レディフ・フィアンゼ編 三章。 神滅と希望を司る伝説の神。
南歴千六百九十五年、八月十一日。
リリー・グローニア・ハッゼウが戻って来ないとアウス仮設基地で騒動になり、捜索が始まった。
捜索が行われている時、リリーは幼馴染にして婚約者のリベードリヒ・コニファー・グヴァンゼァムと北海にあるレムフィト国領クォーツ島へ来ていた。
「すげぇな!」
黒いワンピースで身を包んだリリーはレムフィト帝国時代の軍旗と国旗が掲げられたままのクォーツ採掘場跡地を見て笑みながら言った。
「どっかにクォーツ落ちてないかな」
リリーは地層を見て笑みながら言った。
はしゃぐリリーを見て黄眼、白いワンピースに身を包んだリベードリヒは楽しそうに笑んだ。
同年、八月十五日。
リリーが見つからないまま北海に停泊する月浜の艦隊に動きがあり、アージヴァイズが防衛のため、神具を持ってレムフィト支部へ行くことになった。
「マジでリリーどこ行ったんだよ・・・」
黒と青が基調のミニコルセットドレス風のスカートタイプの戦闘服で身を包んだアージヴァイズは戦姫隊の軍人たちを見ながら言った。
「レムフィト軍と協力し、二千人を動員して捜索しているんですが・・・見つからずです」
戦姫隊の軍人1はアージヴァイズを見ながら言った。
「・・・て言うか、ミッケのやつ、飛ぶって?」
アージヴァイズは戦姫隊の軍人1を見ながら言った。
「え?」
「アウスも防衛するんだろ?アウスにはクイーンキャットとI-1しかないじゃねぇか」
アージヴァイズは戦姫隊の軍人1を見ながら言った。
「ゼレヴィアンやゴールドマスターが使えるじゃないか」
戦姫隊の軍人2はアージヴァイズを見ながら言った。
「あぁ、橘花国から送られて来たのか。操縦士は?」
アージヴァイズは戦姫隊の軍人2を見ながら言った。
「新兵のマルガレーテとドリェシェパノに決まってるだろ」
「は?マジかよ」
アージヴァイズが戦姫隊の軍人2を見てドン引きしながら言った。
「あぁ~なんでリリーのやつ居ねぇんだよ・・・」
アージヴァイズは空を見ながら言った。
「さっさと戻ってくることを祈るしかない」
戦姫隊の軍人3はアージヴァイズを見ながら言った。
「本当に自分勝手な奴だ・・・」
戦姫隊の軍人4はため息をついてそう言った。
「どいつもこいつも仕方ねぇな・・・」
アージヴァイズは前を見てそう言うと、ネックレスに付いたペンダントトップを握り、AA-09A-2 レプシデシアを装備した。
アージヴァイズ・レプシデシアは戦姫隊の軍人1から錆びた第一の神具を受け取ると、ゆっくりと上昇していった。
一方、クォーツ島にレムフィト軍と橘花軍のリリー捜索隊が上陸していた。
「探せ!ここらに居るはずだ!」
橘花軍の軍人たちはレムフィト軍の兵士たちを見ながら言った。
クォーツ島で捜索が行われている時、リリーとリベードリヒはレムフィト北海岸の町、ノースウィリリッチに来ていた。
「カニ、旨いな」
蟹の脚を持つリリーはカニを食べるリベードリヒを見て笑みながら言った。
「うん」
リベードリヒはリリーを見て笑みながらそう言うと、カニの殻を袋の中に入れた。
リリーがカニの殻をむいていると、リリーの頭に藍色の曳光弾が直撃した。
「・・・!?」
リベードリヒは目を見開き、倒れたリリーを見て驚き、絶句した。
驚くリベードリヒは空を見て藍色の光を見つけると、鬼の形相で藍色の光を見た。
「仕留めたか・・・」
拳銃を握った黒眼、黒髪にツインテール。黒色と藍色が基調のスカートタイプの戦闘服で身を包んだ生者とは言い難い肌のTT-42B-45-01 エリナ・ラジェックは地上を見ながら言った。
「・・・!?」
