# 3 遊鬱
キーンコーンカーン コ〜ン〜キンコ〜ン
「ふっ う〜んん」
開放感にゆっくりと伸びをし、眠た目に隣を向いた
「チーちゃん ど だったぁ?」
「ん、まあまあかな♪」
「そかぁA確か〜、ボクもまあまあってとこだけどチーちゃん基準にはまぁC〜Bってとこだわ…」
「トイはどぉ…」
と、少し後ろに椅子を傾けチーちゃん越しにチラリ。
いない?あるはずの位置に頭は見当たらず、っと、椅子の背が後席にあたってぐらつく脚が止まった。
覗けた先に見えたソレは、机に顔が埋まったツインテ!?
いや、突っ伏し一体化したソレは、栗色の柔らかい髪をシンメトリーに机のへりから垂れ流す…
机は絶望の言葉を発した!
「 オワ タ … 」
その声は空っぽの引き出しへ収まるように亜空間へと消えて逝く。
クイッ!
シンメトリーは崩さずにアゴが上がった
「アサちゃん、チーちゃん 知ってた!?
どうやら転生しても言語自動翻訳なんて便利機能ないってこと…」
唐突に捲し立てる
「はぁ?
トイ、アンタはボクらと一緒に学校に来た!
いつトラックに撥ねられた!?」
そこにかぶせるチーちゃん
「そうですね、確かにほとんどの転生ものでは初期設定に言語自動翻訳は備わっていて、でも赤ちゃんから生まれ直すとかだと一から勉強してたり、そうでなくても一種族の言葉しか分からないものもあれば、他にも…」
こうなると止まらないチーちゃん
「 はいっ!」
ヲタモードのチーちゃんを遮り
「チーちゃんも真面目に相手しなくていいからぁ って真面目でもないんだよなぁ…
で トイ、アンタまた白紙回答なワケだ!」
ゴロリ…
気怠げにこちら側を向いてシンメトリーが崩れた。
机に頬をペタッと貼り付け
「それじゃあ言わせてもらいますけど!
英語なんて言語習ったところで、その世界に私の読みたい、観たい作品なんてないし、あったとしても私の大好きな声優様たちが私に分かるようにイケボで語ってくれるんだから!
あ〜ぁ古代魔術とか錬金術だったら覚えられるのに…」
分からなくもないとは心に留め…
「はぁ〜呆れた、ま いいけど、アンタが毛嫌うその言語(英語)がなければ、アンタが好きな ステータスオープン!(キメ顔キメポw)
とか インフェルノ! とか チェックメイト!とか、そんなの日本語だったらダサダサじゃね 」
(そんなにダサくもないのかもだけれど…)
ゴロリ…
再び突っ伏しシンメトリー
「ァサちゃんのバカ… 」
「あっ!?」
思い出したようにチーちゃん
「しかし困りましたねぇ、明日の即売会!
私とアサちゃんは3限でテスト終われば間に合いますけど…
トイちゃんは補修ということに… 」
ゴロリ…
明後日を向いてアシンメトリー
「 へ … 」
亜シンメトリーは亜空間へと誘われた。