悪の笑顔の意味
回想の話です。
いつもよりさらに短いですが、ホントに勘弁してください!
迫る特大の光。
触れた物全てを無に帰す奔流。
その時俺の認識では、全部がゆっくり動いて見えた。
とはいってもその分体が速く動く、というわけではなかった。
逃げる暇なんてない。
咄嗟にとった回避行動は、せいぜい傷を減らすことで精一杯だ。
俺の右足が消えた。
まだ痛みは襲ってこない。
もしかしたら痛みを感じるのを、頭が拒否しているのかもしれない。
そして、次にソレが襲いかかる標的は、魔王。
俺が回避したことで、ソレが見えるようになったのだろう。
驚きに目を見開いていたが、それはすぐに閉じられた。
魔王は、諦めたのだろうか。
あんなに、俺達人間に非道な事を繰り返していたというのに。
そんな奴が、本当に、そんなに簡単に諦めたりするものなのだろうか。
魔王の瞳が、思い出したように薄く開かれ、こちらを見た。
その行動の意味を、俺はその時理解できていなかった。
気にも留めないでいた。
なぜ。
なぜあの時魔王は。
あんなにも悲しげな顔で、僕に笑いかけていたのだろう。
そして俺の意識は、激痛に埋め尽くされていった。
魔王の意図とは一体…?
お楽しみいただけたら評価を頂戴したく存じますw
前向きに考えてもらえると嬉しいです。