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レディフ・フィアンゼ編 九章 リリー・ゼノクイーン対カルジェン・バース。前編

午後二時七分。

疑似神姫十五機から成る月浜の疑似神姫部隊がついにレムフィト近海へ侵入。

レムフィト沖上空で雪風、AA-09A、II-141部隊とTT-42B十五機から成る疑似神姫部隊が交戦。

光と音が花火のように光っては鳴り、大激戦を物語っている。


「09A-02の耐久値百パーセント、09A-04の耐久値八十パーセント、09A-06の耐久値七十五パーセント」

オペレーター1は情報が映るモニターを見てそう言った。

「オレンジさんもエコーさんもかなり良い調子ですね」

ローランは情報が映るモニターを見てそう言った。

「あんな短時間の訓練でここまで大奮闘しているんですから、天才という他ありませんよ」

オペレーター1はローランを見て笑みながら言った。


「カッテェよ!」


A-09A-6 ゼレヴィアンとその操縦士、水色が基調のスカートタイプの戦闘服で身を包んだエコーは二丁のエネルギー弾搭載拳銃を飛び回る黄緑眼、黄緑白髪にツインテール。黄緑色が基調のスカートタイプの戦闘服で身を包んだ生者とは言い難い肌のTT-42B-42-01 ケティ・アイヴァーンに向けて撃ちまくった。

「効かない効かない」

ケティ・アイヴァーンはエコー・ゼレヴィアンにエネルギー砲を撃ちながら言った。

エコー・ゼレヴィアンはエネルギー弾を避けると、二丁拳銃で再びケティ・アイヴァーンを撃ち始めた。

「いやぁ~あの銃じゃ無理っしょ」

エネルギーライフルにエネルギー缶を装填する緑眼、黒髪にツインテール。深緑色が基調のスカートタイプの戦闘服で身を包んだ微褐色肌のTT-42B-41-01 キャロライン・レイはエコー・ゼレヴィアンを見てそう言った。

「素人ごときが何しようと怖くないんだよ」

茶眼、白黄緑髪にツインテール。黄緑が基調のスカートタイプの戦闘服で身を包んだ生者とは言い難い肌のTT-42B-40-01 スー・ベルージャはエコー・ゼレヴィアンを見てそう言った。

スー・ベルージャは不意打ちを狙った元戦姫隊の軍人2が操縦する近接型雪風が振った刀を避け、元戦姫隊の軍人2の腹部にナイフを刺し、もう一本のナイフで首を斬った。

元戦姫隊の軍人2が操縦する近接型雪風はスー・ベルージャに蹴り飛ばされ、そのまま墜落した。

「そ、そんな・・・」

元戦姫隊の軍人3が操縦する連射型雪風はスー・ベルージャを見て怯えながら言った。

元戦姫隊の軍人3は頭にエネルギー弾を受けて頭の半分が吹き飛び、元戦姫隊の軍人3が操縦する近接型雪風はそのまま墜落した。

「今回は戦場で的になる子が多いね」

エネルギーライフルを握ったキャロライン・レイは飛び回りながら言った。

エネルギーライフルを構えたキャロライン・レイはエネルギーライフルをエコー・ゼレヴィアンに向けた。

「・・・ヤバ・・・」

弾倉を入れ替えるエコー・ゼレヴィアンはエネルギーライフルを構えるキャロライン・レイを見て冷や汗をかきながら言った。


「どりゃぁぁ!」


急降下する白色が基調のスカートタイプの戦闘服で身を包んだTT-42B-28-01 ユニ・ゼゼは、ナイフをエネルギーライフルを構えるキャロライン・レイに向けて突っ込んだ。

キャロライン・レイは引き金を引いた時にエネルギーライフルを蹴られ、衝撃で照準が少しずれた。


「・・・」


青眼、薄青髪ロングヘア。銀色と青色が基調のスカートタイプの戦闘服で身を包んだ色白な肌のTT-42B-81-01 ジーナ・アイクはエコー・ゼレヴィアンに飛んできたエネルギー弾を右腕に付けたアディ式爆刃で斬り、それとほぼ同時に左腕に付けたアディ式爆刃をキャロライン・レイに発射した。

