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宿幼決戦編 二十八章 神滅と希望の神の謎

大陸南部から来た避難民たちはミリア大聖堂に集まり、祈りを捧げている。

神滅(しんめつ)と希望を司るグローニア様が聖なる光で私たちを守ってくださっている!私たち人間を争いや疫病で苦しめてきた忌々しく邪悪な空を打ち砕くため!皆で祈りを捧げましょう!」

ミリア大聖堂の教祖は赤紫色の窓ガラスがはめられた窓から青く染まった空を見て叫んだ。

「どこの国でも宗教は人気なんですね」

赤眼、白髪にツインテール。赤色のワンピースで身を包んだ色白な肌の少女、キャロッティ・ベルコント・ニコルはカップラーメンにお湯を入れながら言った。

「宗教は人の心を支えてくれるからね」

カエデはミリア大聖堂を見てそう言った。

「神様を滅することって本当にできるんですか?」

キャロッティはカップラーメンの蓋を閉じ、木の板を乗せながら言った。

「そう言われてるからにはできるんじゃない?」

カエデはキャロッティを見てそう言った。

「どういう原理なんでしょうか」

キャロッティはカエデを見てそう言った。

気気滅却法(ききめっきゃくほう)を利用してるんだよ」

「気気滅却法・・・と言うのは、大きな力を持つ神が衝突した時に起きる現象ですよね?」

「そう」

「じゃあ、神滅の力って気気滅却法のことなんですか!?」

キャロッティは少し驚きながらそう言った。

「そうだと思う」

「気気滅却放って、世の大権を持った魔神も起こせますよね?その神にしかない力じゃないですよね?」

「そうだね」

「・・・どうしてそれが神滅の力と呼ばれてるんですか?」

キャロッティはカエデを見て困惑しながらそう言った。

「わからない」

「わからない・・・」

眉を顰めたキャロッティは増々困惑しながらそう言った。

「神滅と希望の神って言う肩書の初出は初代銀氷グヴァンゼァムみたいだし、その能力を知るのも初代グヴァンゼァムだけだった。でも、その初代グヴァンゼァムは(ふち)(かみ)迎撃戦で戦死してしまった」

「陛下も知らないんですか?」

眉を顰めたキャロッティはカエデを見てそう言った。

「見たことはない。とだけ言ってた」

「じゃあ、知ってはいるということですか?」

キャロッティはカエデを見てそう言った。

「わからない」

「うーん・・・」

キャロッティは腕を組んで悩んだ。


一方、リベードリヒは地面に広がる闇の神気の上で気を失っていた。

「梨々香は私のことばかり気にかけて、私のために多くの人と関わって、とても頑張ってくれてる」

白梅は笑みながら言った。

少し前からこの子が、私と梨々香の娘を模したものが宿幼の心根だと気が付いた。

宿幼が抱える喜怒哀楽が詰まっている。

宿幼・・・君は何を抱えている。


「ぼ、僕の友達・・・」

「・・・僕の友達ぃ~?こんな泥人形がぁ~?」


何かが垂れる音。


魅惑(みわく)・・・貴様の声は耳障りだ。貴様の姿は目障りだ」

「は・・・はぁ・・・?」

安楽(あんらく)。雑魚に構うな」

「雑魚だろうと思いは同じだ。雑魚を嘗めちゃいけない」

「傾奇者だね。本当に」

「・・・見るな。僕の姿を・・・」

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