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レディフ・フィアンゼ編 二章。 黄金郷の破片

同年、八月十日。

月浜海軍の隙を突いて東和連合軍の上陸隊がアウス北部へ到達した。

月浜軍は北アウス山岳で東和連合軍の足止めを行うも、四十七センチ三連砲を搭載した戦艦アンニによる艦砲射撃と吹雪一型戦姫による焼夷弾攻撃を受けた月浜軍はアウスを早々に放棄し、撤退。

月浜軍撤退の後、アウス軍はゼレヴィアン州議事堂にて降伏を宣言。

第二次東月戦のアウス戦線が終わった。


アウス軍の最高指揮官が東和連合軍の最高指揮官に階級章を渡している時、アウス北西部アウス山岳にある謎の平地"オールドワールドオブジェクト"に少女たちが集まっていた。

「・・・これが神具か」

シャベルを捨てた青眼、枯草色髪ツインテール。紺色の作業服を着た色白な肌の少女アージヴァイズ・ベルコント・ニコルは土塗れの錆びた剣を見ながら言った。

「これが神様の武器なんて信じられないにゃ・・・」

スコップを地面に刺してそれを支えにする青眼、黒髪ショートヘア。灰色のワンピースで身を包んだ褐色肌の少女ミッケ・ローゼ・カーリンは土塗れの錆びた剣を見ながら言った。

「・・・」

土塗れの錆びた剣を見ていた黄緑眼、黒髪ツインテール。紺色の作業着を着たリリー・グローニア・ハッゼウは錆びた巨大な金属柱に目を向けた。

リリーが見たのは、錆びた巨大な金属柱の根元に生える青白い結晶だ。

リリーが青白い結晶を見ていると、東和連合の軍人がリリーに声をかけた。

「リリー戦姫隊隊長。橘指揮官が呼んでるぞ」

東和連合軍の軍人はリリーを見ながら言った。

「ん。わかった」

リリーは東和連合軍の軍人を見てそう言うと旧アウス基地へ向かった。

旧アウス基地には、たくさんの子供が集められていた。

リリーはその中に居る二人と目が合った。

しかし、その二人はすぐに目をそらした。

「神具の行方は?」

(たちばな) さやかはリリーを見ながら言った。

「発見はしたものの、ひよりが求めているものとは程遠い見た目だよ。ハッハハハ」

リリーはさやかを見ながら言てそう言うと笑った。

「そっか・・・」

「私からも聞きたいことがある・・・」

リリーはさやかを見て笑みながら言った。

「どうしたの?」

「基地に集められている子供たちは何だ?」

さやかを見つめるリリーは冷たい声でそう言った。

「・・・私のお母さんがすることなんて・・・想像つくでしょ?」

さやかはリリーを見て苦笑いしながら言った。

「一人の人間すら止められねぇんだったら軍人辞めちまえよ」

「・・・簡単に言わないでよ」

さやかはリリーを見ながら言った。

「まぁ、そうだな。あんたが任せられてるここには碌な人員もいなければ碌な兵器もないもんな」

リリーはさやかを見て笑みながらそう言うと基地へ向かって歩き始めた。

黙り込んださやかはリリーを追って基地へ向かって歩き始めた。

「リリー」

錆びた剣を両手で持って引きずるように運ぶミッケに気が付いたリリーとさやかはミッケに駆け寄った。

「神の武器も風化するんだな」

リリーは錆びた剣を見て笑みながらそう言った。

「もう少し丁寧に扱って」

さやかはミッケを見てそう言った。

「良いだろ、別に。こんなのガラクタみたいなもんだ」

アージヴァイズはさやかを見ながら言った。

「金にもならないガラクタを欲しがるなんて大人っていうのは不思議な奴らだな」

アージヴァイズはうつむき、頭を掻きながら言った。

「きっとボロボロになってもすごい力があるんだにゃ。古文書にそう書いてあったにゃ」

ミッケはアージヴァイズを見ながら言った。


少女たちは、錆びた剣を持って基地へ入っていった。

少女たちは、錆びた剣をさやかに預けると授業を受けに教室へ行った。

(人を滅ぼさずに争いを止める方法なんてない・・・か)

