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レディフ・フィアンゼ編 四章。 恐怖と絶望の闇より現れたるは・・・

担架に乗せられ、運ばれるアージヴァイズは軍医たちと話をしていた。

「量産型戦姫じゃ、防御力も攻撃力も足りない・・・あのバリアに阻まれたら・・・攻撃が通じてないんだ・・・あいつが居れば話は別だが・・・」

アージヴァイズはすぐ横の高峰 清美(たかみね きよみ)軍医を見ながら言った。

「・・・私に言われましても・・・」

清美は前を見ながら言った。

「この状態で指令室に行けると思うか・・・?」

アージヴァイズは清美を見て笑みながら言った。

「・・・」

清美はアージヴァイズを見て申し訳なさそうな表情をした。

「・・・誰かが伝えなきゃ・・・なす術もなく全滅する・・・死にたくないのは誰だって同じなはずだ」

アージヴァイズは清美を見てそう言うと、気を失った。

「・・・」

清美はアージヴァイズを見て目を見開き、驚くと、覚悟を決めてエミリー・エリザベス・クラーク軍医を見た。

「搬送は任せます。私はベネト副総帥閣下の所へ行き、ベルコントさんの意を伝えます」

エミリーを見てそう言う清美は、アージヴァイズの手首に触れて確実に脈を測っていた。

「任せてください」

エミリーは清美を見てそう言うと、清美と交代した。

清美は走って指令室へ行った。

急いできた清美にローランたちは焦りを隠せなかった。

「ベルコントさんに何か・・・?」

ローランは清美を見ながら言った。

「ベルコントさんから、量産型戦姫じゃ、防御力も攻撃力も足りない・・・あのバリアに阻まれたら・・・攻撃が通じてないんだ・・・あいつが居れば話は別だが・・・という伝言を受けてきました」

清美はローランを見ながら言った。

「あいつ・・・」

オペレーター1は清美を見ながら言った。

「・・・リリー・グローニア・ハッゼウさん・・・」

ローランはうつむきながら言った。


「!?」


オペレーター2は驚きながら映像が映るモニターを見た。

映像に映っているレムフィト北海岸の浜辺が黒く、青く、紫色の闇と言えるような何かを放っていた。

「・・・」

I-1を見るフィリス・フォッドーがI-1に剣を振ったその時、北海岸が途轍もない衝撃波に襲われ、I-1たちは吹き飛ばされ、フィリス・フォッドーとエッグィー・ヒースアルティアが吹き飛ばされそうになっていた。


「アガッ・・・!!い、息・・・がぁ・・・」


何とか耐えようとするI-1の操縦士は苦しそうにそう言うと、闇色の結晶に変化し、砕け散った。

「な、何だこの神気風は・・・!!」

髪と服が激しく靡くエッグィー・ヒースアルティアは衝撃波を腕で防ぎながら言った。

「リリーか!!これがゼノクイーンの力なのか!!」

髪と服が激しく靡くフィリス・フォッドーは衝撃波を腕で防ぎながら言った。

甲高い音が響くと、衝撃波は一点に吸い込まれるように消え、赤紫色の光が姿を現した。


「・・・」


リベード委費を抱きしめた翼が少し開き、赤紫色の光を漏らすリリー・ゼノクイーン光翼形態(こうよくけいたい)はリベードリヒを見て笑みながら何か言った。


「ゼノクイィィィィン!!!!」


剣を握り込んだフィリス・フォッドーと手のナイフを突き立てたエッグィー・ヒースアルティアはリベードリヒを抱きかかえたリリー・ゼノクイーンを睨みながら怒鳴った。


「・・・」


リベードリヒを抱きかかえたリリー・ゼノクイーン光翼形態は振り返り、剣を握り込んだフィリス・フォッドーと手のナイフを突き立てたエッグィー・ヒースアルティアを冷たい目で見つめた。

リベードリヒを抱きかかえたリリー・ゼノクイーン光翼形態に斬りかかろうとしたフィリス・フォッドーとエッグィー・ヒースアルティアは、瞬間移動してリリー・ゼノクイーンの前に来た銀眼、茶髪セミロングヘア。黒色のミニコルセットドレスで身を包んだ色白な肌のリアンロゼスティ・アンドリーネ・クリスティーナ・ロードハーツに蹴り飛ばされた。

