宿幼決戦編 三十五章 邪を砕く伝説の剣技
「・・・」
白梅は満月が輝く空を舞った。
「金だ!」
「銀も!」
「綺麗な石も!」
屋根を叩く綺麗な音を聞いて目を覚ました住民たちは戸を開け、外を見て笑みながら言った。
私は部下であり、友でもあるお銀を失い、舞い泣く。
お銀は淵下の神露を淵下に帰すために奮闘した末に力尽きた。
戦場へ到着した私ができたのは、お銀の亡骸を消すことのみだった。
友よ、好きだった舞を見ながらゆっくりとお眠り。
「六合の力をさらに引き出す!」
神ノ雫・終夜は巨大な雫を次々と梨々香に飛ばしながら大量の神気弾と偽神グヴァンゼァムを放った。
「剣技!」
梨々香がそう言うと、神刀華炎が赫色に輝き融解し始めた。
「天照!!」
梨々香はそう言うと、神ノ雫・終夜に向かって赫色に輝き融解する神刀華炎を振った。
その瞬間、赫い炎を纏った白い衝撃波が発生した。
照赫する神刀華炎から放たれた白い斬撃波は神ノ雫・終夜に向かい、神気弾と偽神グヴァンゼァムと巨大な雫が一掃される。
赫い炎を纏った白い衝撃波は神ノ雫・終夜の防護壁を貫通して神ノ雫・終夜を切り裂いた。
神ノ雫・終夜を切り裂いた白い衝撃波は空中で弾けて赫灰色の界を一瞬だけ生み出した。
「なんでッ!なんで!!!!私は六合を吸収したことによって最強になったはずなんだぁぁぁぁ!!」
崩れる神ノ雫・終夜に潜むビゼルは悲鳴交じりにそう言った。
「そうだ・・・ゼノ化!!ゼノ化を使えば!!」
神ノ雫・終夜は巨大な雫を針に変形させ、迫る華炎に飛ばした。
神刀赤閃を握った梨々香はいくつも飛んでくる針を避け、針の上を走り、針を斬った。
斬られた針は斬り口から炎を噴き出し、砕け散った。
破片は燃え、儚く消える。
「ゼノ化しろ!ゼノ化!ゼノ化!!」
神ノ雫・終夜に潜むビゼルは叫んだ。
「ゼノ化は世界を変える覚悟を持った者だけが使える力だ」
神刀赤閃を握った梨々香はそう言うと、神ノ雫・終夜に照赫する神刀赤閃を突き刺した。
「うわぁぁぁぁ!!!!」
燃えるビゼルは悲鳴を上げた。
「力がッ!!六合が私から離れてッ!!」
ビゼルはそう言うと、慌てて液状闇の中に入った。




