華ノ話 第一話-神滅と希望の神グローニア- 宿幼決戦編 二十三章 疑似神具
一方、リベードリヒは暖かな日差しが包むサウスドラゴニアにある家屋の屋根で眠っていた。
「はぁ・・・はぁ・・・」
この景色。
暗く、重く、気味が悪い。
「僕の・・・僕の器・・・僕の体!!」
液状闇がべちゃべちゃと音を立てながら動く。
「!?」
青眼のリベードリヒは飛び起きて周りを見た。
「クソ・・・僕の意識に干渉しやがって・・・」
リベードリヒは頭を抱えながらそう言った。
燃え盛る音を聞いてハッとしたリベードリヒはサウスドラゴニア城を見た。
「そろそろできる頃か」
リベードリヒはサウスドラゴニア上に向かう華炎を見て笑みながらそう言うと、青色の光の粒になり、サウスドラゴニア城へ向かった。
「これで我が主が力を取り戻す・・・明日のために死ぬなど本当に人間は駒にぴったりだ」
疑似神具を握ったローランは疑似神具を見て笑みながら言った。
「良い弓だね。十リズくらいはしそう」
カエデの声を聞いたローランは窓を見た。
窓辺にはカエデが脚を組んで座っていて、ローランを見て笑んでいた。
「・・・随分と遅かったな、天星の眷属。セレーの血を以て疑似神具は完成に至った」
疑似神具を握ったローランはカエデを見て笑みながら言った。
「そっか。それは残念」
カエデは疑似神具を握ったローランを見て笑みながら言った。
「・・・なぜ笑ってられる・・・世界の危機に」
疑似神具を握ったローランはカエデを見てそう言った。
「君たちがもう三百万年くらい早く動いていればそうだったかもね」
カエデは笑み続けてそう言った。
「・・・」
疑似神具を握ったローランはカエデを見て異形の拳銃を生成して構えた。
その瞬間、ローランの右腕が斬れ、腕と共に異形の拳銃が床に落ちた。
「瞬斬」
最上大業物日炎を握ったアイリア・ヒマルスがそう言うと、ローランの腕の切り口が燃えた。
「グッンヌゥゥ・・・!!」
疑似神具を握ったローランは燃える腕を見て目を見開き、痛そうに声を漏らした。
「やはり貴様だったか・・・七陽の勇者というのはッ!!」
疑似神具を握ったローランはアイリア・ヒマルスを見て悶えながら言った。
「何もかも遅いんだね。動くのも、気付くのも」
最上大業物日炎を握ったアイリア・ヒマルスはローランを見て笑みながら言った。
「ク・・・ククゥー・・・」
疑似神具を握ったローランはまま血走った眼でアイリア・ヒマルスを睨み、歯ぎしりをした。
「逃がさん・・・お前は存在してはならない!!」
疑似神具を握ったローランはアイリア・ヒマルスを睨みながら怒鳴った。
「その言葉、そっくりそのまま返すよ」
最上大業物日炎を握ったアイリア・ヒマルスがローランを見て冷たい声でそう言うと、最上大業物日炎を握ったアイリア・ヒマルスがローランに向かった。
右腕を再生させ、異形の拳銃を握ったローランはアイリア・ヒマルスに発砲した。
アイリア・ヒマルスは最上大業物日炎で全ての弾丸を弾き、ローランに最上大業物日炎を振る。
その時、壁を破って七色に輝く光針を握ったリベードリヒと神刀華炎を握った梨々香がカエデとアイリアとローランとカエデが居る第一王室へ侵入した。
「影」
驚くアイリア・ヒマルスの腕を握ったカエデはアイリアと一緒に青紫色の液体になった。
「クソォォォォ!!」
七色に輝く光針を握ったリベードリヒは神刀華炎を握った梨々香を見て目を見開いてそう言うと、青色の神気風を放った。
神刀華炎を握った梨々香は目を見開き、華炎を放った。
華炎と神気風がぶつかった瞬間、サウスドラゴニア城が瞬時に消し飛び、衝撃波でサウスドラゴニア中にあるほぼ全ての物体が燃えながら吹き飛んだ。