「ば、バカな・・・」

腹部を押さえるフィリス・フォッドーはリアンロゼスティを見て驚き、冷や汗を垂らしながら言った。

「し、神軍(しんぐん)の幹部がなぜここに・・・」

冷や汗を垂らすエッグィー・ヒースアルティアはリアンロゼスティを見て驚き、動揺しながら言った。


「・・・夜を目覚めたさせた者を地獄へ落としに来た・・・」


フィリス・フォッドーとエッグィー・ヒースアルティアを見てそう言うリアンロゼスティは、手から赤黒い稲妻を放つ血液を垂らし、赤黒い血針(けっしん)を生成して握った。


「止せ・・・」


リベードリヒを抱きかかえたリリー・ゼノクイーン光翼形態は威圧感がある低い声でそう言った。


「・・・」


血針を握ったリアンロゼスティはリベードリヒを抱きかかえたリリー・ゼノクイーン光翼形態を睨んだ。

「リベードリヒがこんな状態だ・・・これ以上・・・私を怒らせないでくれ」

リベードリヒを抱きかかえたリリー・ゼノクイーン光翼形態は瞳に赤い炎を宿し、血針を握ったリアンロゼスティを睨みながら言った。

「・・・」

血針を握ったリアンロゼスティは目を見開き、リベードリヒを抱きかかえたリリーの瞳を見て冷や汗をかきながら頭を下げた。

「・・・これ以上追って来るというなら相手になろう・・・」

リベードリヒを抱きかかえたリリー・ゼノクイーン光翼形態は熱を感じる神気を放ちながらそう言うと、どこかへ飛んでいった。

「追わない方が良い。この大陸が煉獄へと変わるぞ」

リアンロゼスティはフィリス・フォッドーとエッグィー・ヒースアルティアを見てそう言うと、赤黒い稲妻放って消えた。


リベードリヒを抱きかかえたリリー・ゼノクイーン光翼形態は極西の孤島に向かって飛び始めた。

「こんなことをする人間に希望を抱くなんて・・・私には無理だ・・・」

リベードリヒを抱きかかえたリリー・ゼノクイーン光翼形態は炎が上がる戦場を見ながら言った。


「!?」

目を覚ましたローランは周りを見た。

モニターには何も映っておらず、一切の記録が残っていなかった。

「・・・夢・・・ではなさそう・・・」

ローランは倒れたオペレーターたちを見ながら言った。

ローランは調査を行うため、指令室から出た。

基地の中はガラス片などで滅茶苦茶になっていて、基地内で最も大きな被害が出て着る基地北部教室棟は外壁が大きく損傷し、窓などが外まで吹き飛ばされて廃墟のようになっていた。

「・・・なんて被害・・・」

ローランは教室棟を見てそう言うと、基地内を歩き回る疑似神姫たちを見て驚いた。

「ど、どうして疑似神姫が平然と歩いているんですか?」

困惑するローランは疑似神姫たちを見て大声で言った。

疑似神姫たちはローランに気が付くと、一人の疑似神姫が近づいてきた。

「クーパー総帥から許可を得ているわ。この惨事について、情報収集を行っているの」

赤紫眼、薄赤紫髪にロングヘア。赤紫色が基調のスカートタイプの戦闘服で身を包む色白な肌のTT-42B-44 ニーナ・カルジェルドはローランに特別入国許可証を見せながら言った。

