つ、夢日記に書かれた律子の夢は叶った。良い生地を探している内に知り合った、さる商社の男性と付き合うことになったのだ。それまで全く男の気配がなかったので、後輩や同僚は大いに驚き、そして祝福をしてくれた。律子自身、いまいち実感が湧かなかったが、しかし現実に彼氏ができたことを大いに喜んだ。これも夢日記のおかげだと、心の中で何回もただで譲ってくれた店主お礼を述べた。

 そして、律子のデザインしたブランドの発表前日、律子は彼氏の部屋で、祝杯と称し二人だけでワインを開けて大いに盛り上がっていた。そのうち、宴もたけなわとなり、彼氏のベットで二人抱き合って横になった。彼氏の腕枕に幸せを感じながら、律子はまどろみ、一言つぶやいた。


「あぁ、幸せだわ。本当に、今でも信じられない。まるで、夢みたい《・・・・》だわ。」


 そして、律子は夢の世界へと落ちていった。







 

 次の日の朝、律子を叩き起こしたのは、けたたましく何回も何回も音を立てるマンションのブザーだった。こんな早くに何事だろうと、パジャマ姿の律子は寝ぼけ眼でドアを開けた。ドアの外には、何人もの男が立っていた。そのうちの、先頭に立っていた初老の男が口を開いた。


「朝早くにすみません。私ども、警察です。中、失礼しますね。」


 そろって手帳を見せる警察官達は、呆気にとられた律子をよそに、手早く部屋に入っていく。そして、奥から「確保!」と大きな声が聞こえた。訳が分からない律子に、そこに残っていた初老の刑事のような男性が、彼氏の名前が載った令状を差し出し、説明をした。彼氏は、自らの身分を偽り、今まで何人もの経営者を騙してきた、詐欺師であると。長らく行方を晦ませたが、最近、また姿を現したので、内偵を進め、今日の逮捕に至ったと。


「お嬢さんも、アイツと何やら関係があったみたいなんで、お話をお聞きしたいんですが…。」


 無表情で、淡々と話をする初老の刑事は、まるで機械のようだった。奥では、彼氏が何人もの屈強な男に囲まれ、何やら話をしている。


「なるほど、要は男女の関係と。アイツのよくやる手口ですね。取引先の女性と関係を持ち、ギリギリまで金を出させるんです。相手がこちらを好いてるなら、詐欺もやりやすいですからね。まあ、逃げる前に確保できただけ、今回はまだまし…おい!誰だ、携帯の電源切ってないやつ!」


 メモ帳に律子の証言を書いていた初老の刑事が、奥にいる捜査官に怒鳴った。奥からデフォルト設定の携帯着信メロディーが鳴り響いている。


「俺たちのじゃないですよ。これが鳴ってるんです。」


 奥から、スキンヘッドの厳つい警察官がやってきて、ストラップが一つだけついた律子の仕事用携帯を差し出した。


「あ、それ、私の物なんですが…。あの、出てもいいですか?」


 構いません。初老の刑事は感情のない声で言った。律子が画面を確認すると、上司の名前が表示されていた。通話ボタンを押すと、律子が声を発する前に、大いに慌てた上司の声が耳に飛び込んできた。


「律子君!大変だ!君のデザインした服を保管していた倉庫が、昨晩火事にあって、在庫が全部燃えてしまったんだ!!」


 それは、死刑宣告よりも残酷な、上司からの連絡だった。呆然とその場に座り込んだ律子から、初老の刑事が携帯を取り上げた。


「もしもし、お話し中、申し訳ありません。わたくし、東町警察署所属の刑事でして…。えぇ、そうです。いえ、こちらの女性ではなく、その、連れが。はい。…あー、それで。」


 目の焦点が合っていない律子を、初老の刑事が一瞥した。


「はい。では、状態が状態なので、一旦自宅にお送りして、立ち直ってから調書と。…はい。落ち着くまでは休業と。ではそのようにお伝えいたします。はい。では。」


 切断ボタンを押し、通話を切った初老の刑事が、へたり込んでいる律子に目線を合わせた。


「えーっと、律子さん、でしたよね。その、お仕事の件、私どももお話を聞きました。長年の夢らしく、大変残念ですね。で、本来ならばこのまま調書を作りに一緒に署まで同行願いたいのですが、失礼ながら、律子さんがそうも言えない状態なので、本日は一回ご自宅にお帰り頂き、後日署までお迎えに上がるという形でよろしいでしょうか。」


