表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/98

レディフ・フィアンゼ編 十三章 命が生み出す炎。

一方、AZ-000は光の粒を人一人入る缶の中に放っていた。

光の粒からキイが再構築され、光がなくなるとキイが目を覚ました。

缶が開くと、キイが缶から出た。

「・・・氷鳥・・・」

台座から出てきたキイは右手を何度も握りながら悔しそうにそう言った。

その時、キイは圧倒的な力を感じ、目を見開いて冷や汗をかいた。


「力が・・・欲しいか?」


歪み、霞んだ視界に何者が映った。


「・・・何者だ・・・」


冷や汗を垂らすキイは息を上げながらそう言った。

「我が名はアゼェンダ。この楽園の主だ」

「・・・」

キイは液状疑似神気を口から吐き出した。

「エリー・ヴィニ・ヘリズランド。やつの正体はヴェルベサの二番眷属、ヴィニだ。神気抑制装置を付けた状態でも今のお前を瞬殺できる」

「・・・ば、バカな・・・」

キイは苦しそうにそう言った。

「我が血を一滴、お前に与えよう。この血を受けたお前は奴にも引けを取らない大物になる」

「大物・・・」

キイは歪み、霞んだ視界の中で唯一ハッキリ見える夜空色の液体を見て苦しそうにそう言った。

キイは夜空色の液体に手を差し出した。

夜空色の液体はキイの手の中に落ちた。


同年、十月十九日。

アージヴァイズたちはノースドラゴニア残地の図書館に来ていた。

アージヴァイズとミッケはテスト勉強を行い、オレンジとエコーは適当に本を読んでいる。

「勉強つまんねぇ~」

机に突っ伏すアージヴァイズはだるそうにそう言った。

「つまらなくはないと思うにゃ」

鉛筆を持ったミッケはノートに文字を書きながら言った。

「エリーのやつは勉強してんのかな」

アージヴァイズはミッケを見てそう言った。

「なんか最近エリーのことばかり気にしてるね。関わりなんて全然ないのに」

オレンジはアージヴァイズを見て笑みながら言った。

「いや、あいつって新型戦姫の製作を主導するくらい頭いいじゃん?楽しい勉強方法とかあったら知りたくね?」

起き上がったアージヴァイズはオレンジを見てそう言った。

「私たちも来年から勉強始まるから、確かに知っておきたいかも」

エコーはアージヴァイズを見てそう言った。

「だろ?」

アージヴァイズはエコーを見てそう言った。


一方、エリーはアーヴァン王国跡地の廃王宮に来ていた。

「・・・」

エリーは崩れた玉座の間を見てゆっくりと立ち止まった。

「この傷が癒えぬまま奴の眷属に遭うなんてな・・・」

崩れた玉座に座った青眼、白い狐耳に白髪ロングヘア。白い着物を着た女性はエリーを見てそう言った。

「流石はグラディスと言うべきか、流石は宿幼に関係する者と言うべきか」

エリーは青眼、白い狐耳に白髪ロングヘア。白い着物を着た女性を見てそう言った。

「ここは良い場所じゃ。傷が良く癒える」

青眼、白い狐耳に白髪ロングヘア。白い着物を着た女性は空を見てそう言った。

「そうは思わぬか?氷龍」

青眼、白い狐耳に白髪ロングヘア。白い着物を着た女性はエリーを見てそう言った。

「・・・お前の目的は何だ」

「妾の目的か?」

「簡単なことじゃ」

青眼、白い狐耳に白髪ロングヘア。白い着物を着た女性は笑いながらそう言った。

「神滅と希望の神グローニアの力を手に納め、この世界を支配する!」

青眼、白い狐耳に白髪ロングヘア。白い着物を着た女性はスッと立ち上がり、両手を広げてそう言った。

「お前が世界を?随分自信があるんだね」

エリーは青眼、白い狐耳に白髪ロングヘア。白い着物を着た女性を見て笑いながらそう言った。

「グローニアは世界を統べる者だった。グローニアはただの神気風で反乱を起こした表裏二柱と八億の神を瀕死に追い込み、ただの神気風で表裏世界を壊滅させた」

両手を広げた青眼、白い狐耳に白髪ロングヘア。白い着物を着た女性は昔を思い出し、笑みながらそう言った。

「ヴェルベサすらもグローニアの前では羽虫も同然だった!あの時の興奮がお前にわかるか!?世界を恐怖に染め上げたあの暴君ヴェルベサすらもグローニアの前では無力だったんだ!!」