「・・・何が起きたかわかったんですか?」

特別入国許可証を見たローランはニーナ・カルジェルドを見ながら言った。

「こうじゃないかって話はいくつかあるのだけれど、断定はできていないわ」

特別入国許可証をしまったニーナ・カルジェルドはローランを見ながら言った。

「こちらは記録が抜け落ちていたので、協力できそうもありません」

「こっちに記録がるから大丈夫よ。まぁ、記録があっても月浜の上層部はリリー・ゼノクイーンが犯人だと言い始めているけれど」

端末を持ったニーナ・カルジェルドは端末を見ながら言った。

「グローニア総長が?なぜ?」

ローランはニーナ・カルジェルドを見て首を傾げながら言った。

「月浜の疑似神姫二匹が確認したみたいなの」

ニーナ・カルジェルドはローランを見ながら言った。

「グローニア総長が・・・」

ローランは少しうつむきながら言った。

「でも、少ししっくりこないのよ」

「しっくりこない?」

ローランはニーナ・カルジェルドを見ながら言った。

「リリーが以前、恐怖と絶望の力を発動させた時の記録と今回の記録が一致しないのよ。」

「一致しない・・・」

ニーナ・カルジェルドを見てそう言ったローランは少し安心したように笑んだ。

「情報が正反対で、全くの別物。プラスとマイナスみたいに、昼と夜みたいに正反対なの」

「グローニア総長、大丈夫でしょうか?」

ローランはニーナ・カルジェルドを見て少し心配そうに言った。

「何が?」

「月浜軍と戦いになったら、流石のグローニア総長でも厳しいと思うんです」

「リリーは大丈夫なのよ。でも、そう言う事態になったらこの大陸が大丈夫じゃないのよ」

「大陸が大丈夫じゃない?」

ローランはニーナ・カルジェルドを見て首を傾げながら言った。

「神気抑制装置を身に着けた状態であれだけの力を発揮できるのよ?自分の意思で身に着けているわけだし、神気抑制装置なんてすぐに外される」

「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!神気抑制装置を付けた状態!?」

話を遮ったローランはニーナ・カルジェルドを見て驚きながら言った。

「そうよ。リリーは常に神気抑制をしている状態なの。リリーが本気を出せば、どんなことになるか・・・」

ニーナ・カルジェルドは髪留めをポッケから取り出し、ローランに見せながら言った。

「これが神気抑制装置ですか?」

ローランは髪留めを見ながら言った。

「そうよ。元月浜軍の疑似神姫、現神軍の天才技術者が生み出した人類の英知を集結させても複製不可能な神気抑制装置よ」

髪留めを持つニーナ・カルジェルドはローランを見ながら言った。

「じゃ、じゃあ!これがなくなったら・・・」

ローランは髪留めをしまうニーナ・カルジェルドを見て驚きながら言った。

「人類の英知を集結させて用意できた神気抑制装置はALキューブ製の鋼鉄錠になるわ。まぁ、あんな手錠じゃリリーどころか、神軍の下っ端の神気すら抑制できないのだけれど・・・」

ニーナ・カルジェルドはローランを見ながら言った。

「トップ。偵察隊から報告だ」

端末を持った薄緑眼、青髪ショートヘア。薄青色が基調のスカートタイプの戦闘服で身を包む色白な肌のTT-42B-48 ドロシー・カックエルはニーナ・カルジェルドを見ながら言った。