エリナ・ラジェックは異常なものを感じ取り、目を見開き、驚いた。
エリナ・ラジェックの感覚に伝わったのは、空色と黄金の神気。
あり得ることがない二色二重の神気だった。
「・・・」
エリナ・ラジェックが周りを見たその時、黄金の光が空色の稲妻を曳きながら途轍もない速さでエリナ・ラジェックに向かって来た。
「クソ!なんだこの神気!」
拳銃を握ったエリナ・ラジェックは空色の稲妻を放つ黄金の剣を握ったリベードリヒを見て驚きながらそう言うと、空色の稲妻を放つ黄金の剣を避けて急降下した。
拳銃を握ったエリナ・ラジェックが振り向いた瞬間、リベードリヒの鋭すぎる蹴りがエリナの首に直撃した。
(く、首を狩られた・・・こ、殺される・・・)
拳銃を握ったエリナ・ラジェックは空色の稲妻を放つ黄金の剣を握ったリベードリヒを見て目を見開き、涙目になって恐怖した。
エリナ・ラジェックは握っていた拳銃から力が抜け、拳銃を残してエリナ・ラジェックが地上に吹き飛ばされた。
エリナ・ラジェックは地面を滑り、転がった。
「あふぁはぁ・・・」
悶絶しながら起き上がろうとするエリナ・ラジェックは口から大量の液状疑似神気を垂らした。
目が痙攣するエリナ・ラジェックはゆっくりと降りてきた空色の稲妻を放つ黄金の剣を握ったリベードリヒを見ると、焦り、慌てて起き上がろうとした。
しかし、損傷が大きく、上手く起き上がれない。
(な、何だこの恐怖心は・・・!こ、殺される・・・何で死に戻り出来るのに・・・こんな恐いんだ!)
汗をかくエリナ・ラジェックは歩みを進める空色の稲妻を放つ黄金の剣を握ったリベードリヒを見て涙を流していた。
「・・・止しとけ」
空色の稲妻を放つ黄金の剣を握ったリベードリヒはリリーの声を聴いて止まり、振り向いて倒れたリリーを見た。
倒れたリリーはゆっくり起き上がり、ゆっくりと朽ちた切り株に座った。
「梨々香・・・」
神気を解いたリベードリヒはリリーを見てそう言うと、リリーに駆け寄ってリリーを抱きしめた。
「あぁ・・・」
謎の安心感に包まれたエリナ・ラジェックはリリーとリベードリヒを見ながら地面に広がる液状疑似神気に倒れ込んだ。
「・・・」
リベードリヒを両手で優しく離して立ち上がったリリーは液状疑似神気塗れのエリナ・ラジェックに近づいた。
「・・・教えてくれ・・・世界を滅ぼそうとしているのは誰だ・・・」
液状疑似神気塗れのエリナ・ラジェックは小さな声でそう言った。
「・・・世界を滅ぼそうとしているのは、神を理由にして争い続けるお前たち人間だ。お前たちが争いを選ぶ度闇は強くなり、いつしか世界を喰らう」
リリーは液状疑似神気塗れのエリナ・ラジェックを見ながら言った。
「・・・」
液状疑似神気塗れのエリナ・ラジェックは動かなくなっていた。
「・・・ちゃんと最後まで聞けたのかな・・・」
リベードリヒはリリーを見ながら言った。
「大丈夫だ。きっと、最後まで聞いた」
リリーは液状疑似神気塗れのエリナ・ラジェックを見てそう言うと、リベードリヒを見て笑んだ。
一方、アウス仮設支部では、AA-09A-4 ゴールドマスターとAA-09A-6 ゼレヴィアンの出撃用意が行われていた。
「相手はただの機械よ。ただ壊すことを考えれば良い」
AA-09A-4 ゴールドマスターを装備した黄色を基調にしたスカートタイプの戦闘服で身を包むオレンジとAA-09A-6 ゼレヴィアンを装備した水色を基調としたスカートタイプの戦闘服で身を包むエコーの耳に付けられた端末から橘 ひよりの声が聞こえた。
「・・・・・・」
エコー・ゼレヴィアンは前を見ていた。
(・・・怖いよ・・・)
オレンジ・ゴールドマスターは前を見続けていた。
