ローナミア・フィエンゼ編 十五章 邪悪なる妖幻の中、風鳴は轟く
「ねぇ、君も堕ちようよ。命が尽きれば罪はなくなる」
やや艶がある黒髪ロングヘア。紅白の巫女服で身を包んだ異常なまで白い肌の少女はサクチャーの方を向きながらそう言うと、キラキラと輝く風、"幻想乱気"を飛ばした。
「剣技、火戯散熱!」
サクチャーは剣を振りながらそう言った。
剣は火を放ち、幻想乱気を燃やして消した。
「君のような悪者が陽の力を使うなんて・・・」
やや艶がある黒髪ロングヘア。紅白の巫女服で身を包んだ異常なまで白い肌の少女は不快そうに言った。
「正義を掲げず、薄っぺらな思想で生きとし生けるものを傷つけるお前の方がよっぽど悪者だ」
サクチャーはそう言いながら剣を振る。
やや艶がある黒髪ロングヘア。紅白の巫女服で身を包んだ異常なまで白い肌の少女は剣を避け、剣は地面を斬る。
「薄っぺら・・・??」
やや艶がある黒髪ロングヘア。紅白の巫女服で身を包んだ異常なまで白い肌の少女はサクチャーの方を向いてそう言った。
「薄っぺらだ。人を問答無用で悪いと決めつけ、最低限の対話すら行わない」
サクチャーは剣を振って幻想乱気を切り裂き、火の粉を飛ばす。
やや艶がある黒髪ロングヘア。紅白の巫女服で身を包んだ異常なまで白い肌の少女は火の粉を腕で受け止めた。
「・・・痛い・・・」
やや艶がある黒髪ロングヘア。紅白の巫女服で身を包んだ異常なまで白い肌の少女は袖に広がる火を見てそう言うと、幻想乱気で火を消した。
「神と人は遥か昔から共に向き合い、共に支えながら苦難を乗り越えてきた」
「この俗世には五十億年近い歴史がある。その中で神と人が争った時間は一万年もない」
「神と人が争った一万年という時間だけを見るな!歴史はお前が思っている以上に広く深い!」
サクチャーは剣を振って幻想乱気を斬り続ける。
サクチャーが大粒の幻想乱気を斬った瞬間、サクチャーに急接近したやや艶がある黒髪ロングヘア。紅白の巫女服で身を包んだ異常なまで白い肌の少女の蹴りがサクチャーの頭に直撃した。
サクチャーは横へ吹き飛び、転がる。
やや艶がある黒髪ロングヘア。紅白の巫女服で身を包んだ異常なまで白い肌の少女は動かなくなったサクチャーを見ると、ゆかりに手を伸ばした。
やや艶がある黒髪ロングヘア。紅白の巫女服で身を包んだ異常なまで白い肌の少女の手がゆかりに触れようとしたその時、ゆかりの手がやや艶がある黒髪ロングヘア。紅白の巫女服で身を包んだ異常なまで白い肌の少女の腕を掴んだ。
「・・・どうして・・・幻想の中にいるのに・・・」
やや艶がある黒髪ロングヘア。紅白の巫女服で身を包んだ異常なまで白い肌の少女が驚きながらそう言った瞬間、ゆかりの手が腕を握り折った。
「うおぉぉりゃぁぁ!!!!」
液状神気塗れのサクチャーは剣を振ってやや艶がある黒髪ロングヘア。紅白の巫女服で身を包んだ異常なまで白い肌の少女の腕を斬った。
液状神気塗れのサクチャーはやや艶がある黒髪ロングヘア。紅白の巫女服で身を包んだ異常なまで白い肌の少女を蹴り飛ばし、地面に片膝をつく。
「・・・死んだと思ったのに・・・」
やや艶がある黒髪ロングヘア。紅白の巫女服で身を包んだ異常なまで白い肌の少女はサクチャーの方を向いてそう言った。
「お前の蹴りでくたばるほど軟じゃない・・・」
サクチャーはやや艶がある黒髪ロングヘア。紅白の巫女服で身を包んだ異常なまで白い肌の少女を見て笑みながらそう言った。
「山下さん!」
サクチャーは向かってくるやや艶がある黒髪ロングヘア。紅白の巫女服で身を包んだ異常なまで白い肌の少女を見て大声でそう言った。
「ナリヒメェェェェ!!」
サクチャーは飛んでくる幻想乱気を見て叫んだ。
その瞬間、強風が幻想乱気を押し返した。
「吾の名を気安く呼ぶのは誰だ・・・」
風を纏ったゆかりはそう言うと、ゆっくりと浮かび上がった。
「・・・ヤベェ・・・流石風神の眷属・・・」
サクチャーは変容するゆかりを見て笑みながらそう言った。
ゆかりの額から赤い角が二本生え、冷たく体が揺れるような重たい風音と共に瞳の色が黄金色に変わった。
妖幻を討つ風鳴の姫、鳴姫
断罪の大権を持つ神から力を与えられた風を司る上位神。
轟く風は妖幻を打ち砕く。
「どうして・・・??人が嫌いなのに!!私は人が嫌いだ!君の味方だ!!」
やや艶がある黒髪ロングヘア。紅白の巫女服で身を包んだ異常なまで白い肌の少女は鳴姫を見て叫んだ。
「人は嫌いだ。簡単に死んでしまうというのに逃げもせず、誰かのために立ち向かっていく」
鳴姫は歩みを進めながらそう言った。
「全く・・・こちらの気持ちを考えて欲しいものだ・・・」
鳴姫はそう言うと、緑色の風の斬撃波を放った。
緑色の風の斬撃波は幻想乱気を切り裂き、やや艶がある黒髪ロングヘア。紅白の巫女服で身を包んだ異常なまで白い肌の少女に直撃した。
「・・・」
やや艶がある黒髪ロングヘア。紅白の巫女服で身を包んだ異常なまで白い肌の少女は斬られた腹部を見ると、冷や汗をかきながら押さえた。
やや艶がある黒髪ロングヘア。紅白の巫女服で身を包んだ異常なまで白い肌の少女は鳴姫を見ながら一歩下がった。
「これ以上は危険だ。撤退用意」
鳴姫はそう言うと、やや艶がある黒髪ロングヘア。紅白の巫女服で身を包んだ異常なまで白い肌の少女は振るった拳を蹴り弾いた。
「・・・強い・・・こんな神が人間の味方をするなんて・・・」
腕を押さえたやや艶がある黒髪ロングヘア。紅白の巫女服で身を包んだ異常なまで白い肌の少女は鳴姫を見てそう言った。
「しかし、サトリをここで逃がしてしまったら・・・!」
サクチャーは鳴姫を見てそう言った。
「死星は吾の神気を感じ取ったはずだ。ここへ来る可能性が高い」
鳴姫がそう言った瞬間、地面が脈動するように揺れた。
「・・・これは・・・」
サクチャーは地面を見てそう言うと、冷や汗をかいた。
「ここまではっきりと俗世に力が伝わるとは・・・流石に驚いた」
鳴姫は地面を見てそう言った。