手を下ろした青眼、白い狐耳に白髪ロングヘア。白い着物を着た女性はエリーを見て笑みながら言った。

「そんなヤバい奴をお前が倒せるとは思えないけど」

エリーは青眼、白い狐耳に白髪ロングヘア。白い着物を着た女性を見て笑みながら言った。

「・・・今の妾にならできる」

青眼、白い狐耳に白髪ロングヘア。白い着物を着た女性はエリーに手を伸ばしてそう言った。

その瞬間、瞬間移動して来たキイがエリーに青色の光針を振った。

青色の光針はエリーの右腕を斬るも、骨まで到達せずに止まった。


「・・・やるじゃん」


歯を食いしばったエリーは狂神化(きょうしんか)キイを見て笑みながら言った。


「・・・」


狂神化キイはエリーを見つめると、冷や汗をかきながら自分の右手を見た。

狂神化キイが凍結する青色の光針を見たその瞬間、二重に付けられたエリーの髪留めの一層目が凍結して弾け飛び、冷たく、重たい音と共に変幻神気・氷が溢れた。

狂神化キイは瞬間移動してエリーから離れた静かに着地してエリーを見た。

「な、なにが起きとるかわからぬが・・・今じゃ!!」

青眼、白い狐耳に白髪ロングヘア。白い着物を着た女性はエリーとキイを見てそう言うと、逃げた。

「誰の眷属だ・・・?お前」

変幻神気剣ヴィニを生成して握ったエリーは狂神化キイを見て笑みながらそう言うと、変幻神気剣ヴィニを狂神化キイに向けて円を描いた。

「・・・」

狂神化キイは凍った両足を見ると、冷気の塊を見た。

冷気の塊は冷凍光線を放ち、冷凍光線の通り道が一気に凍結して氷柱が生えた。

両足が凍った狂神化キイは冷凍光線を片手で受け止め、冷凍光線が途轍もない勢いで飛散した。

(奴より明らかに強い・・・)

変幻神気剣ヴィニを握ったエリーは銀色の龍翼を生やし、羽ばたかせて飛び上がった。

その瞬間、狂神化キイの拳が残留冷気を吹き飛ばした。

「・・・今度こそ・・・今度こそ神具を!!」

狂神化キイは前を向いて笑みながら言った。


「・・・副総帥か?」

白い受話器を握ったリリーは白い電話機を見てそう言った。

「グローニア総長。どうしました?」

受話器を握ったローランはキーボードを見て笑みながら言った。

「アージヴァイズを上空哨戒任務に当たらせろ。戦闘許可を出した状態で」

「わ、わかりました・・・グローニア総長が言うなら」

受話器を握ったローランは少し困惑しながらそう言った。

「任せたよ」

「・・・はい・・・」

受話器を握ったローランはリリーの言葉に重さと優しさを感じ、少し動揺した。

ローランは受話器を置くと、アージヴァイズに対して出撃命令を出した。


ノースドラゴニア残地に居るアージヴァイズは急な出撃命令に戸惑いながらもレムフィト基地へ戻った。

アージヴァイズは着替えを終えると、レプシデシアを装備してカタパルトの近くで待っていたローランを見ながらカタパルトに立った。

「・・・何かあったのか?」

アージヴァイズ・レプシデシアはローランを見てそう言った。

「グローニア総長からの指示です。きっと、何か大きなことが起きるんでしょう・・・」

ローランはアージヴァイズ・レプシデシアを見てそう言った。

「・・・リリーが・・・」

アージヴァイズ・レプシデシアはローランを見て安心しながら言った。

リリーの指示だとわかったアージヴァイズ・レプシデシアは自信満々に前を向き、笑みながら射出に備えた。

整備長が射出ボタンを押すと、アージヴァイズ・レプシデシアを乗せたカタパルトが高速で前進した。

カタパルトから離れたアージヴァイズ・レプシデシアは時速四百八十キロで離陸し、速度を上げながら上昇していった。


「・・ん?」

アージヴァイズ・レプシデシアは少し上の高度を飛ぶ夜空色の光を見て声を漏らすと、舵を操作して直上気味に体制を変え、上昇した。

(リリーからの指示だ。あれが敵でも戦える・・・!!)