 長々と話す刑事に対して、律子はこくりと一回頷いて返すのみだった。








 どんな経路で帰ってきたのか、どうして自分のアパートの場所がわかったのか、そんなことにも気が回らない律子は、いつのまにかアパートの自室の前に立っていた。朦朧とした様子で、財布から鍵を取りだし、ドアを開けた。

 部屋に入り、最初に感じた違和感は、異臭だった。顔をしかめ、臭いの元を辿ると、リンゴの入った段ボールが目に入った。恐る恐る閉じられた箱を開けると、中は異様な空間に変わっていた。一最後に食べた時は、艶のあるリンゴがきっちりと並べられていたが、今は、見る影もなく、すべて腐り、一部が水のように溶け、覆いかぶさるように色とりどりのカビが繁殖していた。その光景に、思わず洗面台で胃の中の物を戻した。

 気持ち悪さを抑えながら洗面台の前に立っていると、部屋の中に冷たい風が吹き込んでいることに気が付いた。ふと顔をそちらに向けると、荒らされた自室の光景が飛び込んできた。窓ガラスの一部が割られ、部屋の中は吹きさらしになっていた。そこから空き巣が入ったのだろう。タンスからはぐしゃぐしゃになった服が顔をだし、小物入れは蝶番が壊され、口を開いたままになっていた。そして、懸賞で貰ったバックは、どこにも形が見えなかった。


「なんなの…。なんなのよ!!!」


 律子は、狂った。長年の夢は叶う目前で崩され、寂しさを埋める彼氏はただの詐欺師。さらに、夢日記に書いた小さな夢も、すべて壊されていた事が、律子の理性と平常心を完膚なきまでに叩き潰したのだ。

 そんな律子の目に、和紙表紙のノートが目に入った。ふらふらと目前まで歩き、テーブルの前で止まった。そして、愛用の赤い万年筆を手に取り、書いた。


「こんな、こんな世界、なくなっちゃえ!!!」


 そして、律子の視界は、暗転した。








 ガチャリとドアの開く音がし、二人の人影が律子の部屋に入ってきた。一人は、老年の少し腰の曲がった男性で、もう一人は、あの古道具屋の店主だった。


「この部屋の物で、価値のある物をこちらで引き取ればいいんですね、管理人さん。」

「えぇ、お願いします。この部屋の方、ある日から突然いなくなってしまって…。次の人入れるのに、荷物をどかさなければいけなくて。」


 店主は一回し部屋を見た後、テーブルの上に無造作に置かれた、赤い万年筆を手に取った。


「この部屋の人は、いったいんどんな人だったんですか?」


 笑顔を浮かべ、万年筆でペン回しをしながら、店主は管理人に聞いた。


「それが、実は覚えていないんですよ。確か、女性だと思うんですが、それ以外はさっぱり…。書類も、この部屋の分だけなくて…。まあ、警察に捜索願も出ていませんし、親族の方も連絡がないので、たぶん独り身の方だったんでしょう。」

「ふーん。そうですか。」


 それでは、後をお願いします。そう言って管理人は部屋を出て行った。店主は、もう一つテーブルに残された物、新緑の表紙を持つ綴りのような紙の束、夢日記を手に取り、パラパラと目を通した。そして、何時ぞやのように目を細め、酷い顔をして一人笑った。


「あぁ、素晴らしい。才能も、運もチャンスも無い人間が、諦めかけた夢を掴もうと必死に足掻く様は、酷く剽軽だ!その夢を達成できなくなることをわかった瞬間の表情は、これ程も無く滑稽だ!!そして、忠告を破り、夢が壊れた時など、可哀想で可哀想で涙すらあふれる!!あぁ、やはり、人とは面白い!!」


 やはり、あの人に渡して正解だったな。そうごちて、店主は腹から笑った。誰もいない部屋で、一人笑い続けた。


『こんな世界無くなれ』


 そんな自分勝手な言葉を思い出し、店主はいつまでも、いつまでも笑い続けた。

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