川尻啓人 22歳 ★★★★☆
川尻啓人 22歳 ★★★★☆
《基本プロフィール》
川尻啓人 22歳 右投左打
身長189cm 体重93kg
守備位置:投手
経歴ー桜谷小(桜谷ファイターズ)- 西部中(富山ヤングベースボールクラブ)-高岡商高-亜細亜大
《総合評価》★★★★☆
「189cmから158km/hを投げ下ろす、4年春に覚醒した大型パワー右腕」
川尻は、189cm・93kgの恵まれた体格から最速158km/hを投げる亜細亜大の右腕である。大学4年春に先発へ回ると、常時150km/hを超える直球を安定して投げられるようになり、一気にドラフト上位候補へ浮上した。スライダーとフォークも持ち、直球で打者を押し込める時の迫力は大学生でも屈指である。
高岡商高時代は甲子園で登板経験があるものの、全国的に大きく注目された存在ではなかった。大学では故障で登板機会を失った時期もあったが、体重を約10kg増やし、投手としての出力を引き上げた。下級生時代の実績よりも、最終学年での急激な成長を評価すべき投手である。
ドラフトでは、上位〜中位での指名が想定される。球速、体格、伸びしろは1位級だが、先発としての実績はまだ十分とは言えない。プロでは先発として育てる価値が大きい一方、短い回で158km/hを生かす救援起用も想像できる。直球の質を高め、制球と変化球の再現性を上げられれば、将来のエース候補になれる。
《簡単な球歴》
中学時代:富山県富山市で育ち、西部中では富山ヤングベースボールクラブに所属した。中学時代から長身を生かした右腕としてプレーし、硬式野球で投手としての基礎を作った。
高校時代:高岡商高では2年夏に甲子園へ出場し、投手として登板を経験した。高校時代は全国的な上位候補ではなかったが、長身から投げ下ろす直球に将来性があり、亜細亜大へ進学した。
大学時代:亜細亜大では下級生時代に故障の影響もあり、安定して結果を残せなかった。3年秋は肘の痛みでリーグ戦登板がなかったが、4年春にリリーフから先発へ転じ、急成長を見せた。
4年春は東洋大戦でリーグ戦初先発を果たし、5回4安打無失点で初勝利を挙げた。国学院大戦では5回2/3を投げ、7奪三振、2失点。秋は中大戦で6回4安打1失点、青学大戦で6回1/3を3安打1失点、7奪三振と先発で結果を残した。
《強み・アピールポイント》
最大の武器は、189cmの長身から投げ下ろす最速158km/hの直球である。高いリリースポイントと角度があり、球速だけでなく打者の手元で強さを感じさせる。直球が走る時は、初回から150km/h超を連発し、打者を力で押し込めることができる。
スライダーとフォークも有効である。直球の出力が高いため、変化球を意識させれば打者は速球に振り遅れやすい。秋の青学大戦では、スライダーと縦に落ちる変化球も評価され、7奪三振を記録した。空振りを奪える球を複数持つことは、先発・救援のどちらで起用する場合にも大きい。
大学4年時に制球面を改善したことも大きな前進である。以前は出力に対して制球が課題だったが、2026年は無駄な四球が減り、先発として長い回を投げる試合が増えた。ロッテのスカウトからも「春先よりスピードが上がっている」「四球も少ない」「先発で長いイニングを投げる方が合っている」と評価されている。
体格と成長余地は特別である。大学入学後に体重を増やして球速を伸ばしたように、フィジカルの強化が能力へ直結している。プロのトレーニング環境で下半身、体幹、柔軟性をさらに高めれば、球速と球威の上積みを期待できる。
《弱点・課題点》
最大の課題は、先発としての安定感と実績の積み上げである。4年春に大きく成長した一方、下級生時代には故障もあり、長い期間にわたって先発ローテーションを守った実績は限られる。プロでは登板間隔を守りながら、年間を通じて球威と制球を保てるかが問われる。
また、直球が強い分、甘いコースへ入ると長打を浴びる可能性がある。国学院大戦では6回に連続本塁打を打たれた。右打者の内角、左打者の外角へ直球を投げ切る精度と、フォークを低めへ落とす再現性を高めたい。
長身投手はフォームのバランスが崩れると、制球が大きく乱れやすい。プロでは下半身主導のフォームを安定させ、疲労時でも高いリリースポイントを再現する必要がある。素材は1位級だが、育成面では焦らず、先発としての土台を作りながら投球術を磨くことが重要となる。