頬杖を突いたリリーは外を見ていた。

「・・・さん。・・・ッゼウさん!」

ボーっと外を見ていたリリーは先生が呼ぶ声に気付いた。

「ハッゼウさん。そんな態度じゃ成績つきませんよ!?」

先生はリリーを見ながら言った。

「私は成績なんて要らない」

頬杖を突くリリーは先生を見ながら言った。

「でも、こんなこと言ったらあいつ怒るよなぁ~」

リリーはそう呟くと、机に突っ伏した。

「・・・」

先生は机に突っ伏したまま何か呟くリリーを見て困惑していた。

「・・・」

何かを感じ取ったリリーは顔を上げ、窓を見た。

先生と生徒たちは不思議そうにリリーを見た。

「伏せろ!」

リリーが窓を見てそう言った瞬間、窓ガラスが一斉に割れて廊下の窓が吹き飛んだ。

神気風(しんきふう)だ!!」

教室から急いで飛びてたリリーは黒鞘に納まった刀を生成して握り廊下を走りながらそう言った。

屋上に出たリリーは白目をむいて倒れる兵士たちを見た。

「そこそこ近い・・・が、気を失っているだけ・・・"あいつ"ではないか」

黒鞘に納まった刀を持つリリーは白目をむいて倒れる兵士たちを見ながら言った。


夜になり少女たちが夕食を食べ終えると会議が始まった。

「月浜軍の主力艦隊TT-01は現在、東和海字江摩野(じえまの)島沖を航行中とのこと。偵察部隊によると、大陸北部への接近は確実であるとのことだ」

戦姫隊の軍人1はリリーたちを見ながら言った。

「積まれている42Bは」

頬杖を突き、片手で携帯端末を操作するリリーは携帯端末を見ながら言った。

「推測では、十二機。ダストエクスプロージョンデビルとフィオリフィンティが乗っている可能性が高く、アウス奪還、又は、レムフィト支部への攻撃を行う可能性が高い」

「月浜の総帥は東和連合がレディフ・フィアンゼを手に入れたことくらい察知しているにゃ。来るならここだにゃ」

顔にガーゼを貼ったミッケは戦姫隊の軍人1を見ながら言った。

「素人だなぁ・・・レムフィト支部へ攻撃を行い、そこから来る可能性が高いに決まってる」

呆れ笑いをした戦姫隊の軍人1は顔にガーゼを貼ったミッケを見ながら言った。

(橘花海軍の被害総額七十一億リズ、月浜海軍の被害総額五十億リズか・・・これでもまだ耳を貸さないか)

頬杖を突き、片手で携帯端末を操作するリリーはあくびをした。

「DEDとフィフィが居てそんな回りくどいことをすると思っているのかにゃ?レムフィトへの進攻よりも神具を奪って逃げ帰った方が効率良いにゃ!」

「その二機が居るからこそレムフィトへ侵攻するかもしれないじゃないか!」

「フィリスとエッグィーが来るならどうしても勝ち目ねぇよ。バーカ」

頬杖を突き、片手に携帯端末を持つリリーは戦姫隊の軍人たちを見ながら言った。

「・・・」

戦姫隊の軍人たちはリリーに冷たい目線を送った。

「まぁ、何か案を用意してるんだろ?聞いてやろうぜ?バカなのはわかりきってんだから」

腕に包帯を巻いたアージヴァイズはリリーとミッケを見て笑みながら言った。

「うーん・・・」

顔にガーゼを貼ったミッケは腕に包帯を巻いたアージヴァイズを見て唸ると、リリーを見た。

「ハッハハハ。そう言うことなら聞こうじゃないか」

一笑いしたリリーは戦姫隊の軍人たちを見て笑みながら言った。

「話せよ」

頬杖を突き、片手に携帯端末を持つリリーは戦姫隊の軍人2を見ながら言った。

「・・・レムフィト支部をリリー・グローニア・ハッゼウ分隊で防衛。ここをアージヴァイズ分隊で防衛する」

戦姫隊の軍人2はリリーたちを見ながら言った。

「DEDとフィフィが分隊で二ヶ所同時攻撃を行っても耐えられるはずです」

戦姫隊の軍人1はリリーたちを見ながら言った。

「ハッハハハ」

リリーは真面目に話す戦姫隊の軍人たちを見て笑った。

戦姫隊の軍人2、3、4、5、6はリリーを睨んだ。

「"龍王神気(りゅうおうしんき)"を使いこなし、尻尾で橘花海軍の巡洋艦を真っ二つにしたと噂のエッグィーと龍王神気使いと噂の粉塵爆破魔フィリスをAA-09Aを中心とした量産型戦姫分隊で迎撃かぁ~」

