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時姫  作者: 久保坂かの
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私はなんなのか?

みて下さった皆さんありがとうございます!!


『言っておくけど、あんたも正確に言うと人間じゃないのよ?』

「はい?」

人間じゃない?今なんとおっしゃいましたか?クロリン。セイカクニイウトアンタモニンゲンジャナイ。私人間じゃないんですか?

「じゃあ、なんなの?私ってなに?」

時姫ときひめよ』

「「「時姫ぇぇ??」」」

3人の声が重なった。時姫なんて聞いたことのない単語に疑問を抱くのは皆同じようだ。

『そう、時姫よ。時姫っていうのは、簡単に言うと‘魔女”のことよ。』

夕ノ介と都和子さんはちんぷんかんぷんなご様子だったが、私にはかろうじてわかった。

イメージとしては、がま蛙の油や蝙蝠こうもりの爪、怪しげな毒草を大きな壺なんかでクツクツコトコト煮込んでいる黒服の女だ。

クロリンは更に続ける。

『その昔、と言っても平成から約300年後から数えて、ね。ヨーロッパ、海の向こうかわ、ポルトガルとかがある大陸にはたくさんの魔女がいたのよ。一言に魔女ってと表してもいろいろいてね、毒薬を作って暗殺を手伝ったり、それこそ錬金術れんきんじゅつを行う者もいたわ。』

夕ノ介は初めて聞く未知の世界に驚き、興味津々(きょうみしんしん)で聞き入っている。都和子さんは早くも「瑠菜ちゃんは瑠菜ちゃん」と考えることを早々に放棄して言う。

「それで、時姫って?」

私の問いにクロリンは『ちょっと、焦りすぎよ。これから話すわ。』

『ある時、魔女狩りが行われたのよ。ねぇ、魔女狩りって知ってる?罪のない、疑惑をかけられた女たちが次次に囚われて、拷問にかけられて、火炙ひあぶりにされるの。』

「ひぇぇ・・・」

「火炙りとは・・・極刑だないや、獄刑か」

「あら、とっても酷いことをするのね!」

『その中で、なんとか生き延びた魔女、リリシア様が‘大いなる魔術”をつかったの。その魔術は、自分と同じ術を使う者を選ぶ、というものよ。リリシア様は‘大いなる魔術”と引き換えで死んでしまったのだけど、その魂が求めていた人格を魔術が選ぶの。わたしは上司に命じられてあんたを守っていたの、時がくるまで。そして、その時が今。』

「じゃぁ、クロリンは・・・」

『あんたの使い魔、みたいなものよ。ちなみに、上司はあんたにわたしを預けた黒マントよ。』

私は今まで当たり前のように健康で、事故にもあわず暮らしてきた。それは、守ってくれるヒト(猫?)がいたからなんだ。今更のように思って胸のあたりがじんわりとなった。

「あの、盛り上がってると悪りんだが、使い魔って?」

「おつかいしてくれるかしかしら?」

「ちがいます!!」

2人ともものすごく勘違いしすぎだ。まぁ、当たり前だが。

『使い魔っていうのは、簡単に言うと、ご主人様の意のままに動く、いわばしもべのことよ。わたしのご主人様は名をつけてくれた瑠菜、あんたよ。』

私がご主人様のわりに口がしゅうございませんか?クロリンさん。


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今回、台詞せりふ多めです。

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