「は、早ッ!」

エコー・ゼレヴィアンはジーナ・アイクを見て驚きながら言った。

「このチビ!」

キャロライン・レイはユニ・ゼゼを見てそう言うと、ユニ・ゼゼに向かってサマーソルトキックをした。

ユニ・ゼゼはサマーソルトキックを受けて吹き飛んだ。

その瞬間、発射されたアディ式爆刃がキャロライン・レイの付近まで接近し、起爆した。

アディ式爆刃は五百キロ爆弾相当の爆発を起こし、キャロライン・レイと共に多くの戦姫と疑似神姫を吹き飛ばした。

「アディ式マジ精密で最高!」

後方に回転し、急静止したジーナ・アイクはそう言うと、ライ・アールジョディーの拳を左腕の爆刃発射機で防いだ。

「妹ちゃ~ん」

ライ・アールジョディーを見るジーナ・アイクがそう言った瞬間、爆刃剣がライ・アールジョディーの腕を斬った。

「クソ!!」

ライ・アールジョディーは退きながらそう言い、旋回し始めた。

「・・・」

青眼、薄青色髪ロングヘア。銀色と暗青色が基調のスカートタイプの戦闘服で身を包んだ色白な肌のTT-42B-85-01 ローナ・ティラゼンダルは爆刃剣を一振りし、付着した液状疑似神気を白い布巾で拭いた。

「なぜ・・・なぜエンジェル姉妹のような愛国者が!!」

槍を握ったスー・ベルージャはジーナ・アイクとローナ・ティラゼンダルを見て驚きながら言った。

「新しく買ったアディ式兵器を試したくてね」

ジーナ・アイクはスー・ベルージャを見て笑みながらそう言うと、アディ式爆刃を左の爆刃発射機に装填した。

「あ、アディ!?貴様!神軍から物品を購入しているのか!!」

黒眼、薄赤黒髪にツインテール。藍色が基調のスカートタイプの戦闘服で身を包む部褐色肌のTT-42B-35-01 ロア・ルミツィッパーはジーナ・アイクを見て怒鳴った。

「そうだよ?」

ジーナ・アイクはロア・ルミツィッパーを見てそう言うと、アディ式爆刃を発射した。

「逃げろ!!」

ロア・ルミツィッパーの声と同時に戦姫と疑似神姫が爆刃から逃げた。

爆刃は爆発を起こしたが、とても小さな爆発だった。


今回発射した爆刃は十キロ爆弾相当の爆刃で、かなり低威力だ。

ジーナ・アイクの狙いは疑似神姫たちを散らすこと。

纏まっている状態だとすぐに全滅すると考えたのだ。


「丁度良い所に重装甲疑似神姫!」

ケティ・アイヴァーンを見て笑むジーナ・アイクは逃げようと旋回し続けるケティ・アイヴァーンを照準内に入れながら言った。

「誰か!ヘルプ!」

ケティ・アイヴァーンは警報音を聞き、冷や汗をかきながら大声で言った。

「Mk.10砲。ファイアー」

ケティ・アイヴァーンをロックオンしたジーナ・アイクはそう言うと、アディ式Mk.10エネルギー機関砲を発射し始めた。

実質貫徹力三十ミリのエネルギー弾はケティ・アイヴァーンのバリアを溶かすように削り、僅か五秒で破壊した。

エネルギー弾が装備に直撃したケティ・アイヴァーンは装備が爆発し、激しく回転しながらゆっくりと墜ち始めた。

「この裏切り者がぁ!!!!」

黄眼、銀髪ロングヘア、黒と橙色が基調のショートパンツタイプの戦闘服で身を包んだ生者の肌とは言い難い肌のTT-42B-64-01 シャーロット・ヘイルドリッヒは怒鳴りながら飛んでくるジーナ・アイクに拳を振った。

ジーナ・アイクは身を反らせ、宙を滑らかに回って拳を避け、シャーロット・ヘイルドリッヒに爆刃を撃ち込んだ。

「ま、マズ」

バリアに刺さる爆刃を見て冷や汗をかくシャーロット・ヘイルドリッヒがそう言った瞬間、爆刃が起爆した。

爆刃は二百五十キロ爆弾相当の爆発を起こし、シャーロット・ヘイルドリッヒを吹き飛ばした。

「どりゃぁぁぁぁ!」

緑色の疑似神気を纏う緑眼、色が抜けた緑髪ロングヘア。黄緑色が基調の軽量化を求めたスカートタイプの戦闘服で身を包んだ生者とは言い難い肌のTT-42B-27-01 レナ・イガデルベルデルは叫びながら爆刃剣を握ったローナ・ティラゼンダルに飛び掛かった。