リリーは戦姫隊の軍人たちを見て笑みながら言った。

「マジで浅はかだね」

リリーは戦姫隊の軍人たちを見ながら言った。

「まぁ、私もリリーの考えに同意だよ。あの事件から一年も経ってないのに・・・あいつらの恐ろしさをもう忘れたのか?」

腕に包帯を巻いたアージヴァイズは戦姫隊の軍人たちを見ながら言った。

「・・・じゃあ!!リリー・グローニア・ハッゼウ!お前ならどうするんだ!!」

戦姫隊の軍人3はリリーを見て怒鳴った。

「神具とアウスを捨てて逃げる。お前らみたいな足手纏いを守りながらとか無理ゲーなんだよ」

リリーの言葉に戦姫隊の軍人たちが唖然とした。

「ワァオ。わかりやす!」

腕に包帯を巻いたアージヴァイズはリリーを見て笑みながら言った。

「つ、月浜人の言葉なんて聞くもんか!月浜の工作員め!」

戦姫隊の軍人2は炎の刻印が入った金の懐中時計をポケットから取り出したリリーを見て怒鳴った。

リリーは炎の刻印が入った金の懐中時計を開いて時間を確認した。

「まぁ、そういうことならもう退室させてもらうよ。精々頑張ってよ」

リリーは立ち上がりながら言った。

手を二回振り、最後に一回力強く振ったリリーは部屋から出ていった。

「リリー居ないとマジで無理だって・・・」

冷や汗をかき、焦る腕に包帯を巻いたアージヴァイズは戦姫隊の軍人たちを見ながら言った。

「普段リリーに頼りまくってる癖に意見突っぱねるとかマジで最低だにゃ」

顔にガーゼを貼ったミッケは戦姫隊の軍人たちを見ながら言った。

「・・・」

戦姫隊の軍人1はうつむいて黙った。

「仕方ないだろ!?神具もアウスも重要なんだ!」

戦姫隊の軍人2は腕に包帯を巻いたアージヴァイズと顔にガーゼを貼ったミッケを見ながら言った。

「自分たちは離れた場所で見ているだけで良いんだもんにゃ~それでタンマリお金貰えるんだから最高だよにゃ~やめられないよにゃ~」

顔にガーゼを貼ったミッケは戦姫隊の軍人2を見ながら言った。

「じゃあさ。自信満々に勝てるとか言ってるお前たちだけで何とかすれば良くね?せっかくリリーが情報提供してくれてるのにさ」

腕に包帯を巻いたアージヴァイズは戦姫隊の軍人2を見ながら言った。

「・・・」

戦姫隊の軍人たちは黙った。

「だ、黙れよ!ガキの癖に!」

戦姫隊の軍人3は腕に包帯を巻いたアージヴァイズを見て怒鳴った。

「そうだ!懲罰房(ちょうばつぼう)に入れるぞ!」

戦姫隊の軍人2は腕に包帯を巻いたアージヴァイズを見て怒鳴った。

「こいつらヤバ・・・」

腕に包帯を巻いたアージヴァイズは戦姫隊の軍人たちを見てドン引きしながら言った。

「きょ、今日の会議はこれまでとします。全員揃った時にまたしましょう」

戦姫隊の軍人1はアージヴァイズたちを見ながら言った。


ぐちゃぐちゃなまま会議が終わり、精神的にへとへとになったアージヴァイズたちは部屋に戻った。

「あれ?リリーのやつ・・・戻ってないのか」

腕に包帯を巻いたアージヴァイズは部屋を見渡しながら言った。

「一人の時、どこにいるんだろうにゃ」

顔にガーゼを貼ったミッケはベッドに座りながら言った。


夕方になると、会議のため再びアージヴァイズたちが他の部屋へ行った。

「リリーさんは?」

戦姫隊の軍人1はアージヴァイズたちを見ながら言った。

「さぁ。どこ行ったんだろうな」

腕に包帯を巻いたアージヴァイズはそう言いながら椅子に座った。

「そんな・・・大切な会議なのに」

戦姫隊の軍人1は眉を(ひそ)め、少し不服そうにそう言った。

戦姫隊の軍人たちが顔を見合わせていると、ドアが開いてリリーが来た。

「どこへ行ってやがった!」

戦姫隊の軍人2はリリーを睨みながら怒鳴った。

「飯を食いに行ってただけだ」

リリーは椅子に座りながら言った。

