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少しは上手く付き合える様に

作者: 朝焼 悠

少しずつ陽が短くなっていく季節の帰り道

見上げた西の空

藍と黒と白と水色が混じり合っている

少しだけ世界の終わりを感じさせる様な

夕暮れが浮かんでいた


しばらく立ち止まって魅入られた後で

我に返ってから一つ溜息を吐く

複雑に混じり合った空を見て

改めて難しいなと思い返す


本当は敵なんてそんな多くないんだよな

正確に言うと自分が思っているよりは、だけど

仮想敵は数え切れないくらい いるけれど

実際に誰彼構わず

争っている訳でも

それこそ敵対して憎み合っている訳でもないから


僕はあんまり人を信じる事が得意じゃなくて

だから誰からも信じてもらえなくて

もう傷付かないよう

もう傷付けられないよう

誰とも一定の距離を保ってきた

少なくても

味方や仲間と思ってしまわない様に

心許すなと

自分に言い聞かせ 注意してきた


でもさ

そんな簡単じゃないんだって

最近になってようやく気付いて


何か気に喰わないとか反りが合わないとか

こいつとは絶対に友達になれないってヤツだって

一つの固まりとして

何かに取り組んでいく時

背中を任せられる相手になる事もあるから


どう足掻いても

器用に生きられる気はしないなって

もう一度僕は振り返って

黒一色に染まりつつある空を見て

苦笑う


それでも目に映る全ての人が

敵じゃなくて

仮想敵に見える様になっただけ

僕対世界じゃなくなった分だけ

少しだけ 少しだけだけど

この負わされた傷とも

全ての元凶だと思ってきたこの傷とも

上手く付き合える様になってきたのかな

なんて思ったりもして

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