「剣技!!月光・・・」

剣を生成して握り込んだレナ・イガデルベルデルは爆刃剣を握ったローナ・ティラゼンダルを見てそう言うと、銀色の光を纏った剣を振った。

「・・・」

爆刃剣を握ったローナ・ティラゼンダルは流れるように剣を振った。

「瞬斬」

爆刃剣を握ったローナ・ティラゼンダルはそう言うと、爆刃剣を一振りした。

「ぐぶぇ・・・」

胸部を斬られたレナ・イガデルベルデルは口から液状疑似神気を吐き出した。

「はぁ・・・はぁ・・・お前たちの・・・負けなんだよ・・・」

胸部を押さえるレナ・イガデルベルデルは爆刃剣を握ったローナ・ティラゼンダルを見て笑みながらそう言うと、白目をむいて背中から倒れた。

息絶えたレナ・イガデルベルデルはコアから大爆発を起こした。

レナ・イガデルベルデルを中心とした大爆発は、雲を吹き飛ばして、海を波立たせ、海に浮かぶ軍艦を激しく損傷させた。

「映像復旧まで三十秒!」

オペレーター2は砂嵐のモニターを見てそう言った。

「この威力・・・窒素爆薬・・・」

ローランは砂嵐のモニターを見てそう言った。

「・・・・・・基地の装置回復!」


「・・・」


AA-09A-2 レプシデシアとその操縦士、黒と青が基調のミニコルセットドレス風のスカートタイプの戦闘服で身を包んだアージヴァイズはグイードリヒ・グヴァンゼァムを見ていた。

「来てしまったか・・・黒の神姫・・・」

冷や汗をかくローランは映像が映るモニターを見てそう言った。

「AA-09A-01をカタパルトより射出しました!」

小さいモニターに映る整備長がそう言うと、ローランたちは笑みを浮かべた。

「・・・」

AA-09A-1 ゼノクイーンとその操縦士、赤色が基調の黒いフリルが三層ついたスカートタイプの戦闘服で身を包んだリリーは衝撃波を放って直上した。

その直後、爆発音と共に基地の強化窓ガラスが揺れた。


「黒って言うのは人に恐怖感や絶望感を与えるって、あの人が言ってたよ。私にはちっともわからないけどさ」


グイードリヒ・グヴァンゼァムはアージヴァイズ・レプシデシアたちを見て笑みながら言った。

「恐怖も絶望も・・・もう足りてるぜ・・・」

アージヴァイズ・レプシデシアはグイードリヒ・グヴァンゼァムを見て笑みながら言った。

「ひ、人が空を飛んでる・・・」

AA-09A-4 ゴールドマスターとその操縦士、橙眼、金髪にツインテール。黄色を基調にしたスカートタイプの戦闘服で身を包む微褐色肌のオレンジ・V・ドリェシェパノはグイードリヒ・グヴァンゼァムを見てそう言った。