双剣を生成して握ったアージヴァイズ・レプシデシアは近づく夜空色の光を見つめた。

「・・・」

エリーを追う狂神化キイは向かってくる青色の光に気付き、青色の光針を生成して握った。


「どりゃぁぁぁぁ!!!!」


双剣を握ったアージヴァイズ・レプシデシアは狂神化キイを見て叫びながら斬りかかった。


「・・・雑魚が」


青色の光針を握り込んだ狂神化キイは双剣を握ったアージヴァイズ・レプシデシアを見てそう怒鳴り、青色の光針を振ろうとした。

その時、狂神化キイの神気が揺れ、目が震えた。

「何だ・・・この胸騒ぎは・・・」

目を見開いてそう言う狂神化キイは口から夜空色の液体を垂らしていた。

双剣を握ったアージヴァイズ・レプシデシアは狂神化キイを斬り、斬られた狂神化キイは吹き飛ばされた。

「何だぁぁぁぁ!!!!この力はぁぁぁぁ!!!!」

吹き飛ばされた狂神化キイは双剣を握ったアージヴァイズ・レプシデシアを見て苦しそうにそう言った。

狂神化キイの視界に映るアージヴァイズ・レプシデシアから青く揺れる炎が現れた。

「何だ・・・!!この頭の中に流れる映像は・・・!!」

怯えたキイは双剣を握ったアージヴァイズ・レプシデシアを見て大声でそう言うと、青色の光針を四本生成して飛ばした。

「・・・」

双剣を握ったアージヴァイズ・レプシデシアは青色の光針を二発避けた。

残りの二発がアージヴァイズ・レプシデシアに迫ったその時、エリーが一発を殴り砕き、一発を生成した変幻神気剣ヴィニで砕き、生成した変幻神気剣ヴィニを握ってキイに急接近した。

エリーが振った変幻神気剣ヴィニは青色の光針に受け止められ、衝撃波を放った。

青色の光針を握った狂神化キイは目を見開いた。

「グアァァァァ!!!!」

目を見開いた狂神化キイは苦しそうに叫んだ。

その瞬間、狂神化キイの目が夜空色の染まった。

「な、何だ!?」

双剣を握ったアージヴァイズ・レプシデシアは豹変する狂神化キイを見て驚きながら言った。

「・・・」

狂神化キイは変幻神気剣ヴィニを握ったエリーを見ると、瞬間移動した。

(弱体化した・・・!?)

変幻神気剣ヴィニを握ったエリーは驚きながらキイを見た。

変幻神気剣ヴィニを握ったエリーは狂神化キイの引っかきを防ぎ、取っ組み合いながら急降下していった。

「マジかよ・・・何だよあれ・・・」

双剣を握ったアージヴァイズ・レプシデシアは冷や汗をかいてそう言った。

「アァァァァァァァァ!!!!」

悲痛な叫びを声を上げる狂神化キイは口とコアの背面から夜空色の液体を噴き出した。

「疑似神気が途轍もない勢いで浸食されてる・・・」

変幻神気剣ヴィニを握ったエリー・白月は狂神化キイを見て不思議そうにそう言った。


「まさか・・・疑似神姫なんかが破界終世ノ源神の神気を取り入れたのか!?」


変幻神気剣ヴィニを握ったエリーはさらに豹変する狂神化キイを見て驚きながら言った。

「キイさん!!」

飛んできた茶眼、赤茶髪にツインテール、水色と黄色が基調のスカートタイプの戦闘服で身を包んだ褐色肌のTT-42B-55-01 クレア・ジョディーは狂神化キイを見て驚きながら言った。


