表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/98

休暇編二章 セザンナス町観光

リリーたちは町へ出ると、料理屋に行って食事を始めた。

「どこからいらっしゃったんですか?」

店員はリリーたちを見て笑みながら言った。

「レムフィト国フィトナーゼ州レムフィト基地、三番棟十一号室から」

リリーは店員を見て笑みながら言った。

「レムフィト基地・・・」

店員はそう言いながらリリーたちを見て少し嫌な顔をした。

「・・・ん?三番棟十一号室・・・?」

店員は少し考えながらそう言うと、ハッとして冷や汗をかいた。

「こ、これはこれは・・・よくいらっしゃいました」

冷や汗をかいた店員はリリーを見て笑みながら言った。

「なんか急に態度変わった・・・」

ジュリアは店員を見てそう言った。

「お任せでよろしいですか?」

冷や汗を拭く店員はリリーを見て笑みながら言った。

「頼んだよ」

リリーは店員を見て笑みながら言った。


リリーたちは軽く昼食を食べると、町を探索し始めた。

大商店街は人が多く、大賑わいだ。

「すごい・・・」

驚くアージヴァイズたちは周りを見てそう言った。

「カルジェルド陛下!万歳!!」

広場に居るベラ・ジ・ルル民たちは両手を高々に挙げて叫んだ。

「・・・なんか、月浜を思い出すよ・・・」

ジュリアは広場の方を向いてそう言った。

「オラァ!うっせぇぞ!」

拡声器を持った神軍の組織員たちは広場に居るベラ・ジ・ルル民たちを見て怒鳴った。

広場で騒いでいたベラ・ジ・ルル民たちは慌てて解散した。

「神軍がやれって言ってるわけじゃないのか・・・」

アージヴァイズは神軍の組織員たちを見てそう言った。


リリーたちは酒飲みとそうじゃない人に分かれて行動し始めた。

酒飲みのレイチェル、カレン、オルガ、キャロルは飲み屋街に移動し、食べ飲みし始める。

天星麦酒(てんせいむぎざけ)!!」

銀眼、白髪ツインテール。黒い服を着て白いショートパンツを穿いた色白な肌の少女のような女性、オルガ・エレノア・ホープは目を輝かせ、嬉しそうに言った。

「昔、アディさんに飲ませてもらったね」

レイチェルは天星麦酒の瓶を見て笑みながら言った。

「また飲めるなんて・・・」

オルガは笑みながらそう言った。

「店員さん、天星麦酒を一杯」

オルガは店員を見て笑みながら言った。

「はいはーい」

店員はそう言うと、天星麦酒の瓶を冷蔵庫から取り、栓抜きで栓を抜いて店員は酒瓶の口にプラコップをかぶせた。

「はい」

オルガは三百スーを店員に渡した。

レイチェルたちは自由スペースでのんびり飲み始めた。

「昼から飲んでる人多いね」

キャロルは昼飲みする人たちを見てそう言うと、天星麦酒を飲んだ。

「飲み屋街っぽいよね」

レイチェルは笑みながらそう言った。

「観光客?可愛いね」

酔ったベラ・ジ・ルル民はレイチェルの隣に座って笑みながらそう言った。

「えぇ、まぁ」

レイチェルは酔ったベラ・ジ・ルル民を見て笑みながら言った。

「ねぇ、ベラ・ジ・ルルの人はどうして神軍を崇めてるの?皇女が居るんだから、普通皇女とかを崇めない?」

酒瓶を持ったカレンは酔ったベラ・ジ・ルル民を見てそう言うと、天星麦酒を飲んだ。

「あんなのカルジェルド陛下のお気遣いで残ってるだけだ」

酔ったベラ・ジ・ルル民はカレンを見て笑いながら言った。

「いっつも思うぜ」

酔ったベラ・ジ・ルル民はポケットからワインの小瓶を取り出し、蓋を開けた。

「もし、ベラ・ジ・ルル二十三州が返還されなければ・・・って」

酔ったベラ・ジ・ルル民はカレンを見てそう言うと、ワインを飲んだ。

「・・・何が起きたの?」

酒瓶を持ったレイチェルはそう言うと、天星麦酒を飲んだ。

「千六百九十四年・・・」

レイチェルたちはこの言葉を聞いて息を詰まらせ、鼓動が早くなった。

「皇女がヴェルベサなんかに従って返還を受け入れたせいだ。マッケリスとリングリスがなければ、私たちはこうして生きてないだろうな」

酔ったベラ・ジ・ルル民はワインの小瓶を見てそう言った。

「・・・大変なことがあったんだね・・・」

酒瓶を持ったカレンはそう言うと、天星麦酒を飲んだ。

「そうだ。この後、郵便局へ行って神軍に手紙を出すんだ。その、カルジェルド陛下?は手紙を読んでくれるかな」