「とりあえず、神具を渡してよ。そうすれば、怖いことなんてなくなるよ」

グイードリヒ・グヴァンゼァムはアージヴァイズ・レプシデシアを見て笑みながら言った。

その瞬間、アージヴァイズ・レプシデシアたちの間を通って錆びた第一の神具がグイードリヒ・グヴァンゼァムに向かって飛んでいった。


「・・・」


神具を弾き飛ばしたグイードリヒ・グヴァンゼァムは赤い星を睨んだ。


「欲しかったんだろ?海に落ちたぞ。潜って取って来いよ」


リリー・ゼノクイーンはグイードリヒ・グヴァンゼァムを見てそう言った。

「・・・リリー・・・来てくれて助かったよ・・・ゼノクイーンをさっさと回収して帰らせてもらうよ」

黒の光翼を広げたグイードリヒ・グヴァンゼァムはリリー・ゼノクイーンを見て笑みながらそう言うと、強烈な神気風を放った。


「ッ!!」


息を飲んだジーナ・アイクはグイードリヒ・グヴァンゼァムを見て驚いた。

ジーナ・アイクが見た光景は、神気風を一撃で打ち破り、グイードリヒ・グヴァンゼァムの頭をリリー・ゼノクイーンが掴むという光景だった。

グイードリヒ・グヴァンゼァムの頭を掴んだリリー・ゼノクイーンは途轍もない速度で海へ急降下した。

グイードリヒ・グヴァンゼァムは圧倒的力に抗えず、そのまま海へ激突した。

「ぶはわぁ・・・」

海に叩きつけられたグイードリヒ・グヴァンゼァムは黒い液状神気を口から吐いた。

「神気耐性と異常なまでの耐久力・・・そして、あの一撃・・・」

ニーナは映像が映るモニターを見て驚きながら言った。

「赤紫ノ龍神・・・」

丸眼鏡をつけ、白衣で身を包んだドロシー・ド・ジョンソンは映像が映るモニターを見て悔しそうに、憎そうに言った。

「な、なんて力・・・」

オレンジ・ゴールドマスターは上昇し、空中で急静止したリリー・ゼノクイーンを見て驚きながら言った。

「あの神気に動じないなんて・・・流石最高神様・・・」

ローナ・ティラゼンダルはリリー・ゼノクイーンを見てうっとりしながらそう言った。

「・・・いりゃぁあ!」

黒の神気を纏った黒の剣を握り込むグイードリヒ・グヴァンゼァムは目を見開き、叫びながらリリー・ゼノクイーンに斬りかかった。

リリー・ゼノクイーンは黒の剣を掴み、受け止めた。

「正義があるのは良し!」

黒の剣を受け止める手から血を流すリリー・ゼノクイーンは黒の剣を握ったグイードリヒ・グヴァンゼァムを見て笑みながら言った。

「クソ!」

黒の剣を握った込むグイードリヒ・グヴァンゼァムはリリー・ゼノクイーンを睨んでそう言うと、少し後ろに退いた。

「だが・・・私はその正義に賛同できない」

リリー・ゼノクイーンは黒の剣を握ったグイードリヒ・グヴァンゼァムを見てそう言った。

「黙れよぉぉぉぁぁ!」

黒の剣を握り込むグイードリヒ・グヴァンゼァムはリリー・ゼノクイーンを睨んで怒鳴りながら突撃した。

グイードリヒ・グヴァンゼァムがリリー・ゼノクイーンに黒の剣を振ろうとしたその時、グイードリヒ・グヴァンゼァムの動きが止まり、口から黒い液状神気を垂らした。

「や・・・やめて!お姉ちゃん!私・・・そんなつもりじゃ・・・!ただ知らなかったの!」

黒の剣を落としたグイードリヒ・グヴァンゼァムは頭を抱え、怯えてそう言った。

「な、なにが起きてる・・・」

冷や汗をかいたアージヴァイズ・レプシデシアはグイードリヒ・グヴァンゼァムを見てそう言った。

「もう・・・向けないから・・・」

頭を抱えたグイードリヒ・グヴァンゼァムは怯えてそう言うと、気を失って墜ちていった。


「黒の神姫が・・・墜ちた・・・」

オペレーター2は映像が映るモニターを見て笑みながら言った。

「やった!!」

ローランは映像が映るモニターを見て笑みながら言った。

「・・・試し撃ちできたし、嫌な予感がするから帰ろ」

ジーナ・アイクはローナ・ティラゼンダルを見てそう言うと、二人で急降下して大陸西部へ飛んでいった。

「帰っちゃうのかよ・・・」

アージヴァイズ・レプシデシアは南に飛んでいく二つの光を見てそう言った。

「まぁいいや!いっちょやるかぁぁぁぁ!!」

双剣を生成して握ったアージヴァイズ・レプシデシアは残った疑似神姫たちを見て笑みながら叫んだ。

「人間ごときが!」

赤紫眼、金髪ショートヘア、赤紫色と黒色が基調のスカートタイプの戦闘服で身を包んだ生者の肌とは言い難い肌のTT-42B-37-01 ソーニャ・ヴィシュトロムは双剣を握ったアージヴァイズ・レプシデシアたちを見てそう言うと、疑似神気風を放った。