さやかは指令室で映像が映るモニターを黙って見ていた。
十数分経つと、オペレーターたちもレムフィト支部へ行ったと考えてボーっとし始めた。
ボーっとし始めたその時、レーダー波が赤く光り、警報が鳴った。
「レーダーが敵影を探知!」
慌てたオペレーター1は情報が映るモニターを見ながら言った。
「・・・判別は」
さやかはオペレーター1を見ながら言った。
「敵影判別完了!No.58!ダストエクスプロージョンデビルです!」
オペレーター1はさやかを見ながら言った。
モニターには、アウス海上空を飛行する紅い曳光を引く白い光が映っていた。
「最終防衛艦隊、湾岸防衛戦隊共に対空攻撃を開始せよ!」
さやかは情報が映るモニターを見ながら言った。
「了解!」
最終防衛艦隊の船員たちは二十五ミリ対空砲の標準機越しに紅白い光を見ながら言った。
「了解!」
湾岸防衛戦隊の隊員たちは端末を操作しながら言った。
大量の曳光弾が紅白い光に撃ち出され、空に爆炎を広げた。
しかし、紅白い光は爆炎の中を進み続けていた。
「・・・ふ~んふんふ~ん♪」
紅眼、白髪ツインテール。白色が基調のスカートタイプの戦闘服で身を包んだ生者とは言い難い肌のTT-42B-58-01 フィリス・フォッドーのバリアに対空榴弾が直撃していたが、本人は気にせず鼻歌を歌っていた。
フィリス・フォッドーは下を向き、海上の防衛艦隊を見た。
「さぁ!爆発のじ・か・ん!」
翼から紅い光の粒を撒くフィリス・フォッドーは戦艦二隻、空母一隻、巡洋艦七隻、駆逐艦十七隻を見て笑みながら言った。
大量の対空ミサイルがフィリス・フォッドーに着弾していたが、バリアによって無傷。バリアも全く損傷していなかった。
「現在の設備では明らかに無理があります!」
オペレーター2はさやかを見ながら言った。
「そんなん見たらわかるやろ・・・」
さやかは映像が映るモニターを険しい顔をして見ながら言った。
「・・・」
オペレーター2はゆっくりと映像が映るモニターを見た。
「・・・やっぱり勝てないな・・・」
最終防衛艦隊の船員1は光の粒を見ながら言った。
「バーン!」
艦隊や沿岸防衛戦隊を見るフィリス・フォッドーは手を広げながら言った。
紅い光の粒子は一粒一粒が同時に大爆発を起こし、爆発が戦艦二隻、空母一隻、巡洋艦七隻、駆逐艦十七隻と海岸沿いの砲台を呑み込んでいった。
「映像遮断!」
「レーダー破損!観測不能!」
「カタパルトが故障!」
オペレーター3は情報が映るモニターを見ながら言った。
「飛行場に大きな損傷あり!」
オペレーター1は情報が映るモニターを見ながら言った。
「カタパルトと飛行場の修理を急げ!」
さやかはオペレーターたちを見ながら言った。
「ゴールドマスター、ゼレヴィアン、共にリンク値調整中です。両操縦士の精神状態が不安定で、出撃のめどはたっていません」
緊急通信用の無線を使う整備長はオレンジ・ゴールドマスターとエコー・ゼレヴィアンを見ながら言った。
「・・・」
さやかは緊急通信用の無線機を握り、必死に考えていた。
その時、情報と映像が復旧し、モニターにひよりが映った。
「不安定で構わない。飛べるなら結構よ」
モニターに映ったひよりは整備長たちを見ながら言った。
オレンジ・ゴールドマスター 33% エコー・ゼレヴィアン 41%
「・・・」
整備長は情報が映るモニターを見た。
「・・・両機、リンク値四十五パーセントまで上がり次第出撃」
整備長は整備士たちを見ながら言った。
「無茶ですよ!」
整備士1は整備長を見ながら言った。
「危険すぎます!」
整備士2は整備長を見ながら言った。
「仕方ないだろ!敵がすぐそばまで来ていて!上から命令が来ているんだから!」
