廃墟とお財布事情
ただのネタ話です。
ちゃんとした話を期待してた方、ごめんなさい。
リスと別れてからしばらくして、ゲインは人目を避けながらある場所へ向かっていた。そうというのも、ある重大な問題に突き当たったからである。それは―――
「お金が、ない…」
もともと持っていた自分の所持金は家に置いたまま。しかし、今ゲインが向かっているのは自宅ではない。
「くそっ、まさか俺の家にまで押しかけてきてやがったとは…」
思わず口が愚痴をつく。そう、既に自宅は確認済みだった。しかも、国のやつが勝手に入り込んでいた、という最悪の結果を入手してしまう始末。
そんな彼が今向かっているのは
「もしものためにって隠しておいて正解だったな…ありがとう、過去の俺」
廃墟である。
実は現王都の裏路地を抜けて少し行くと、旧王都の廃墟があるのだ。昔、勇者パーティにいる時に、偶然にして結構な金額を手に入れたことがあった。その時、
『あまり使い過ぎるのも良くないか』
と考えたゲインは、誰にも見つかる心配のなさそうなこの廃墟の一角に、その時入手した金額の半分弱を埋めていた。
当時は裏切られるなんて思いもしなかったが、ここにきてその行動が功を奏した形になった。
ただ、シャベルなんかは持ち合わせていないため、素手――ではなく、得意な魔法を使って掘り起こす。といっても、シャベルで地面を掘るイメージしか浮かばなかったために、魔力で複数のシャベルを作って同時操作することになったのだが。
ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ
「お、あったあった。とにかくこれで金銭問題は解決だな!」
誰も返事をするはずがないのになぜかつぶやくゲイン。近くにいた小鳥が
そんな彼に小さく鳴いて返事をした。
「………」
なんだか微妙な気分になったゲインが黙り込んでしまった。
その数分後、廃墟に「なにはともあれお金関係はもう安心だ」と気を取り直す一人の男の姿があったという。
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ゲインの所持金:45000G
ちょっと心許ないけどなんとかなる!byゲイン
•その後のゲイン•
「あっ!おいカラス!俺の金返せ〜!」
※その後、なんとか取り返しました。
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1G=1円ぐらいのイメージ
一時的には凌げるけど、今後を考えると心配もあるような金額。ゲインは将来、物乞いにでもなるんでしょうか。
ついでに評価をくれると嬉しいです。