宿幼決戦編 二十五章 継承、世の大権 制裁の権
「・・・酷い姿じゃな・・・よくここまで来れたもんじゃ」
桜は海藻やフジツボが付いた剣を支えにしてよろけながら歩く赤眼、黒髪ロングヘア。ボロボロな黒いワンピースで身を包んだかなり白い肌の乙女を見てそう言った。
「信じていた主神に殺され、最後まで信じなかった陛下に救われる・・・こんなにも辛い事実はないと思ったよ」
海藻やフジツボが付いた剣を支えにしてよろけながら歩く赤眼、黒髪ロングヘア。ボロボロな黒いワンピースで身を包んだかなり白い肌の乙女は桜を見てそう言った。
「・・・テリュス・・・」
桜は悲しそうに言った。
「星々のお茶会メンバー、グイードリヒからの最後の願いだ。この権能を受け継いでくれ」
海藻やフジツボが付いた剣を支えにしてよろけながら歩く赤眼、黒髪ロングヘア。ボロボロな黒いワンピースで身を包んだかなり白い肌の乙女は手を伸ばしてそう言った。
「私にはもう制御できない」
赤眼、黒髪ロングヘア。ボロボロな黒いワンピースで身を包んだかなり白い肌の乙女は桜を見てそう言った。
「・・・千織はこんな気分だったのじゃな」
桜は赤眼、黒髪ロングヘア。ボロボロな黒いワンピースで身を包んだかなり白い肌の乙女の手を掴んだ。
その瞬間、繋がれた手に紅い稲妻が走る。
「ありがとう・・・」
赤眼、黒髪ロングヘア。ボロボロな黒いワンピースで身を包んだかなり白い肌の乙女は安らかな顔をしながらそう言った。
紅い稲妻が激しさを増すと共に赤眼、黒髪ロングヘア。ボロボロな黒いワンピースで身を包んだかなり白い肌の乙女が灰色の水晶、神骸に変化していく。
神骸がはいになって崩れると、紅い稲妻が桜に吸い込まれて桜の周りに広がった紅い稲妻がバリバリと音を立てて弾けた。
溢れ出す記憶に桜は涙を一粒零した。
「こいつ・・・どこが急所・・・?」
最上大業物日炎を握ったアイリア・ヒマルスはそう言うと、狂神ローランから離れた。
「ニィィジィィィィィィィィ!!!!」
狂神ローランはさらに変化し、増々異形になった。
「こりゃ参った~。梨々香並みの火力が必要だよ~」
最上大業物日炎を握ったアイリア・ヒマルスは走って向かってくる狂神ローランを見てそう言った。
狂神ローランが途轍もない速度で伸ばした触手の先端が牙をむき出しにしてアイリア・ヒマルスに噛みついた。
「瞬斬」
最上大業物日炎を握ったアイリア・ヒマルスがそう言うと、狂神ローランの首と胸が切れて燃え上がった。
「ジッギュルッ・・・バガゥガ・・・」
狂神ローランは増々変化し、ドロドロとした化け物になっていった。
「ニィィィィタァァァァ」
闇の中に大量の人が出現し、外に出ようと膜に張り付いた。
「キャー!きもーい!!」
最上大業物日炎を握ったアイリア・ヒマルスは狂神ローランを見て悲鳴を上げた。
「アイリア!」
アージヴァイズ・レプシデシアはアイリア・ヒマルスの近くに着地した。
「・・・どうして来たの!?」
最上大業物日炎を握ったアイリア・ヒマルスは狂神ローランを見てそう言った。
「私たちじゃ対処できない。要様が来るから、後は任せよう」
アージヴァイズ・レプシデシアは狂神ローランを見てそう言った。
「来るまで残るよ。逃げられたら困るし」
「・・・私も戦うぜ」
アージヴァイズ・レプシデシアはそう言うと、業物二頭水龍を握った。
狂神ローランは闇の触手で地面を薙ぎ払った。
瓦礫が宙を舞い、砂嵐が辺り一帯を襲った。
「アージヴァイズは弱いんだから、無理しなくて良いよ」
砂嵐の中、最上大業物日炎を握ったアイリア・ヒマルスはそう言うと、闇の触手を斬った。
切り裂かれた闇から大量の悪魂が現れ、アージヴァイズとアイリアに向かった。
「私の仲間に・・・手出しはさせない!!」
業物二頭水龍を握ったアージヴァイズ・レプシデシアが大声でそう言うと、レプシデシアが原初化し、冷気を放った。
「太陰剣技!太陰回転斬り!!」
業物二頭水龍を握ったアージヴァイズ・ノワールはそう言いながら業物二頭水龍を振った。
アージヴァイズとアイリアに向かう悪魂は瞬時に凍結して砕け散った。
「アージヴァイズ!その剣技を使っちゃダメだ!」
アイリア・ヒマルスはアージヴァイズ・ノワールを見てそう言った。
「これが私の人生だ!!黙って戦え!!」
業物二頭水龍を握り込んだアージヴァイズ・ノワールは怒鳴りながら悪魂を斬った。
(また仲間を守れないのか・・・私は・・・)
アージヴァイズ・ノワールを見るアイリア・ヒマルスは最上大業物日炎を握り込み、向かってくる悪魂を次々と斬った。




