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アティア・ゼン編 十四章 変化する第三の神具。

一方、アージヴァイズたちを乗せた車両がラバログに向かって走っていた。

「ミッケは必ず居る・・・ラバログに」

アージヴァイズは端末を見てそう言った。

「かなり多くの部隊がラバログに集まるみたいだよ」

エコーは端末を見てそう言った。

「黒点がなくなった途端に集合か。部隊を持つ部隊長なのに、野次馬みたいだね」

ジュナは小窓から昼空を見てそう言った。

「まぁ、そう言うなよ。あんな状況で行ったら、集まってる神軍幹部が何か言うかもしれないだろ?」

アージヴァイズはオレンジを見てそう言った。

「理不尽なこと言われたら嫌だしね」

エコーはオレンジを見てそう言った。

「・・・ミッケがもし、黒点の消滅に関わってたらさ・・・ミッケはどうなるのかな」

オレンジはうつむいてそう言った。

「どうなるって?」

「ミッケは黒点を破壊したけど、部隊長でありながら部隊から離れ、南方で単独行動した。どっちも違反行為だ」

オレンジはアージヴァイズとエコーを見てそう言った。

「・・・もし、あいつが神軍から追放されるんだったら、私も神軍を離れる」

アージヴァイズはオレンジを見てそう言った。

「姉さん・・・」

眉を顰めたキャロッティはアージヴァイズを見てそう言った。

「神軍幹部がどうにもできないから、あいつが動いたんだ!罰は軽くて良い」

アージヴァイズはキャロッティを見てそう言った。


一方、重海はゆっくりと降りてくる第三の神具を見ていた。

光を放つ第三の神具が降りてくると共に台座に座る人影が見えてくる。

「・・・なぜ・・・ここに人が・・・」

重海は何者かの後姿と第三の神具を見てそう言った。

「今から五千万年と五千六百二十年前」

冷たい声が聴こえる中、重海は何者かの後姿に近づき始めた。

「降り注ぐ神気からこの俗世を守るため、ここから金陽天鏡が持ち出された」

「テリュスは自らの命を削って金陽天鏡を起動させ、降り注ぐ神気を防いだ。私が到着するまで、ずっと・・・」

何者かが語る中、体を引きずる重海は歩み続けた。

「神力を大幅に失ったテリュスは金陽天鏡があったここにこの太刀を置き、神座から降りた」

何者かがそう言うと、第三の神具を浮かせた。

「・・・」

手を伸ばした重海は冷や汗を垂らしながら第三の神具を見つめた。

「はぁ・・・はぁ・・・」

重海は息を荒げながら冷や汗を垂らし続け、目を見開いた。

第三の神具に触れようとした重海の手は結晶の様に砕け散り、地面に液状闇が垂れる。

第三の神具は意思があるかのように動き、吸い込まれるように何者かに近づいた。

「・・・」

何者かが第三の神具を握る。

その瞬間、結晶淵地の紅い結晶が青白く変化した。

すると、辺りが薄っすらと明るくなり、台座に座る黄眼のリベードリヒが姿を見せた。

「・・・」

第三の神具を握ったリベードリヒは重海を見る。

強烈な無力感と絶望感が重海を包み、重海は崩れるように座り込んだ。

リベードリヒの手に渡った第三の神具の機械パーツが開いて紅い神気を噴き出す。

神気が伝わった刀身の峰側が開き、紅く光る内部パーツが姿を見せた。

「・・・」

制裁の大太刀を握ったリベードリヒは立ち上がって重海を見た。

「・・・うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

冷や汗を垂らす重海は叫びながらリベードリヒに手を向け、破血を生成し始めた。

「剣技、降月燦光乱れ雨」

制裁の大太刀を握ったリベードリヒはそう言うと、制裁の大太刀を振り下ろした。


「無茶しやがって・・・」

気を失ったアイリアを金色の光で掴んだグラディスは笑みながらそう言った。

グラディスがアイリアを見ていたその時、唸り声のような音が聞こえ、大穴から超濃密な冷気が漏れ出した。

「・・・な、な、何じゃこりゃ・・・」

冷や汗をかき、唖然とするグラディスは見る見るうちに凍りつく大穴を見てそう言った。


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