キャロルは酔ったベラ・ジ・ルル民を見て笑みながら言った。

「あぁ、カルジェルド陛下は本当に全ての手紙を読んでいる。返事を貰い、悩みや迷いから救われた人も多い」

酔ったベラ・ジ・ルル民はキャロルを見て笑みながら言った。


一方、飲まない組は食べ歩き街を散策していた。

「お前の彼女って何の仕事してんの?」

アージヴァイズはリリーを見てそう言った。

「ラグジェパレス社の社長だよ。傘下企業が一億社以上ある大企業」

リリーはアージヴァイズを見て笑みながら言った。

「い、一億社!?」

アージヴァイズたちはリリーを見て驚きながら言った。

「その国の高額納税企業を調べると大体ラグジェパレス社の傘下企業だよ」

リリーは周りを見て笑みながら言った。

「どんな物扱ってるの?」

牛串を食べるグリードリヒはリリーを見てそう言った。

「何でも扱ってる。雑貨、家電、精密機器、衣服関係、食べ物から嗜好品、戦姫や疑似神姫に使う高品質な合金まで・・・」

リリーはグリードリヒを見て笑みながら言った。

「や、ヤバい企業じゃん・・・」

エコーはリリーを見て少し怯えながら言った。

「もしかして・・・ここら辺の店も・・・」

ジュリアは周りを見てそう言った。

「傘下の企業だよ」

リリーはそう言うと、店に立ち寄った。

「から揚げ三個入りを一つください」

リリーは店員を見て笑みながら言った。

「はい、百二十スー」

店員はリリーを見てそう言った。

「はい」

リリーはそう言うと、腕輪を会計機にかざした。

「ありがとうございます」

店員は笑みながらそう言うと、袋にから揚げを詰めてリリーに差し出した。

「どうも」

リリーはそう言いながら唐揚げが入った袋を受け取った。

「その腕輪ってクレジットカード的なやつ?」

グリードリヒはリリーを見てそう言った。

「そうだよ」

リリーは唐揚げを食べながら言った。

「それも彼女さんの?」

「これは私の。支払いは私じゃないけど」

咀嚼するリリーはグリードリヒを見て笑みながら言った。

「便利だよな~機械にかざすだけだもんな」

バターにんじん串を持ったアージヴァイズはバターにんじん串を食べながら言った。


午後四時三十八分。

リリーたちが合流した。

レイチェルはほろ酔いで、カレンとオルガはベロベロ。キャロルはほぼ素面だ。

「調子乗って飲むから・・・」

眉を顰めたキャロルはカレンとオルガを見てそう言った。

「大丈夫?行ける?」

眉を顰めたグリードリヒはカレンとオルガを見てそう言った。

「行きたいから・・・頑張るよ」

オルガは辛そうに言った。


午後四時四十分。

リリーたちは郵便局に到着した。

郵便局の入り口には当時、神軍拠点艦のマストに掲げられていた神軍旗など由緒ある品が飾ってある。

「・・・神軍・・・相当資金があるみたいだね」

グリードリヒは神軍旗を見てそう言った。

「どこから巻き上げた金なんだ・・・?ラグジェパレス社も戦争に加担してるみたいだし・・・気になる」

アージヴァイズは神軍旗を見てそう言った。

「ねぇ、ユリカっていう神軍の人に助けられたんだけどさ~。会えな~い?」

ほろ酔いレイチェルは局員を見て笑みながら言った。

「ユリカ・本白水・グレニスター。なんか神軍のトップと仲良さそうだったよ」

ベロベロなオルガは局員を見て笑みながら言った。

「ちょっと!静かに!」

ジュリアは二人を押さえながら小声でそう言った。

「ユリカ部隊長級柄様と会いたいと?」

局員はレイチェルたちを見て驚きながら言った。

局員たちは笑い始めた。

「そんなにおかしいの?」

オレンジは局員たちを見てそう言った。

「上位組織員ならまだしも・・・部隊長級組織員に会うなんて不可能ですよ・・・」

局員は笑いをこらえながら言った。

「そうなの?」

ほろ酔いレイチェルはリリーを見てそう言った。

「ほとんどの部隊長級は拠点艦で生活するからね。地上で会うことはほぼないと思うよ」

リリーはほろ酔いレイチェルを見て笑みながら言った。

「あれって相当レアだったんだね」

ペンを持ったキャロルはリリーを見てそう言った。

「出来た!」

エコーは手紙を見て笑みながら言った。

「書けましたらこちらの封筒に入れてください」

局員はエコーに手紙の横に封筒を置きながらそう言った。


午後六時三十分。

リリーたちは宿に到着した。

宿は町で一番高いフィル・バーグホテル。