「近づいちゃダメだ!!」


変幻神気剣ヴィニを握ったエリー・白月はクレア・ジョディーを見て叫んだ。

その瞬間、向かってきたクレア・ジョディーが液体化し始めた。

「何だ!!嫌だ!!うわぁぁぁぁ!!!!」

溢れ出る無色透明な液体を振り払おうと暴れるクレア・ジョディーは叫びながら無色透明な液体になって弾け飛んだ。

「な、なんだよ・・・何が起きてるんだよ・・・」

双剣を握ったアージヴァイズ・レプシデシアは太陽に反射して光る無色透明な液体を見て驚きながらそう言った。

「キイさん!!」

四機の疑似神姫たちが叫びながら向かってきた。

その時、狂神化キイが夜空色の液体が含まれた神気風を放ち、神気風を受けた疑似神姫たちが無色透明な液体になって弾け飛んだ。

「・・・」

アージヴァイズ・レプシデシアのところまで退いて空中静止したエリー・白月は狂神化キイを見つめた。

「おい!何で・・・!何で水になるんだよ・・・!あいつらだってジュリアたちと同じ人だろ!?」

双剣を握ったアージヴァイズ・レプシデシアはエリー・白月を見て半泣きでそう言った。

「・・・これがあいつの能力だよ。奴は人を源に変えてしまう・・・」

エリー・白月はさらに豹変し、ぎゃちゃぐちゃに溶けた翼を生やした狂神キイを見ながらそう言った。

「許せねぇ・・・人を・・・生き物を何だと思ってるんだ!!」

双剣を握り込んだアージヴァイズ・レプシデシアは狂神キイを睨みながら言った。

「ガェエェェェェ!!!!」

夜空色の神気を口から吐く狂神キイは双剣を握り込んだアージヴァイズ・レプシデシアを見て頭を抱え、目を見開き、目を震わせた。

「生物は・・・死んだらもう生き返らねぇんだ!!」

双剣を構えるアージヴァイズ・レプシデシアは狂神キイを睨んでそう言った。

「ッ!!」

狂神キイは前を見て驚いた。

「砕いてやる・・・お前の不純な欲望を!!」

双剣を構えたアージヴァイズ・レプシデシアは狂神キイを睨んでそう怒鳴った。

「ウベェェゲェェェェ」

狂神キイは双剣を構えたアージヴァイズ・レプシデシアを見てうずくまり、泣き叫んだ。

「お前に何が見えている・・・キイ」

エリー・白月は狂神キイを見てそう言った。


「・・・」


双剣を構えたアージヴァイズ・レプシデシアの瞳に青い炎が灯った。


「・・・」


エリー・白月が青い炎を纏ったアージヴァイズ・レプシデシアを見ていると、レプシデシアが黒色に染まり、主翼から青い炎を噴き出した。

「うぉわぁぁぁぁ!」

双剣を握り込み、掲げたアージヴァイズ・レプシデシアは青色の炎を纏い、燃え上がる音と共に叫び声を上げた。

「ウガッ!ウバッ!」

狂神キイは目を見開き、液体に変わり始めた。

液体に変わる狂神キイは突撃してくる双剣を握った青い炎を纏うアージヴァイズ・レプシデシアを見て目を見開いた。

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

双剣を握った青い炎を纏うアージヴァイズ・レプシデシアは叫びながらく狂神キイに突撃した。

「ッ・・・!!」

キイは静寂の中突撃してくる双剣を握った青い炎を纏うアージヴァイズ・レプシデシアを見て目を見開いた。

青い炎を纏うアージヴァイズ・レプシデシアが握った双剣はキイのコアに突き刺さり、そのまま垂直急降下した。

「・・・」

エリー・白月は青色の炎を見つめ、急降下する青色の炎を囲うように、円柱状に神気を張った。

神気の中で閃光が発生すると、途轍もなく大きな火柱が上がった。

神気の中で炎は消えたが、神気が解かれると共に強烈な熱で周りの木々が燃え始めた。

「・・・キイ・・・彼女もまた戦禍の被害者だ・・・故郷と愛する家族を魔弾ヘルザリオで焼かれ、魔素に苦しんだ・・・」

エリー・白月は燃える木々を見てそう言った。


神軍拠点艦に戻ったエリーは会議室のドアを開けた。