「・・・何か・・・甘い花みたいな良い匂いがするにゃ」

顔にガーゼを貼ったミッケはリリーを見ながら言った。

「香水だと!?貴様のような月浜人が贅沢品を使うなど!!」

戦姫隊の軍人4が頬杖を突くリリーを見て怒鳴り始めると、戦姫隊の軍人1が話し始めた。

「神具の保護とアウス仮設支部の防衛を最優先。レムフィト支部は事実上の放棄となります」

戦姫隊の軍人1はリリーたちを見ながら言った。

「・・・必死だな」

頬杖を突くリリーは戦姫隊の軍人1を見ながら言った。

「神具の確保は最重要です。必死にもなりますよ」

戦姫隊の軍人1は頬杖を突くリリーを見ながら言った。


会議が終わると、リリーはさやかの所へ行った。

「さやか。次回の作戦書だ」

リリーはさやかを見てさやかに書類を差し出しながらそう言った。

「丁度良かった。この子たち、戦姫隊のメンバーに抜擢されて今日から戦姫隊に入ることになったから」

さやかは二人の子供の肩に片方ずつ手を置き、リリーたちを見ながら言った。

「・・・」

リリーたちは橙眼、金髪ツインテール。薄汚れたオレンジ色のワンピースを着た微褐色肌のオレンジ・V・ドリェシェパノと青緑眼、黒髪にツインテール。藍色の貴族服のような高貴なワンピースを着た色白な肌のエコー・ユニ・マルガレーテを見た。

「・・・そうかい」

リリーは書類を受け取るさやかを見ながら言った。


少女たちは、1Kの自室に帰った。

「手狭になりやがんな」

腕に包帯を巻いたアージヴァイズはエコーの荷物を置きながら言った。

「どこの子?」

顔にガーゼを貼ったミッケはオレンジとエコーを見ながら言った。

「アウス」

オレンジは顔にガーゼを貼ったミッケを見ながら言った。

「・・・」

エコーはそっぽ向いて黙っていた。

「どこから来たんだよ」

リリーはエコーを見ながら言った。

エコーは少しびくつき、リリーを見た。

「・・・アウス」

エコーはリリーを見ながら言った。

「・・・お前、いくつだ?」

リリーはエコーの前に座り、エコーを見ながら言った。

「・・・五歳」

「なら、歳上に聞かれたことはさっさと答えろ」

リリーはエコーを見ながら言った。

「・・・うん」

「まぁ、そう言うなよ。泣いちまったら面倒だろ?」

腕に包帯を巻いたアージヴァイズは引きだしに荷物を突っ込みながら言った。

腕に包帯を巻いたアージヴァイズは無理やり引き出しを閉じた。

「どうせ親から無理に引き離されて駄々こねてんだろ?」

腕に包帯を巻いたアージヴァイズはエコーを見ながら言った。

「・・・」

エコーはうつむいた。

「そんな親から渡してもらった荷物は大切だろ?自分でしまえよ」

リリーはベッドに寝転がりながらそう言うと、携帯端末で時間を確認した。

「・・・うん!」

エコーはリリーを見てそう言うと自分から荷物を片付け始めた。

「流石リリーだにゃ・・・新人が一発で言うこと聞いた・・・」

顔にガーゼを貼ったミッケは驚きながら片付けをするエコーを見て言った。

「な~んじゃそりゃ」

腕に包帯を巻いたアージヴァイズはエコーが持つ藍色の綺麗なティーカップを見ながら言った。

「ティーカップ」

藍色の綺麗なティーカップを持つエコーは腕に包帯を巻いたアージヴァイズが見ながら言った。

このティーカップは希少な藍色の宝石から造られた世界に一つという一品。

価格はなんと、橘花国の官僚の生涯年収に値する二十万ディールズリズだ。

「は?」

腕に包帯を巻いたアージヴァイズは藍色の綺麗なティーカップを持つエコーを見ながら言った。

「金持ちかよ」

腕に包帯を巻いたアージヴァイズは藍色の綺麗なティーカップを食器棚にしまうエコーを見ながら言った。

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