宿幼決戦編 十九章 胸騒ぎ・・・
同年、四月三日。
アージヴァイズが暗い顔をして朝食をとっていた。
「なんか一昨日からずっと元気ないね。どうしたの?」
黄色のパジャマを着たアイリアは青色のパジャマを着たアージヴァイズを見てそう言うと、超厚切りトーストを食べた。
「・・・なんだが・・・胸騒ぎがして眠れなくてな・・・」
アージヴァイズはそう言うと、パンを食べた。
「胸騒ぎ?」
オレンジ色のパジャマを着たオレンジはアージヴァイズを見てそう言った。
「あぁ・・・何というか、常にあいつらと対峙しているような・・・変な感覚だ」
アージヴァイズはアイリアたちを見てそう言った。
「あいつらと・・・」
眉を顰めたエコーはアージヴァイズを見てそう言った。
「常に・・・」
エコーはアージヴァイズを見て不思議そうに言った。
「・・・ヒーリアズラビットは、成長とと共に危機感地能力が育つって聞いたことがある」
アイリアはアージヴァイズを見てそう言った。
「でも、私の母親も妹もそんな感覚は持ってない。もちろん、祖母や曾祖母も」
アージヴァイズはアイリアを見てそう言った。
「ヒーリアズラビットは血が濃くなればなるほど生存率が低くなる。"血統"のせいでね」
アイリアは超厚切りバタートーストを食べながら言った。
「あなたの家族は全員ヒーリアズラビットの血が薄い。アージヴァイズだけが濃かったんだろうね」
咀嚼するアイリアはアージヴァイズを見てそう言った。
「そんなことあるのか??」
アージヴァイズは首を傾げてそう言った。
「あるんじゃない?」
アイリアはアージヴァイズを見てそう言った。
「あるんじゃない?って・・・」
アージヴァイズは呆れたように言った。
「まぁ、アージヴァイズの実力なんてどうでも良いんだよ」
アイリアは背もたれにもたれてそう言った。
「おい!」
アージヴァイズはアイリアを見て少し怒った。
「私が気になるのは、ヒーリアズラビットが感じる危機だ」
アイリアはアージヴァイズたちを見てそう言った。
「しかも、近くに・・・」
アイリアは周りを見てそう言った。
「確かに、陛下をドロシーの所へ送らないために白狐 真白が動いて、それが内通者が居るからとか・・・」
エコーはアイリアを見てそう言った。
「アイリア、内通者は誰かわかってるの?」
オレンジはアイリアを見てそう言った。
「まぁ、予想はついてるよ。私は鼻が利くから」
アイリアはオレンジを見て笑みながら言った。
「?」
オレンジたちは首を傾げた。