「・・・グラディス・・・陛下は?」

少し悲しそうなエリーは弁当を食べるグラディスを見てそう言った。

「世の主様と一緒だよ」

箸を握ったグラディスは咀嚼しながら言った。

「何か悲しいことでもあったか?ミスしたなら一緒に謝りに行ってやるよ」

箸を握ったグラディスは少し悲しそうなエリーを見て笑みながらそう言った。

「キイが死んだ」

エリーはグラディスを見て少し悲しそうに言った。

「なんだよ~確かに報告しずらいくらい小さな成果だが、確実な成果じゃないか」

机の上に箸を置いたグラディスはエリーを見て笑みながら言った。

「キイはあまりに可哀想で、惨めな子だった・・・最期まで戦禍に苦しんだ・・・」

「変なこと言うんだな。ダッハッハ」

グラディスはエリーを見て笑みながらそう言うと、笑った。

「変なこと・・・?」

エリーはグラディスを見て少し驚きながら言った。

「変だよ。だって、戦禍に苦しんでいるのはキイだけじゃないんだ」

グラディスはエリーを見て笑みながら言った。

「この地に住む五十九億七千八百二十一万六千二百十一人全員が戦争を経験している。キイは戦禍を広げたけど、戦禍を広げることなくただ耐えている人だって多い」

箸を握ったグラディスはそう言うと、弁当を食べ切った。

「ごちそうさまでした」

グラディスはそう言うと、机の上に空箱を置いた。

「・・・確かに・・・そうだけど・・・」

エリーはうつむきながらそう言った。


「・・・」


怒筋を浮かべたグラディスは拳を机に振り下ろし、机を叩き割った。


「・・・」


割れて壊れた机を見たエリーは冷や汗をかきながらグラディスを見た。

「お前は私に次ぐ力を持つ神軍幹部であるはずだ・・・そんな存在がなぜ戦禍を広げた者に特別な情を抱いている」

怒筋を浮かべたグラディスはエリーを睨んでそう言った。

「・・・申し訳ありません・・・」

エリーはグラディスを見てそう言った。

「お前はアーヴァン王国跡地で何に遭遇した。貴様もリアンロゼスティと同じように、奴に魂を売ったか」

「そんなことは決してありません!」

「なぜ我々神軍が追う存在に遭遇しておきながらなぜそれを一早く報告しなかった!!キイの死というどうでも良いことを一早く報告しやがって!!」

怒筋を浮かべたグラディスは目を見開き、箸を折った。

「・・・」

冷や汗を垂らすエリーはうつむいた。

「・・・陛下には奴との遭遇を報告しろ。失望させるな」

グラディスは転がった空の弁当箱を見てそう言うと、空の弁当箱を瞬時に燃やして消した。

「グラディス様!!」

慌てて走って来た茜眼、金髪サイドテール。青緑色が基調の戦闘服で身を包んだ稍褐色肌のアン・マクスウェル・アーニムはグラディスを見てそう言った。

「なに?」

グラディスはアンを見てそう言った。

「大陸南部カティルス小国で極限夜光(きょくげんやこう)と思われる現象が発生しました」

アンはグラディスを見てそう言った。

「そうか・・・」

グラディスは一言そう言って黙った。

「それと、ウェンディ学者様からの例の研究結果です」

SDカードを生成して持ったアンはグラディスにSDカードを渡した。

「以上です」

アンはSDカードをパソコンに挿すグラディスを見てそう言った。

「ご苦労様」

グラディスがそう言うと、アンは下がった。

「エリー。お前も下がれ。疲労がないなら世界二主神様に奴との遭遇を報告すると良い」

マウスを操作するグラディスはモニターを見てそう言った。

「御意・・・」

エリーはグラディスを見てそう言うと、下がった。

「・・・極限夜光と禍滅ノ烈光(かめつのれっこう)・・・ここまで酷似しているのか・・・」

グラディスは情報が映るモニターを見て呟いた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