休暇編一章 ベラ・ジ・ルル皇国へ。
千六百九十六年、十二月七日。
リリーの判断により、グリードリヒたちが月浜打撃軍に加入。
これをもって、グリードリヒたちは監視対象から外れ、自由となった。
「よし!加入祝いにベラ・ジ・ルルに行こう」
カードを持った黄緑眼、黒髪にツインテール。桜色のパジャマを着た少し大人っぽい微褐色肌の少女、リリー・グローニア・ハッゼウは見て笑みながら言った。
「・・・え?」
カードを持ったアージヴァイズたちはリリーを見て唖然とした。
同年、十二月十日。
リリーは事務室へ行って外出手続きを行っていた。
「陛下、ディシア航空の六一八便をご利用ください」
ペンを握ったレイラ・ティア・ローリー事務局長は書類を書きながら小声でさらりと言った。
「お気遣い感謝するよ」
黒い服を着て緑色のショートパンツを穿いたリリーはレイラを見て笑みながら言った。
手続きを終わらせたリリーが部屋に戻ると、グリードリヒたちと一緒にアージヴァイズたちが居た。
「みんな集まったみたいだね」
リリーはアージヴァイズたちを見て笑みながら言った。
「うん!」
橙眼、金髪にツインテール。オレンジ色のワンピースを着た微褐色肌の少女、オレンジ・V・ドリェシェパノはリリーを見て嬉しそうに笑みながら言った。
「でも、本当に連れてってくれるのか?」
青眼、枯草色髪にツインテール。黒い長袖シャツを着て黒いショートパンツを穿いた色白な肌の少女、アージヴァイズ・ベルコント・ニコルはリリーを見てそう言った。
「うん」
リリーはアージヴァイズを見て笑みながら言った。
「準備はできてる?」
リリーはアージヴァイズたちを見て笑みながら言った。
「うん!」
アージヴァイズたちはリリーを見て嬉しそうに笑みながら言った。
「それじゃあ、出発するぞ!!」
リリーは荷物を持って笑みながらそう言った。
「よっしゃー!」
アージヴァイズたちは荷物を持って立ち上がった。
準備を終えたリリーたちは外出許可証を貰いに事務室へ行った。
「月浜打撃軍所属のグローニアです。長期外出許可証を貰いに来ました」
リリーはレイラを見て笑みながら言った。
「はい、どうぞ。全員分あります」
レイラは長期外出許可証を差し出してそう言った。
「どうも」
長期外出許可証を受け取ったリリーは笑みながらそう言うと、玄関に向かった。
「お気をつけて~」
事務員はリリーを見て笑みながら言った。
長期外出許可を得たリリーたちは基地の外に出て駅に行き、駅で高速列車に乗った。
「まさか本当に連れてってくれるなんて~」
黒眼、黒髪セミロングヘア。灰色のセーターを着て白いコートを羽織り、黒い長ズボンを穿いた色白な肌の少女のような女性、レイチェル・オブ・ヒューム=キャンベルは嬉しそうに笑みながらそう言った。
ベラ・ジ・ルルは最低三十リズ必要と言われるほど渡航費用も宿泊代も食事代も高く、中々旅行は出来ない。
しかも、今回は安価で移動手段として人気の列車ではなく、かなりの費用がかかる航空機で行く。
「ベラ・ジ・ルルか~。一度しか行ったことないから楽しみ!」
青緑眼、黒髪にツインテール。藍色の貴族服のような高貴な服で身を包んだ色白な肌の少女、エコー・ユニ・マルガレーテはパンフレットを見て笑みながら言った。
「っていうか、どうしてベラ・ジ・ルルに?」
パンフレットを持った水色眼、白髪セミロングヘア。水色の服を着て白いコートを羽織り、白いショートパンツを穿いた色白な肌の少女のような女性、キャロル・スウェイル・ロッシュはリリーを見てそう言った。
「ベラ・ジ・ルルに私の彼女が居てね。その彼女の伝手で安く旅行できるんだ」
リリーはキャロルを見て笑みながら言った。
「彼女!?」
緑眼、白髪ツインテール。黄緑色のワンピースを着て黒いコートを羽織った色白な肌の少女のような女性、ジュリア・トムソン・レイモンドはリリーを見て驚きながら言った。
「お前彼女いたのか!?」
驚くアージヴァイズはリリーを見てそう言った。
「第二次編成前は色々旅する機会があったからね。出会いは多い方なのさ」
リリーはアージヴァイズたちを見て笑みながら言った。
リリーたちは二時間とちょっとの時間をかけてレムフィト中部、ローヴィーズン空港に行った。
「グローニア様、グローニア様のお連れ様、本日はようこそお越しくださいました」
機長はリリーたちを見て笑みながら言った。
「これも彼女の伝手ってやつ?」
赤眼、黒髪ツインテール。赤い服を着て黒いコートを羽織り、黒いレギンスを穿いた色白な肌の少女のような女性、グリードリヒはリリーを見てそう言った。
「そうだよ」