「なんて?」

ニーナ・カルジェルドはドロシー・カックエルを見ながら言った。

「大陸西部へ向かっていたが、急降下してアウスの森林へ着地したらしい。戦場を襲撃しないか注意するべきだと思うが」

「注意してどうするの?」

「いざとなったら止める」

「そうすることを何て言うかわかる?」

「何て言うか?」

「余計な事をすると言うのよ。リリーが人を殺すことと私たち人間が人を殺すことに違いなんてないのだから、止める必要なんてないじゃない」

「そうだが・・・」

ドロシー・カックエルは不服そうに言った。

「不服なら今すぐ戦争を止める?私たちに未来があるかなんてわからないけれど」

「・・・」

ドロシー・カックエルは少し不貞腐れながら黙った。

「グローニア総長、アウスの森林に居るんですか?」

ローランはニーナ・カルジェルドを見ながら言った。

「みたいね。気が変わればここへ戻ってくるかもしれないわ。大丈夫そう?」

ニーナ・カルジェルドはローランを見ながら言った。

「私は大丈夫ですよ」

「じゃあ、大丈夫ね。クーパー総帥は早いことリリーに戻ってほしいみたいだし」

「まぁ、レムフィト軍はグローニア総長頼りですからね」

ローランはニーナ・カルジェルドを見て笑みながら言った。

「調査終了。戻るわよ」

ニーナ・カルジェルドは疑似神姫たちを見ながら言った。

ニーナ・カルジェルドたちが戻っていくと、ローランは指令室へ戻り始めた。

「リリーに依存か・・・」

ドロシー・カックエルは前を見ながら言った。

「なるほどって感じね」

ニーナ・カルジェルドは前を見ながら言った。


「グローニア総長が犯人だと?争いを選び、神に逆らっている私たち人間が犯人だろ。君たちだって目撃したはずだ。あの惨劇を・・・」

ニーナ・カルジェルドはそう言ったクリスティーナ・オブ・クーパーレムフィト国総帥を思い出した。


ローランがリリーの帰りを待っていると、オレンジ・ゴールドマスターとエコー・ゼレヴィアンがレムフィト北海岸基地に到着した。

「・・・アウス仮設基地は?」

ローランはオレンジ・ゴールドマスターとエコー・ゼレヴィアンを見ながら言った。

「みんな死んじゃった・・・」

元気がないオレンジ・ゴールドマスターはローランを見ながら言った。

「・・・そうですか・・・戦場ではよくあることなので、気を落としすぎないでくださいね」

「・・・廃墟みたいな基地だね」

エコー・ゼレヴィアンは周りを見ながら言った。

「まぁ、一時間ほど前に事件がありまして・・・」

ローランはエコー・ゼレヴィアンを見ながら言った。

「ボスは?」

オレンジ・ゴールドマスターはローランを見ながら言った。

「近いうちに戻って来るそうです」

ローランはオレンジ・ゴールドマスターを見ながら言った。

リリーたちが話していたその時、大型航空機が滑走路に着陸した。

中からは軍医とアウス仮設基地の負傷者が出てきて、かなり慌てていた。

「搬送!搬送!」

着陸した航空機から降りてきた軍医たちは叫びながら重傷を負った人が乗った台車を押した。

「アウスはどんな感じでした?」

ローランはエコー・ゼレヴィアンを見ながら言った。

「アウス民がたくさん集まってたよ。風を感じて奪還しに来たんだと思う」

エコー・ゼレヴィアンはローランを見ながら言った。

「風・・・」

「春雫地方に伝わる古い伝承だよ。紅き轟光と蒼き烈風」

「紅き轟光は春雫に熱さと恵を、蒼き烈風は春雫に冷たさと勝利を。って」

オレンジ・ゴールドマスターはローランを見ながら言った。

「なるほど・・・」

ローランはオレンジ・ゴールドマスターとエコー・ゼレヴィアンを見ながら言った。


オレンジとエコーが部屋へ戻ると、頭に包帯を巻き、左腕にギプスをつけたアージヴァイズが待っていた。。

「おっ。無事戻って来たか」

頭に包帯を巻き、左腕にギプスをつけたアージヴァイズはオレンジとエコーを見て笑みながら言った。

「フィリスと戦ったの?」

オレンジは頭に包帯を巻き、左腕にギプスをつけたアージヴァイズを見ながら言った。

「戦ったけど、見ての通りだよ・・・」

「なんか事件があったって言ってたけど、何が起きたの?」

「何かあったっぽいけど、私も見てねぇんだよ」

「謎のままか・・・」

エコーは椅子に座りながら言った。

アージヴァイズたちが話していると、ドアが開いてリリーとローランが姿を見せた。

「ボス!」

オレンジとエコーはリリーを見て笑みながら言った。

「ボスは何が起きたか知らない?ここで一時間ほど前に起きた事件のこと」

エコーはリリーを見ながら言った。

「・・・」

冷や汗をかくローランはリリーを見つめた。

「・・・私が北海岸を吹き飛ばした。神気風でな」

「ど、どうしてそんなことしたの!?ボス!!」

エコーはリリーを見て驚きながら言った。

「・・・」

ローランはうつむいた。

「気まぐれだよ」

リリーはうつむきながら言った。

「目的なんて・・・何も・・・なかった・・・」

リリーは大粒の涙を流し、泣きながら言った。

「ボス・・・」

オレンジはリリーを見て驚きながら言った。

「・・・大丈夫です。誰もグローニア総長が悪いなんて思っていませんよ」

ローランはリリーを心配そうに見ながら言った。。

「何があったかわからねぇけど・・・お前は悪くねぇよ・・・絶対に」

頭に包帯を巻き、左腕にギプスをつけたアージヴァイズはリリーを見ながら言った。

(・・・疑似神姫たちがボスを泣かせたなら、疑似神姫たちも悪い奴だ・・・何が人の生活を守るために戦うだ・・・そのせいで誰かが泣いてちゃ意味がないじゃないか・・・)

