優しい人
今回、吃驚するほど短いです。
ご了承ください。
行灯の鈍い光に照らされて影を伸ばす。やわらかい空気の中、遅めの夕餉が始まった。
「「「いただきま~す!!!」」」
お箸を一斉に手にとって、そのまま手を合わせる。
口いっぱいほうばったのは、やはり冷たいご飯である。しかし、心の中はほっこりとしていた。あぁ、こんな生活がずっと続けばいいのに・・・。
正直に言って、タイムスリップとか時姫に選ばれたこととかは、現実味がなくて宙に浮いているような感じで、なんか、驚きの連続だ。でも、都和子さんも夕ノ介も、それはそれ、あれはあれ、と割り切っているようで、なんだか嬉しい。「時姫修行だからここにいてもらってもかまわない。」じゃなくて「私だからここにいていい。」っていうのが、「特別だ」って言ってもらえているみたい。知らず知らずのうちに頬が緩んでいた。
「?どうした?」
夕ノ介の力強い声。まるで、全てを包み込むような。
「なぁに、瑠菜ちゃん?」
都和子さんの綺麗の声。まるで、全てを洗い流すような。
「都和子さんと夕ノ介はとっても良い人だなぁ、と思って。」
私の声。まだまだ巣の中の雛みたいだが、たしかにそこにいる。それを主張しているような。
「なに、急に?」
私からしてみれば、急に、ではないが、都和子さんは吃驚している。
夕ノ介は、と横を見ると苦笑いしている。
質素だが華やかな夕餉であった。
・・・あ、結局夕食作ってない。。。
すみません。
展開おそくて・・・。