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宿幼決戦編 三十六章 光に向かって進み続ける

白梅は神気が消耗しているとわかるほど強力な気気滅却作用がある液状闇の中を進む。

(・・・見えてきた)

小さな光を見る白梅は小さな光に向かって進んだ。


周りには炎に包まれるアーヴァン王国が周りに映り映像のように流れる。

「・・・」

白梅は空に小さな光を阻む神ノ雫・終夜の映像を見ながら進み続けた。

「あの赤子は危険だ!!世界を滅ぼす力を持ってる!!」

「大陸にある全国家に告ぐ・・・この国は・・・白髪の赤子、リベードリヒによって滅ぼされた。私たちの故郷を焼き払う奴を!!決して許さないでくれ!!」

涙を流す軍人が無線機を握りしめながら言った。

あの子が居ない。

まだ深部だろうか。

「随分作り込んでるね」

白梅はそう言うと、神ノ雫・終夜の映像を突き抜けた。

「あいつは一国を滅ぼした」

「国を滅ぼした大犯罪者がなぜ捕まらない・・・」

「最低・・・」

大量の映像が流れる空間を白梅は突き進む。

「待て!待てぇぇぇぇ!!」

ビゼルはそう叫びながら白梅の足を掴んだ。

「私の力!私の命!!」

ビゼルは白梅を見て必死にそう言った。

ビゼル・オブ・シーモア。

君の方から来てくれるなんてね。

「・・・」

ビゼルを見て笑む白梅はビゼルと共に沈んでいった。



路地裏で蠢く闇は明るい道を歩く人々を見た。

「・・・何だ・・・この感覚は・・・」

「どうして楽しそうなんだ・・・そんな場所に居て・・・」

日の光を浴びて蒸発する蠢く闇は狭まる日陰に逃げる。

「ママ!」

子供は母親に抱きつき、母親は子供を抱っこした。

「僕にも・・・僕にもそれをしてほしい!」

幸せそうな子供を見る蠢く闇が勢いよく裏路地から飛び出した瞬間、蠢く闇が焼けながら蒸発した。

「知能も何もない失敗作の分際で何かを得ようとするな。身の程を知れ」

暗黒の霧は蠢く闇を見てそう言った。

「抱っこ・・・」

蠢く闇は暗黒の霧を見た。

「抱っこ・・・抱っこ・・・」

蠢く闇は闇に侵食されてもなお抱きしめ続ける白梅を見つめる。



神気風が止んで静寂が訪れる。

「止まった・・・」

グラディスは神ノ雫・終夜を見てそう言った。

「闇が・・・神気が昇って・・・」

ウェンディは昇る闇を見てそう言った。

「ギュオォォォォォォォォン」

神ノ雫・終夜から広がる闇が神ノ雫・終夜を覆い隠し、巨大な闇の髑髏(どくろ)になった。

「デカッ!!」

グラディスは巨大な闇の髑髏を見て驚きながらそう言った。

神ノ雫・終夜の闇眼から大量の悪魂が放たれ、狂神になった。

「悪あがきにしては中々良い」

最上大業物燦海(さんかい)を握った桜は大量の狂神を見て笑みながら言った。

「いっちょやるか!」

グラディスは大量の偽神グヴァンゼァムを見て笑みながらそう言った。

「切り刻んでやる」

最上大業物千浄炎華(ちじょうのえんか)を握ったシゼルは大量の偽神グヴァンゼァムを見てそう言った。

「さぁ、宿幼・・・決戦だ!」

ウェンディはグラディスを見て笑みながらそう言うと、断罪の聖槍(せいそう)を生成して握った。

ウェンディたちは大量の狂神に向かって突撃する。


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