一泊約五十リズという値段だ。

「これ、めっちゃ良い木だよ・・・この木の板、ママの会社で見たんだ・・・」

緊張するエコーは木の柱を見てそう言った。

「いくら!?木の板でいくら!?」

緊張するレイチェルはエコーを見てそう言った。

「五百リズ・・・」

緊張するエコーはレイチェルを見てそう言った。

「ギャァァァァ!!」

緊張するアージヴァイズたちは悲鳴を上げた。

「早く入るよ」

リリーはアージヴァイズたちを見て笑みながら言った。

リリーたちが宿に入ると、従業員たちが出迎えた。

「お待ちしておりました。代理女将の小雪と申します」

女将はグリードリヒたちを見て笑みながら言った。

「よろしくお願いします」

リリーは女将たちを見て笑みながら言った。

「よろしくお願いします」

アージヴァイズたちは女将を見てそう言った。


リリーたちの部屋は十五人泊まれる超広い部屋だ。

レイチェル、カレン、オルガは部屋に入ってすぐに眠り始めた。

リリーはアージヴァイズたちを連れてホテルの夕食に行った。

「すごくいい部屋・・・静かで、綺麗で」

ジュリアは中庭を見てそう言った。

「グローニア御一行様。お飲み物をお持ちしました」

仲居は襖越しにそう言った。

「飲み物?」

グリードリヒはゆっくりと開く襖を見てそう言った。

「リリーが用意したの?」

ジュリアは仲居を見てそう言った。

「ラグジェパレス社の社長様が」

仲居はジュリアを見て笑みながら言った。

「ヤバいほど高そう・・・」

キャロルはジュースと共に入っている酒瓶を見てそう言った。

「こちら、神軍拠点艦一番艦イクイノックスの内部にございます万陽酒造(まんようしゅぞう)が造り出した陛下御愛飲の特選純米酒、陰陽賛歌(いんようさんか)でございます」

仲居は酒瓶を見て笑みながら言った。


特選純米酒、陰陽賛歌。

年間生産数は千本以下であり、出荷も制限されているため、地上に出されるのは僅か五本。

豊潤な香りと甘さがある澄んだ純米酒。

値段は一升二百八十リズ。


「に、二百八十リズッ!?千六百ミリリットルでッ!?」

レイチェルは特選純米酒陰陽賛歌を見て酷く驚きながら言った。

「エグすぎ・・・どんな財力だよ」

眉を顰めたグリードリヒは特選純米酒陰陽賛歌を見てそう言った。

「こりゃ愛のある交際じゃなさそうだ・・・」

頬杖を突いたジュリアは飲み物を見てそう言った。


一方、リリーたちは食堂に居た。

「こちらはリーベル牧場産の天那牛(あまなうし)のモモ肉、泣代(なくしろ)湾産泣代大海老の塩焼き、橘花国産の旬の食材を使った煮物、橘花国産香羅山(からやま)地鶏の空揚げ、泣代湾産浜虎海老(はまとらえび)のフライ」

仲居は料理の説明をしていた。

「すみません。お腹が空いておりますよね」

仲居はアージヴァイズたちを見て笑みながらそう言うと、お辞儀して下がった。

「いただきまーす!」

箸を握ったアージヴァイズたちは勢いよくご飯を食べ始めた。

「・・・」

お椀を持ったリリーは汁物を見ると、汁物を飲んだ。

汁物は橘花国句道湖(くどうこ)産シジミを使った味噌汁。

橘花国句道湖産のシジミは四・五センチとかなり大きくて肉厚だ。

「レイチェルたちも連れてこれば良かったね」

お椀を持ったエコーはリリーを見てそう言った。

「そうだね」

箸を握ったリリーは笑みながらそう言うと、ご飯を食べた。

「この焼きエビうんまッ!!あんまッ!すっげぇ!」

焼き泣代大海老の尻尾を食べるアージヴァイズは驚きながら言った。

「泣代湾ってどこ?」

焼き泣代大海老を持ったエコーはリリーを見てそう言った。

「泣代湾の国際表記は月浜湾だにゃ」

箸を握ったミッケは嬉しそうに料理を食べながら言った。

「最初からそう言えばいいのに」

箸を握ったオレンジはエビフライを食べながら言った。

「中立国は国際表記を使わないんだにゃ。国際表記はサウスドラゴニアが発行・公布したものだから」

「橘花国は国際表記じゃなくて、古くから使われてる橘花表記を使うべきなんだけどね。本当に腰抜けなんだから」

箸を握ったエリーは料理を食べながら言った。

「何でも良いにゃ。チョー美味し~!」

箸を握ったミッケは幸せそうに料理を食べながら言った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