「うぅ・・・」

オレンジ・ゴールドマスターは気を失い、エコー・ゼレヴィアンは頭を押さえた。

ユニ・ゼゼはオレンジ・ゴールドマスターの手を掴んだ。

「・・・あ、ありがとう・・・」

オレンジ・ゴールドマスターはユニ・ゼゼを見てそう言った。

「そんなへなちょこな風!効くもんか!」

双剣を握ったアージヴァイズ・レプシデシアはソーニャ・ヴィシュトロムを見ながら突撃して言った。

「クソ!この兎人・・・なんて精神力だ・・・!」

アージヴァイズ・レプシデシアの双剣を疑似神気を纏った腕で受け止めたソーニャ・ヴィシュトロムはアージヴァイズ・レプシデシアを見て驚きながら言った。

擦れる双剣と疑似神気を纏った腕から火花が上がり、カリカリと音が鳴る。

ソーニャ・ヴィシュトロムは遠隔操作式小型エネルギー砲をアージヴァイズ・レプシデシアに飛ばし、アージヴァイズ・レプシデシアはソーニャ・ヴィシュトロムから離れ、握った双剣で遠隔操作式小型エネルギー砲を次々と斬った。

「私が月浜打撃軍の副総長だって教えてやる!!」

双剣を握ったアージヴァイズ・レプシデシアはソーニャ・ヴィシュトロムを見てそう言った。

「喰らえ!満月回転斬り!」

ソーニャ・ヴィシュトロムを見て双剣を握り込み、構えたアージヴァイズ・レプシデシアはそう言うと、高速で縦回転しながらソーニャ・ヴィシュトロムに突撃した。

「・・・」

ソーニャ・ヴィシュトロムは疑似神気で防護壁を作り、突撃してくるアージヴァイズ・レプシデシアを見た。

双剣を握り込むアージヴァイズ・レプシデシアはソーニャ・ヴィシュトロムの防護壁に斬りかかった。

激突した双剣と防護壁はゆっくり揺らめく靄を上げ、防護壁が双剣に押され始めた。

「どうして・・・どうして人間なんかが!」

冷や汗をかくソーニャ・ヴィシュトロムは双剣を握ったアージヴァイズ・レプシデシアを見てそう言った。

ソーニャ・ヴィシュトロムは防護壁ごと吹き飛ばされ、海に叩きつけられた。

「・・・よっしゃ!」

双剣を握ったアージヴァイズ・レプシデシアは海から上がる水飛沫を見て笑みながら言った。


「・・・」


エコー・ゼレヴィアンは少し上を見た。


「・・・リリー・・・大好きだったのに・・・」


黒色が基調のスカートタイプの戦闘服で身を包んだTT-42B-29-01 カルジェン・バースはリリー・ゼノクイーンを見てそう言った。

「や、奴が・・・」

刀を生成して握ったオレンジ・ゴールドマスターはついに現れたカルジェン・バースを見てそう言った。


「糸技・・・千山砕斬!!」


カルジェン・バースはそう言うと、両腕を交差するように振った。

青緑色の線が宙に現れたその瞬間、リリー・ゼノクイーンの周りにいたアージヴァイズ・レプシデシアたち以外の戦姫がバラバラに切れ、落ちていった。

「な・・・」

刀を握ったオレンジ・ゴールドマスターは目を見開き、周りを見て冷や汗をかいた。

「旨い旨い」

サンドウィッチを持ったリリー・ゼノクイーンはサンドウィッチを食べながら言った。

「り、リリー!奴が来た!クルエルが!!」

冷や汗を垂らすアージヴァイズ・レプシデシアはリリー・ゼノクイーンを見て大声で言った。

「そうか。まぁ、先ずは腹ごしらえだ」

リリー・ゼノクイーンはそう言うと、サンドウィッチを食べ切った。

リリー・ゼノクイーンは咀嚼しながら手を払うと、カルジェン・バースを見た。

「流石の余裕だね。第三代戦姫隊隊長」

冷や汗をかいたカルジェン・バースはリリー・ゼノクイーンを見て笑みながら言った。

「久々にその呼ばれ方をされたような気がするよ。首を斬られたかの三人と首を斬られかけたビゼルは元気か?」

リリー・ゼノクイーンはカルジェン・バースを見てそう言った。

「元気だよ。復讐心を燃やし続けてる」

「そうか」

リリー・ゼノクイーンはカルジェン・バースを見てそう言うと、一瞬考えた。

その瞬間、カルジェン・バースがリリー・ゼノクイーンに接近し、綺麗なフォームで蹴り飛ばした。

「すっかり衰えた!?リリー!!」

カルジェン・バースは墜ちるリリー・ゼノクイーンを見て笑みながら言った。

リリー・ゼノクイーンは海に墜ち、大きな水飛沫が上がった。

「・・・クルエル!!」

エコー・ゼレヴィアンはカルジェン・バースを睨んでそう言うと、カルジェン・バースに二丁拳銃を構えた。

(待てよ・・・リリーが簡単にやられるなんて・・・私たちどうすればいいんだ・・・)

