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休暇編三章 次の町に向けて

 午後十時三十分。

 アージヴァイズたちが寝始めた頃、リリーとミッケとレイチェルとカレンとオルガとキャロルが部屋を出た。

「お寿司食べれるの?こんな時間に?」

 レイチェルはリリーを見て笑みながら言った。

「この時間だから食べれるんだよ。十時半からしか食べれない超高級寿司さ」

 リリーは笑みながらそう言った。

「楽しみだにゃ~」

 ミッケは笑みながらそう言った。

 少し歩くと、ホテル内の寿司屋に着いた。

 小さめで高級感はないが、棚は汚れが一切なく、入っている食材も綺麗で丁寧に並べてある。

「はい、いらっしゃい」

 白髪の老店主はリリーたちを見て笑みながら言った。

「どうぞ、お好きな席に座ってください」

 白髪の老店主は道具を用意しながら言った。

「おぉ~!!」

 椅子に座ったミッケたちは棚に入っている食材を見て笑みながら言った。

「おすすめお願いします」

 リリーは白髪の老店主を見て笑みながら言った。

「はい」

 白髪の老店主はリリーを見て笑みながらそう言うと、カウンター前の棚から食材を取り出し、木箱に入れ始めた。

「はい、これはジェマノ島沖で獲れたマグロ」

 リリーたちの前に木箱を置いた白髪の老店主は笑みながら言った。

 老店主は食材の説明をしていった。

 他には春雫(はるだ)海産の春雫イカ、北極海産のホタテ、南極海産の銀虎海老(ぎんとらえび)などが入っている。

 老店主は食材を使って寿司を握り、木の平皿に乗せて出した。

「美味い!!」

 目を輝かせたミッケは寿司を食べてそう言った。

「あ~・・・染みる~!」

 シジミの煮汁を飲んだカレンとオルガは笑みながら言った。

「マジか~・・・世界にはこんな美味しいものがあったのか~」

 レイチェルは笑みながらそう言った。

 寿司を食べたリリーたちは部屋に戻って布団に入った。

「マジで楽しいわ・・・ありがとね」

 瞼を閉じたレイチェルは笑みながらそう言った。

「どういたしまして」

 瞼を閉じたリリーは笑みながらそう言った。


 同年、十二月十二日。

 リリーたちは宿から出た。

「昨日すごかったよ!?チョー美味しいお寿司!!」

 ミッケはアージヴァイズたちを見て笑みながら言った。

「お寿司?」

 グリードリヒはミッケを見てそう言った。

「月浜の寿司は偽物だよ・・・あれを食べたらすぐわかる」

 頬を押さえたカレンは笑みながらそう言った。

「寿司ってそんな美味しいの!?」

 オレンジとエコーはカレンを見て目を輝かせながら言った。

「食べたらビックリするよ!!」

 カレンはオレンジとエコーを見て笑みながら言った。


 話をするリリーたちは二台の大馬車を使って町から離れ、マッケリスへ向かい始めた。

「馬車なんて・・・」

 少し不貞腐れたアージヴァイズは窓から外を見てそう言った。

「なんかすごい車とかじゃないのか?空飛んだり、消えたり」

 アージヴァイズはリリーを見てそう言った。

「裕福故に古い物を求める。金持ちはロマンが好きなんだよ」

 本を持ったリリーはアージヴァイズを見て笑みながら言った。

「それにしてもだよ。馬って・・・」

 ジュリアはリリーを見てそう言った。

「馬はとても優秀な生き物なんだよ?移動にも使えて農耕にも使えて、最期は食料にもなるんだ」

 キャロルはジュリアを見てそう言った。

「この田舎娘が・・・」

 ジュリアは蔑んだ目でキャロルを見てそう言った。

 町から少し離れると、電波塔と牧場が点々とあるだけの田舎になった。

 町の賑わいも嘘のような静けさが広がっている。

「・・・なんか、落差激しくない?」

 グリードリヒは窓から外を見てそう言った。

「なんか、調べた感じ町の人の方が所謂下流層、中流層らしいよ」

 携帯端末を握ったオルガはグリードリヒを見てそう言った。

「そうなの?」

 グリードリヒはオルガを見てそう言った。

「農業、畜産、水産系職員が所謂上流層。月に一度拠点艦の特別乗艦許可証を買って拠点艦で数百リズと豪遊するらしい」

「まぁ、神軍って戦力は足りてそうだし、食料の方が大切なのかな」

 カレンはオルガを見てそう言った。

「あぁ・・・小さい頃を思い出すにゃ・・・」

 ミッケは窓から牧場にいる白馬を見てそう言った。

「今も小さいでしょ?」

 カレンはミッケを見て笑みながら言った。

「まぁ~にゃ~」

 ミッケは風を受けながらそう言った。


 雑談をしていると、ちょっとした町が見えてきた。

「町!町だ!」

 グリードリヒは窓から外を見て笑みながら言った。

「ここで止まるの?」

 ジュリアは本を読むリリーを見てそう言った。

「止まらないよ」

 本を持ったリリーはそう言った。

「えぇ~!?町なのに!?」

 グリードリヒはリリーを見て大声でそう言った。

「ここは神軍の支援を受けてない場所だ。観光で行くような場所じゃない」

 リリーがそう言うと、グリードリヒたちは黙って色々な場所から外を見た。

 町が近づき、町の様子がはっきり見え始めた。

 町は寂れ、建物はボロボロで、住民も痩せ細っている。

「ど、どうして・・・」

 グリードリヒは驚きながらそう言うと、リリーを見た。

「言ったでしょ?ここは神軍の支援を受けてない場所だって」

 本を持ったリリーはそう言った。

「ベラル自治区の住民が神軍の支援を拒否、支援非対象地域に指定・・・だって」

 携帯端末を見るジュリアはそう言った。

「えぇ・・・?」

 グリードリヒはジュリアを見てそう言った。

「神軍は何もしないのか!?あんな状態なんだぞ!?」

 アージヴァイズはリリーを見てそう言った。

「何もしないよ。何とかしてくれと言われたわけじゃないからね」

 リリーは本を読みながらそう言った。

「話が通じない奴には関わらない方が良いんだよ。触らぬ神に祟りなし、されど触れねば避けられぬ・・・ってね」

 レイチェルはアージヴァイズを見てそう言った。

「ん~・・・平和は程遠いってことだね?」

 眉を顰めたオレンジはレイチェルを見てそう言った。

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