整備長は整備士たちを見て怒鳴った。
「・・・」
整備士たちはうつむき、少ししてから整備へ戻った。
「な、何かあったの?」
オレンジ・ゴールドマスターは整備士2を見ながら言った。
「いや・・・大丈夫だ。心配はない」
整備士2はオレンジ・ゴールドマスターを見ながら言った。
「クソ・・・グローニア隊長か二コル副隊長が居れば・・・」
整備士3は頭を抱えながら言った。
「・・・」
整備長は情報が映るモニターを見て貧乏ゆすりをしていた。
「・・・」
さやかは情報が映るモニターを見つめていた。
「司令官・・・」
オペレーター1はさやかを見ながら言った。
「・・・」
さやかは椅子に座り、うつむきながら言った。
オレンジ・ゴールドマスターとエコー・ゼレヴィアンのリンク値が四十五パーセントを越えると、二人は何とか復旧したカタパルトによって射出された。
「良い?訓練通りにやるのよ?」
オレンジ・ゴールドマスターとエコー・ゼレヴィアンのインカムタイプの端末からはひよりの声が聞こえてきた。
「・・・」
オレンジ・ゴールドマスターは少し上の紅白い光を見ていた。
「・・・」
エコー・ゼレヴィアンも少し上の紅白い光を見ていた。
(ゼレヴィアンの子はかなりの緊張している・・・飛行できているだけでべた褒めするべき状態。戦闘なんて不可能だ・・・)
整備長はエコーの情報を見ながら言った。
情報が映るモニターには、二人とも極度の緊張状態になったことがモニターに表示された。
「・・・あ、あれが敵?」
オレンジ・ゴールドマスターは遠くのフィリス・フォッドーを見ながら言った。
オレンジの脳裏に家にあった蜜柑畑で蜜柑を買うフィリスの姿がよぎった。
「・・・て・・・敵・・・そんなはずない・・・そんなはずないよ・・・」
冷や汗をかき、顔から血の気が引いたオレンジ・ゴールドマスターはフィリス・フォッドーを見ながら言った。
オレンジの脳裏に笑みながら釣りをするフィリスの姿がよぎった。
「・・・・・・あの子たち・・・・・・」
フィリス・フォッドーはオレンジ・ゴールドマスターとエコー・ゼレヴィアンを見ながら言った。
「さぁ、戦うのよ!!」
オレンジ・ゴールドマスターとエコー・ゼレヴィアンのインカムタイプの端末からはひよりの声が聞こえてきた。
「た、戦うって・・・フィリスお姉ちゃんだよ・・・フィリスお姉ちゃんじゃないか・・・!」
オレンジ・ゴールドマスターはフィリス・フォッドーを見ながら言った。
「あれはロボットよ。ただの機械。大した相手じゃないわ」
「で、でも・・・」
「やるのよ!!」
インカムを着けたひよりは怒鳴った。
「!」
少しビクついたオレンジ・ゴールドマスターは震えながら両手で刀を握り、フィリス・フォッドーに突撃した。
フィリス・フォッドーは光る粒子を撒きながらオレンジ・ゴールドマスターを軽々回避した。
「AA-09A-4 ゴールドマスターの制御に二秒の遅延発生中!」
オペレーター1は情報が映るモニターを見ながら言った。
「リンク値不足・・・」
冷や汗をかいたさやかは情報が映るモニターを見ながら言った。
「やっぱり・・・東和連合は悪だ・・・」
剣を生成するフィリス・フォッドーはオレンジ・ゴールドマスターを見ながら言った。
フィリス・フォッドーは剣を握り、オレンジ・ゴールドマスターとエコー・ゼレヴィアンの端末を正確に突き壊していった。
「まぁ、想像はしてたよ・・・」
剣を握ったフィリス・フォッドーがアウス仮設支部を睨んでそう言うと、強烈な衝撃波が発生し、強烈な衝撃波がアウス仮設支部を襲った。
強烈な衝撃波でアウス仮設支部の窓ガラスが全て割れ、生き物が全て気絶した。
