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14、火気厳禁

 やはり倒すか。ただ[気配遮断]というスキルがある。これはなんだろう。おそらく[隠密]と同じようなもののはずだが。


「[ステータス閲覧]、詳細を確認」



 ............なにも起こらない。なんでだ?


〈[ステータス閲覧]は自らのステータスを閲覧するものであり、他への干渉は[鑑定]で行います〉


 そりゃそうだ。[ステータス閲覧]で敵のレベルがわかったら誰も苦労しないし、ギルドも道具をわざわざ貸さない。


「[鑑定]、詳細確認」



[気配遮断]

 自分の気配を薄くする。レベル10で[隠密]へ進化。



 まさかの下位互換だった。じゃあ[身体強化魔術]は? おそらく新人講習の時に言われたのだろうが。



[身体強化魔術]

 身体能力を向上させる。レベルによって上昇率が変化。


 

 今まで見てきた他の魔術と違ってレベルに合わせて魔術を習得する訳ではないらしい。どれくらい強化されるのかはわからないがレベル2だからまあそこまでではないと信じたい。

 

 他に魔術は持っていないみたいなので、不意打ちなら倒せるはず。


 しかしここで問題が一つ。今までのことから考えて俺は鳴きまねをしないと新しい魔術を習得できない。


 しかし、相手が鳴いているということは自分に攻撃されているということ。新しい魔術の習得か、安全か。


 まあそもそもこの魔獣でないとダメなわけではないし、今は初の依頼中。流石に安全第一。


 よく狙いを定めて............


「〈熱刃〉!」


「ギュァ!」


【レベルアップしました】


 よし、結構あっけなく倒せた。近寄ってみても生きている感じはしない。せっかく倒したので[武器庫]に収納しておこう。


 ここからは本題のルーヒ草の採集。


 念のため[鑑定]で本物のルーヒ草か確認しておく。



ルーヒ草

 毒性のある植物。接種約1時間で腹痛が現れ、その後約30分で毒性が消失する。調合次第で軽傷の治癒が可能になる。



 本物だった。説明も大体本で見たのと合致している。確か依頼だと10本くらい必要だったはずだから、予備も含めて20本くらい採っていくか。


 こういう時は全部を採ってしまうとそこには生えなくなっちゃうから、やっぱり20くらいが限度だな。


 花は説明の通り真っ赤だけど、なかなかいい匂いがする。ハチミツの取れそうな甘い匂いと、それでいて爽やかな匂いが立ち込める。アクセントに焦げ臭さも加わって、非常に……………焦げ臭い?


 なんでそんな匂いがするんだ。流石異世界ってこと…………


「は?」


 何気なく前を見て、そして気がつく。


「火事だ!」


 なんで火事なんかが起こってるんだ。いや、十中八九さっきの〈熱刃〉のせいだ。


(周りに人はいるか!?)

〈いません〉


 幸いというべきか、周りに人はいないらしい。だが、最悪の事態でもある。この森林火災を止める手段が俺にはない。俺が使える魔術は[炎魔術]と[生命魔術]の2つだけ。どちらを使っても火災は止められない。


 迂闊だった。前は洞窟近くの岩肌だったから使えたが、ここは森。火の出るものを使っては駄目だった。


 そうこうしているうちにも火は燃え広がる。ここも危険だ。


 今後悔していたら死んでしまう。逃げろ!


「ゲホッ」


 ひたすらにここから遠ざかろうとする。そんな場合じゃないのにこの世界に来てから逃げてばっかりだとか考えてる自分がいる。


 どうする、どうやって火を食い止める。このまま火が広がっていたら森が丸ごと焼けても不思議じゃない。どんどん煙が広がっていって吸い込んでしまいそうだ。


 森林火災の危険性になんで気が付かなかったんだ。くそっ。今日は日差しが眩過ぎると感じるくらいの快晴。雨なんて期待でき………

 

 俺の頬に水が落ちてくる。


「え?」


 そう、『水』が落ちてきたのだ。決して俺の涙ではないし、まだ汗の出るほど走ってはいない。まさか、雨か!


「ピピピョォーロローー」


 

 ふと上を見上げると、鳥のような魔獣がいた。しかし、さっき倒したシンバードとかではない。美しく光を反射して輝くような緑色の羽を持った鳥が飛んでいく。


 そして、雨がこの周辺に降り注ぐ。


 その鳴き声は『雨ノ恵ミヲ』というふうに聞こえた。いや、そういう魔術なんだろう。地球にいるときは絶対に感じなかったであろう、雨の、自然のありがたさがわかった。


 雨粒が太陽の光に反射してとても美しい風景になっている。怪我の功名と言ってはあれだが、この風景を見れたのは火事のおかげかもしれない。




(そうだ、火事は!?)

〈鎮火しました〉


 そうか、無事火事は収まったか。よかった。本当に、本当によかった。俺のせいで森が消失して近隣住民の生活に被害が出るなんて真っ平御免だ。


 これに懲りたら今度からは森の中で[炎魔術]は使わないようにしないと、今回のようなことになりかねない。




 しかし、どういう攻撃を使おう。今持ってる攻撃に使える魔術は[炎魔術]だけだ。


 待てよ、炎魔術はあのウサギから手に入れただろ。そのウサギの攻撃手段はなんだった? 炎と、風、だよな。


 ということは俺は風の魔術も習得できるはず。


([遇の智庫]、あのウサギはどう鳴いてた?)

〈風魔術使用時には『グアッ』と鳴いていました〉


 何度聞いても思うが絶対アレウサギじゃないな。形だけはうさぎなのに。

 まあとりあえず習得できるか試してみよう。


「『グアッ』!」


ドンッ

ミシミシ


 やばい木が倒れてくる。逃げろ!


ドーン


 あらー。木が折れちゃった。ただでさえさっきの火事で安全に木をつけようと思っていたのに。とりあえず、何かに使うかもしれないから[武器庫]に入れておこう。


【スキル[風魔術]を獲得しました】


「よし!」


 無事に新しいスキルを獲得できた。これでとりあえず一つの攻撃手段はできた。

 主人公は火事を起こした直後に木を破壊する。森が犠牲に………

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