宿幼決戦編 十一章 栄冨の権を持つ神
ニーナと戦うアイリア・ヒマルスはニーナに押されて後退し始めていた。
「天道、円陽消邪の一太刀!」
最上大業物日炎を握ったアイリア・ヒマルスはそう言うと、最上大業物日炎を振って円を描いた。
しかし、何も起きない。
(剣技が使えない・・・どうして・・・?辛い思いして頑張って来たのに・・・あれだけ師匠と・・・)
最上大業物日炎を握ったアイリアはニーナを見て歯を食いしばる。
「どうした!!生気が乱れているよ??」
ニーナはアイリア・ヒマルスを見て笑いながらそう言った。
「お前の術か!!」
最上大業物日炎を握ったアイリア・ヒマルスはニーナを見て怒鳴った。
「お前は己の未熟さを他者のせいにするのか。アイリア・シュペー」
ニーナはアイリア・ヒマルスを見て笑みながらそう言った。
「・・・」
アイリア・ヒマルスは最上大業物日炎を握り込んだ。
「剣技も使えないお前に何ができる。私を倒せるのか?」
「私を倒せず、宿幼様に敵うとでも?」
「宿幼様を倒せず、他の魔塊に敵うとでも??」
アイリアは何も言い返せない。
(私は・・・私はどうすればいい・・・・・・・・・師匠なら・・・)
アイリアは必死で考える。
「捨ててしまえ・・・使えない力など・・・」
ニーナは最上大業物日炎を見て笑みながらそう言った。
「・・・・・・」
アイリア・ヒマルスは最上大業物日炎を握る手の力を弱めた。
ニーナが最上大業物日炎に触れようとしたその時、煌く金粉が舞い上がって来た。
「この力・・・」
ニーナがそう言った瞬間、煌く金粉が炎を纏って赤く染まった。
「・・・これだッ!!この力ッ!!」
ニーナは冷や汗を垂らしながらそう言った。
「不愉快だ・・・」
ニーナは怒りが籠った声でそう言うと、口から液状闇を吐きだした。
「随分と軟弱な勇者だ」
赤眼、金色のインナーカラーが入った黒髪ツインテール。黒色の丈がかなり短い服を着て黒色のショートパンツを穿いた微褐色肌の少女、グラディス・オブ・イェーツは笑みながらそう言うと、拳を握り込んだ。
「グラディス・・・」
最上大業物日炎を握ったアイリア・ヒマルスはグラディスを見てそう言った。
「栄冨の権を持つ神、グラディスが相手をしてやろう」
拳を構えたグラディスはニーナを見て笑みながらそう言った。
???眷属、グラディス。
世の大権の一つ、栄冨の権を持つ神。
全ての富はこの神から生まれる。
「神技!!流星群!!」
液状の闇を口から垂らすニーナはそう叫ぶと、闇の星を降らせた。
「・・・これが・・・真の神が見る世界か・・・」
グラディスは神気だけが妙にはっきりと見える世界を見てそう言うと、笑みを浮かべた。
拳を構えるグラディスはそう言いながら金色の神気を放った。
金色の神気は闇の星を防ぎ、闇の星は砕けて消えていく。
「神技!!日滅の闇星!!」
冷や汗を垂らすニーナはグラディスに闇の隕石を落とした。
「受け止められるか!?たかが龍ごときに!!」
冷や汗を垂らすニーナはグラディスを見て笑みながらそう言った。
「当たり前だ・・・もう、私は龍なんかじゃねぇんだ!!」
グラディスはそう言うと、闇の隕石に向かって飛んだ。
グラディスは風を置き去りにし、置き去りにされた風は轟音を立てながら力強く弾け飛ぶ。
グラディスは神気風で闇の流星群を打ち消しながら闇の隕石に向かう。
「うおぉぉぉぉ!!!!」
目を見開いたニーナは叫びながら闇の星を放ち続ける。
「打ち砕く!!」
闇の隕石に接近したグラディスはそう言うと、拳を振った。
「避難してください!」
オレンジたちが住民の避難誘導をしていたその時、上空で途轍もない爆発が起きた。
「衝撃が来る!伏せて!」
拡声器を持ったエコーは住民たちを見て大声でそう言うと、伏せた。
住民たちが慌てて伏せたその数秒後、家屋の窓が激しく揺れる程度の衝撃波が地上を襲った。
「・・・すごい・・・」
オレンジは黄金色に変化する爆炎を見て驚きながらそう言った。
「・・・陛下・・・」
アージヴァイズは爆発を見る梨々香を見てそう呟いた。
「・・・」
髪とコートが靡く梨々香はグラディスを見つめると、ゆっくりと歩き去った。
「・・・あなた・・・」
椅子に座ったニーナはフィービー・ヴィニ・ミリア=ヘリズランドを見てそう言った。
「・・・ここは死後の世界ですが、何か質問は?」
フィービーはニーナを見てそう言った。
「死後の世界?じゃあ、さっさと生き返らせなさい」
「なぜ?」
「あの小娘たちを殺すためよ!」
「メリーはそれを望んでいるの?」
「ッ!!」
ニーナは息を呑み、冷や汗をかいた。
「黙れ!!私は・・・頂点にいるべき存在なのよ!!」
「そうですか。愚民の子孫は愚民・・・ということですね」
フィービーはそう言いながらゆっくりと手を挙げた。
「地獄で深く反省しなさい」
フィービーは怒りが籠った声でそう言った。
ニーナは穴に落ちていった。
「・・・」
ニーナは呆然としながら震えていた。
聴こえてくるのは悲鳴と銃声と爆発音。
「なんで・・・字江摩野島に・・・」
ニーナはそう言うと、揺れと心臓を貫くような爆音に驚いてうずくまった。
「なんで・・・なんでなんでなんで・・・」
走るニーナは家屋と木々を薙ぎ倒す大量の三十ミリ弾から逃げながら言った。
「喉が渇いた・・・」
そう言うニーナが井戸を覗き込む。
しかし、井戸の中は大量の死体で詰まっている。
「うぅわぁぁぁぁ!!!!」
冷や汗を垂らすニーナは叫び、腰を抜かした。
「・・・そうだ・・・馬・・・馬の所へ行けば!!」
ニーナは笑みながらそう言うと、走り出した。
「そうよ・・・あそこなら安全だわ!!」
嬉しそうに走るニーナがそう言った瞬間、五百キロ爆弾がニーナの前に落ちて大爆発を起こした。
「ッ!?」
ニーナは唖然としながら震えていた。
聴こえてくるのは悲鳴と銃声と爆発音。
「また・・・」
ニーナはそう言うと、揺れと心臓を貫くような爆音に驚いてうずくまった。
「そうだ・・・ここにいれば良いんだわ・・・きっと安全よ・・・」
ニーナが笑みながらそう言うと、五百キロ爆弾が屋根を突き破って爆発した。
「・・・もう・・・嫌ァァァァァァァァ!!!!」
唖然としながら震えるニーナは叫んだ。