「・・・」
オレンジ・ゴールドマスターとエコー・ゼレヴィアンに背を向けたフィリス・フォッドーは黙って耳の端末に触れた。
「丁度良かった。撤退?」
耳の端末に触れるフィリス・フォッドーは火災が起きたアウス仮設支部を見て言った。
「奴らもちゃんと考えているみたいだ。第一の神具はレプシデシアが持っていた。エッグィー・ヒースアルティアと合流し、レムフィトへ行ってくれ」
インカムを着けたジェマ・オブ・コーデン月浜国副総帥は、情報が映るモニターを見ながら言った。
「了解」
フィリス・フォッドーはそう言うと、戦線から離脱し、装備の主翼から紅い粒子を噴き出し、超加速した。
アウス仮設支部から上がる炎は見る見るうちに大きくなり、アウス仮設支部の施設を包んだ。
オレンジ・ゴールドマスターとエコー・ゼレヴィアンは黙って炎に包まれるアウス仮設支部を見つめていた。
一方、レムフィト支部では整備室にいるアージヴァイズが紙パックのジュースを飲んでいた。
「・・・じ、自由・・・ですね」
整備士1は紙パックのジュースを飲むアージヴァイズを見て苦笑いしながら言った。
「少しくらい良いじゃねぇか・・・」
紙パックのジュースを持つアージヴァイズは落ち込んだ様子で言った。
「まぁ・・・」
「はぁ・・・最後の晩餐くらいしてねぇなぁ・・・ハンバーガーとか、コーラとか、ラーメンとか食ってみたかったなぁ・・・」
紙パックのジュースを持つアージヴァイズは紙パックを見て辛そうにそう言うと、紙パックを握り潰した。
「・・・」
整備士たちは申し訳なさそうに顔を見合わせた。
立ち上がったアージヴァイズは紙パックをごみ箱に捨てると、カタパルトに向かって歩き出した。
「リンク値百を維持。操縦士の精神状態安定」
オペレーター1は情報が映るモニターを見ながら言った。
「・・・」
ローラン・F・ベネトレムフィト国副総帥兼レムフィト軍総司令はアージヴァイズ・レプシデシアの情報が映るモニターを見ていた。
「射出します」
整備士たちはカタパルトから離れながら言った。
アージヴァイズ・レプシデシアは高速で射出され、離陸した。
「ひよりは私たちとオレンジたちを親密にさせたくないみたいだな」
アージヴァイズ・レプシデシアは前を見ながら言った。
「あいつに逆らえるのは君たちくらいだからね。逆らえる奴を増やしたくないんだろう」
I-1は前を見ながら言った。
「それなら元からゴミみたいなことするなよな」
「雑談中ですが、正面から敵です」
ローランは映像が映るモニターを見ながら言った。
「クソが・・・」
アージヴァイズ・レプシデシアは正面から来る紅白い光を見てそう言うと、モノクル型の標準指定機を着けた。
「141!」
モノクル型目標指定機でフィリス・フォッドーをロックオンしたアージヴァイズ・レプシデシアは、フィリス・フォッドーたちを見ながら言った。
「撃ちまーす」
青眼、金髪ツインテール。青色が基調のスカートタイプの戦闘服で身を包んだ色白な肌の女性、II-141 レジェニス・レイスは大型エネルギー砲をフィリス・フォッドーたちに向けながら言った。
「がってんよ!」
青眼、金髪ツインテール。青色が基調のスカートタイプの戦闘服で身を包んだ色白な肌の女性、II-141 レヴァーガーン・レイスは大型エネルギー砲をフィリス・フォッドーたちに向けながら言った。
二機のレイスはエネルギー砲を撃った。
大型エネルギーから撃ち出された砲弾は、拡散して大量の小粒エネルギー弾になった。
「ヤバッ!」
フィリス・フォッドーは高速で飛散する小粒のエネルギー弾を見ながら言った。
小粒のエネルギー弾を大量に受けたフィリス・フォッドーは、バリアを粉砕され、右腕と左耳の端末が吹き飛ばされた。
