リスの処刑
おまかせ……ではなくお待たせしました!
聖女。
それは本来、回復系統の魔法を得意とする。なぜそうなるかは不明で、者によっては他系統の魔法も使えたらしいが、昔から聖女は主に回復魔法を扱うことが多い。
それはリスもその例にもれない。リスの場合は回復魔法に加えて強化•補助の魔法が使えるが、いずれにせよ直接的に攻撃、反撃できる手段は持ち合わせていない。つまり、今のリスは…
(絶体絶命……ッ!)
「…邪魔な人間はちからずくで排除しようってワケね…!」
リスが冷や汗を流す。
明確に命を狙われたリスは、逃げることは出来ても撃退する事はできないのだ。ゲインは自分の味方であってくれた警備隊に一縷の望みを抱きながら視線を向けるが、警備隊は動いていない。いや、動けていなかった。警備隊の彼らの前に、沢山の兵士が立って道を塞いでいた。警備隊はなんとかリスのもとへ行こうともがいているようだが、生憎殆ど進めてはいなかった。
民衆はまだ困惑から立ち直れていないのか、妙に静かな空間となっている。
「ぐッ…!ぬぅッ…!ぁぁあああッ!」
ゲインはまだ拘束が解けていない。
しかし兵士は一歩ずつ、しかし確実にリスに近づいていく。しかし、リスは動かない。
剣を手にした兵士がリスの前に立った。
兵士が両手で掴んだ剣を高く振り上げる。
そして遂に――――
ビュンッ!
鋭い風切り音とともに処刑の刃が振り下ろされた。
首を切られたら痛みを感じる暇ってあるのかなぁ?