双剣を握ったアージヴァイズ・レプシデシアはカルジェン・バースを見て冷や汗を垂らした。


「精鋭級No.4・・・私たちの予想を遥かに越えている・・・」

冷や汗をかいたローランは映像が映るモニターを見てそう言った。

「ぜ、ゼノクイーンがやられた!?」

「戦況はどうなる!」

冷や汗を垂らす東和連合の上層部たちはローランを見て怒鳴った。


「この艦に乗艦しているのは」

リリーはアージヴァイズたちが映るモニターを見てそう言った。

「ソーニャ部隊長級柄です」

緑眼、薄緑色髪ショートツインテール。薄緑色のカッターシャツを着て黒いミニスカートを穿いた色白な肌の少女は情報が映るモニターを見てそう言った。

「そうか。心配なさそうだね」

「陛下。力を出しすぎると人々に怪しまれます」

緑眼、薄緑色髪ショートツインテール。薄緑色のカッターシャツを着て黒いミニスカートを穿いた色白な肌の少女はリリーを見てそう言った。

「念のため、フィービーに声をかけてくれ」

リリーはそう言うと、立ち上がった。

「わかりました」

緑眼、薄緑色髪ショートツインテール。薄緑色のカッターシャツを着て黒いミニスカートを穿いた色白な肌の少女はリリーを見てそう言うと、情報が映るモニターを見た。


一方、アージヴァイズ・レプシデシアたちはカルジェン・バースに手も足も出ず、壊滅状態になっていた。

「・・・」

気を失ったオレンジの首根っこを掴んだカルジェン・バースは飛び回るエコー・ゼレヴィアンを疑似神気極限圧縮糸で捕まえ、そのまま振り回して投げた。

「AA-09A-6の操縦士緊急射出!」

オペレーター1は情報が映るモニターを見てそう言った。

(退くも地獄進も地獄・・・どうすればいいんだ・・・)

冷や汗を垂らすローランは映像が映るモニターを見つめた。

(う、動けねぇ・・・!!)

双剣を構えたアージヴァイズ・レプシデシアはカルジェン・バースを見つめた。

「神軍さえ来なければ余裕なんだよ・・・こんな奴ら、相手じゃない・・・」

気を失ったオレンジの首根っこを掴んだカルジェン・バースは安堵の笑みを浮かべながらそう言うと、オレンジを落とした。

「さて。最後の一人・・・」

カルジェン・バースはアージヴァイズ・レプシデシアを見て笑みながらそう言うと、疑似神気極限圧縮糸を各指先から生成した。

(どうする・・・どうする・・・!!)

双剣を構えたアージヴァイズ・レプシデシアは太陽光に照らされて光る疑似神気極限圧縮糸を見て冷や汗を垂らした。

安堵するカルジェン・バースが腕を振るその瞬間、赤い光の弾がカルジェン・バースに直撃した。

「な、何が・・・」

双剣を握ったアージヴァイズ・レプシデシアは赤紫色の靄に変化する爆炎を見て驚きながら言った。

「く、クソ・・・何を撃ち込まれたッ!」

目を見開き、焦るカルジェン・バースは耳の端末から聞こえる警告音を聞きながらそう言った。

「惜しかったね。油断しなければ殺せてたのに」

リリー・ゼノクイーンはカルジェン・バースを見てそう言った。

「り、リリー・・・」

双剣を握ったアージヴァイズ・レプシデシアはリリー・ゼノクイーンを見て泣きそうになりながら言った。

「はぁ・・・」

ローランたちは映像が映るモニターを見て安堵した。

「・・・」

カルジェン・バースはリリー・ゼノクイーンを睨んだ。

「私がいる以上、お前に勝利はない」

リリー・ゼノクイーンがそう言った瞬間、海が激しく波立ち始めた。

「ウッ・・・!!」

双剣を握ったアージヴァイズ・レプシデシアは目を見開き、声を漏らして気絶し、赤い光に乗ってふわふわと墜ちていった。

(あ・・・あり得ない・・・ケイトたちはこんな奴らの集まりと戦ってたの・・・!?)

冷や汗を垂らすカルジェン・バースは赤い光を纏うリリー・ゼノクイーンを見て目を見開いた。


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