「クソ!痛すぎる!」
フィリス・フォッドーは液状エネルギーを吹き出す右脇腹を押さえ、叫んだ。
「けど、良い!」
目を見開いたフィリス・フォッドーはアージヴァイズ・レプシデシアたちを見て笑みながら言った。
「冷却まで三分!」
大型エネルギー砲にエネルギー缶が自動装填されるレジェニス・レイスは空を見ながら言った。
双剣を握ったアージヴァイズ・レプシデシアは高速でフィリス・フォッドーに突っ込んだ。
「人間にしてはかなり強い!」
剣で双剣を防ぐフィリス・フォッドーは双剣を握ったアージヴァイズ・レプシデシアを見て笑みながら言った。
「クソ・・・なんて余裕だ・・・」
双剣で剣を押すアージヴァイズ・レプシデシアは剣を握ったフィリス・フォッドーを見て呟いた。
剣を握ったフィリス・フォッドーは双剣を握ったアージヴァイズ・レプシデシアを蹴り飛ばした。
「レプシデシアのバリアが大きく損傷!」
オペレーター2は情報が映るモニターを見ながら言った。
「流石に相手が悪すぎる・・・」
ローランは映像が映るモニターを見ながら言った。
「クソ・・・最強格二体が相手とか・・・本当についてねぇ・・・」
冷や汗をかくアージヴァイズ・レプシデシアは青眼、金髪ツインテール。ピンク色と緑色が基調のスカートタイプの戦闘服で身を包んだ生者とは言い難い肌のTT-42B-14-01 エッグィー・ヒースアルティアを見てそう言うと、量産型エネルギーライフルと盾を構えた。
「・・・力無き者に力を振るうなど・・・善なる龍神セレーの血が許さん!!」
エッグィー・ヒースアルティアは量産型エネルギーライフルを撃ちながらシールドを構えるアージヴァイズ・レプシデシアを見て言った。
「ば、バカかっけぇこと言いやがって・・・ムカつくぅ~!」
量産型ライフルと盾を構えたアージヴァイズ・レプシデシアはエッグィー・ヒースアルティアを見て悔しそうに言った。
エッグィー・ヒースアルティアは全く動かず、アージヴァイズ・レプシデシアを見つめていた。
「おりゃりゃりゃりゃあ!」
シールドを構えながら量産型エネルギーライフルを撃つアージヴァイズ・レプシデシアは前進しながら言った。
量産型エネルギーライフルが放つエネルギー弾はエッグィー・ヒースアルティアの疑似神気に飲み込まれて次々と消えていった。
「衝撃が・・・来る!」
エッグィー・ヒースアルティアに接近するアージヴァイズ・レプシデシアは盾を握った手と腕に力を込めながら呟いた。
エッグィー・ヒースアルティアは先端が剣状になっている尻尾を振り、アージヴァイズ・レプシデシアの頑丈な盾をいとも簡単に斬り、強烈な力の尻尾攻撃を受けたアージヴァイズ・レプシデシアは盾ごと吹き飛ばされ。
アージヴァイズ・レプシデシアはアフターバーナー全開で減速したが、墜落は避けられず、接地する装備から火花を散らしながら基地の敷地内を滑り、格納庫に突っ込んだ。
「ア、ア、アタマオカシ・・・」
装備から煙を上げたアージヴァイズ・レプシデシアは深い切り傷がついた頑丈な盾を見て冷や汗を垂らしながら言った。
「な、なんてパワー・・・」
オペレーター2はエッグィー・ヒースアルティアが映るモニターを見て驚きながら言った。
「ベルコントさんとレプシデシアの回収を急いでください!」
インカムをつけたローランは映像が映るモニターを見ながら言った。
「どうしますか?ログワースの子に声をかけておきますか?」
オペレーター3はローランを見ながら言った。
「・・・戦姫一機でどうにかできる相手じゃありません。犠牲が増えるだけです」
ローランは映像が映るモニターを見ながら言った。