リリーはグリードリヒを見て笑みながら言った。
「どんな金持ちだよ・・・」
アージヴァイズはリリーを見てそう言った。
リリーたちはディシア航空六一八便に乗った。
この航空機は自家用機であるため、内装は旅客機仕様ではない。
「めっちゃ快適~」
オレンジはふかふかな背もたれにもたれてそう言った。
「自家用機なんてすげぇ~」
レイチェルは周りを見てそう言った。
「これ飲んでいいの!?」
座席の肘掛けを開けたレイチェルはワインの小瓶を見て目を輝かせながら言った。
「うん、自由に食べ飲みして」
紅茶を淹れるリリーは笑みながらそう言った。
「リリーの彼女ってどんな人?名前は?年齢は?どこ出身なの?」
ジュリアはリリーを見てそう言った。
「名前はマッケリス・ジュンライト・ラグジェパレス。二十七歳、出身はわからないけど、マッケリス在住ということはわかってる。三葉国を旅してる時に出会った。一目惚れだって言われて、そこから交際し始めた」
ティーカップを持ったリリーはジュリアを見て笑みながら言った。
「一目惚れで交際・・・」
ジュリアはリリーを見て驚きながら言った。
「金持ちはそうやって恋愛するのか・・・?」
アージヴァイズはリリーを見て困惑しながら言った。
「すげぇな・・・」
アージヴァイズはエコーを見てそう言った。
「・・・私のママはちゃんとした結婚だよ!?そんな感じじゃしてない!」
少しアージヴァイズを見たエコーは少し慌てながら大声でそう言った。
「どんな人って聞かれると・・・少し強引でかなりの余裕がある・・・っていう感じの人かな」
少し考えたリリーはジュリアを見てそう言った。
「まぁ、良いじゃん。酒呑める奴は酒呑もうぜ!」
ワインの小瓶を持ったレイチェルはグリードリヒたちを見て笑みながらそう言った。
飛行を開始し、雲の上まで行くと、アージヴァイズたちは爆睡し、酒を飲んではしゃいでいたグリードリヒたちも静かになった。
「・・・なんかさ」
グリードリヒは雲海を見てそう言った。
「ん~?」
本を持ったリリーは本を読みながらそう言った。
「雲の上ってとても緊張して、いつも吐きそうで、あんなに辛くて、あんなにに嫌だったのに・・・今すっごい穏やかなんだよね」
「・・・戦姫や疑似神姫は三百六十度、どこかでも雲海が見えるからね。襲撃も怖いし、神経を使う。違うのは当然さ」
本を持ったリリーはグリードリヒを見て笑みながら言った。
「リリーは怖いとか思わないの?」
グリードリヒはリリーを見てそう言った。
「私は思わないよ。最強だからね」
リリーはグリードリヒを見て笑みながら言った。
「まぁ、そっか」
グリードリヒはリリーを見て鼻で笑いながらそう言った。
同年、十二月十一日。
ベラ・ジ・ルル皇国に到着したリリーたちは空港のお土産コーナーを見ていた。
「見て!見たことない食べ物!!」
黒いセーターを着てベージュのコートを羽織り、デニムの長ズボンを穿いたエリー・V・ヘリズランドの袖を引っ張るオレンジは屋台飯を見て目を輝かせながら言った。
「そ、そうだね・・・」
エリーはオレンジを見て少し迷惑そうに言った。
「かっけぇ!!神軍が使ってた航空輸送船だって!!」
アージヴァイズは航空輸送船を見て笑みながら言った。
「マッケリス都市の開発に貢献した航空輸送船団、ラクスティア部隊で使用された航空輸送船だって。すごいね」
茶眼、黒髪ミディアムボブヘア。小豆色のワンピースを着て小豆色のコートを着た微褐色肌の少女のような女性、カレン・ジェイド・フリエルは航空輸送船を見て笑みながら言った。
「これ、写真撮って良いの!?」
カメラを持った青眼、黒髪ショートヘア。灰色のワンピースを着て茶色のコートを着た褐色肌の少女、ミッケ・ローゼ・カーリンはリリーを見て笑みながら言った。
「良いよ」
リリーはミッケを見て笑みながら言った。
ミッケとカレンは嬉しそうに写真を撮り始めた。
「レムフィト式ワインに使うぶどうだって!」
レイチェルは目を輝かせてそう言った。
「普通のぶどうより甘いので、食べるの結構大変ですよ?」
店員1はレイチェルを見て笑みながらそう言った。
「そうなの?」
ジュリアは店員1を見てそう言った。
「はい」
「レムフィト式ワインがお好きならこちらなんていかがでしょうか!本日は特別価格!十リズのところ半額の五リズ!!」
店員2はジュリアを見て笑みながら言った。
「ヒエェ!!」
レイチェルとジュリアは店員2の圧に悲鳴を上げた。
「早く行くよ」
リリーはグリードリヒたちを見てそう言った。
「空港内で完結させようとすんなー」
アージヴァイズはグリードリヒたちを見てそう言った。