エコーはリリーを悲しそうに見た。


晩御飯の時間になると、アージヴァイズたちは人が全くおらず、寂しい食堂で晩御飯を食べ始めた。

「ボス・・・何があったんだろう・・・」

オレンジはレーションを見て心配そうに言った。

「今はそっとしといてやろうぜ」

頭に包帯を巻き、左腕にギプスをつけたアージヴァイズはレーションを食べながら言った。

「と言うか、あいつらとまた戦うことになったら、アウスを完全に放棄することになる・・・はぁ・・・まともな飯が遠ざかる」

頭に包帯を巻き、左腕にギプスをつけたアージヴァイズはぐなしの塩スープを見ながら言った。

「そうならなくても放棄だと思うにゃ・・・」

ミッケはリリーと頭に包帯を巻き、左腕にギプスをつけたアージヴァイズを見ながら言った。

「え?」

頭に包帯を巻き、左腕にギプスをつけたアージヴァイズはミッケを見ながら言った。

「サウスドラゴニア王国がアウスの解放を橘花政府に要求したらしいにゃ・・・」

ミッケは頭に包帯を巻き、左腕にギプスをつけたアージヴァイズを見て苦笑いしながら言った。


サウスドラゴニア王国とは、大陸南部全域と南の海全海域を領土・領海にする数千年という歴史がある大陸南部の超大国だ。

サウスドラゴニアは大陸内の貴金属類、小麦、石油・天然ガスなどの半分以上を産出する資源大国でもあるため、サウスドラゴニアのご機嫌取りは現代戦に置いて最重要なこととされている。


「流石のひよりもアウスの実効支配は諦めだね」

エコーはミッケを見ながら言った。

「無視したらどうなるんだ?」

頭に包帯を巻き、左腕にギプスをつけたアージヴァイズはエコーを見ながら言った。

「物の輸出入が禁止される。物品の入手をサウスドラゴニアに依存するしかない橘花国はこれだけで終わるだろね」

エコーは頭に包帯を巻き、左腕にギプスをつけたアージヴァイズを見ながら言った。

「ヤバ・・・」

オレンジはエコーを見ながら言った。


一方、リリーはリベードリヒと晩ご飯を食べていた。

「今日は大変だったな。お互いに」

リリーは箸を持つリベードリヒを見て笑みながら言った。

「・・・うん」

箸を持つリベードリヒは焼かれる牛肉を見ながら言った。

「・・・気にすんなよ。今は戦中・・・町の壊滅なんてよくあることだ」

リリーは焼かれた牛肉を箸でつまんだリベードリヒを見ながら言った。

「梨々香・・・私、誰かに会うのが怖い。いつ力が発揮されるかわからないから・・・」

焼かれた牛肉がつままれた箸を持つリベードリヒはリリーを見ながら言った。

「良いと思うよ。一人でいる時間も大切だ。また会える日を楽しみにしてる」

リリーは焼かれた牛肉がつままれた箸を持つリベードリヒを見て笑みながら言った。

「・・・絶対にまた会うから・・・私だけを好きでいてね」

焼かれた牛肉がつままれた箸を持つリベードリヒはリリーを見て笑みながら言った。

「言われなくても分かってる」

リリーは焼かれた牛肉がつままれた箸を持つリベードリヒを見て笑みながらそう言うと、焼かれた牛肉を食べた。


一方、神軍幹部リアンロゼスティは同じく神軍幹部のグラディス・オブ・イェーツと食事をしていた。

「へぇ~カルジェンも内地へ逃げたのか。少しは骨があると思ってたけど、強がって吠えてただけかよ」

端末を見る赤眼、頭に黒い二本の龍角。赤と黄のインナーカラーが入った黒髪ツインテール。黒色の丈がかなり短い服を着て黒色のショートパンツを穿き、腕から龍鱗と龍爪を生やした色白な肌のグラディス・オブ・イェーツは肉を食べながら言った。

「君の滅却超火炎ブレスから逃れられただけでもすごいよ。これからは内地で救助やら瓦礫撤去やらやってのんびり暮らしてほしい」

箸を持つリアンロゼスティは刺身をつまみ、醤油に付けながら言った。

「あのプライドの高さじゃ無理だな。華燦二主神(かさんにしゅしん)から何も言われてないし、内地は私の管轄外だから任せたぜ~」

グラディスは刺身を食べるリアンロゼスティを見て笑みながら言った。

「君が内地へ。となれば大陸が火の海と化すからね・・・」

箸を持つリアンロゼスティはグラディスを見て咀嚼しながら言った。

「そう言うことだっ!」

グラディスは箸を持つリアンロゼスティを見て笑みながら元気よく言った。


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