1.神天学院
人には誰だって、暗い部分がある。
どんなに明るい人間にも、どんなに成人君主のような人間にも。
犯罪者や裏の人間は、それが少し表に出ただけの正常な人間から派生した、いわば同種だ。
そして俺にも、そういう部分があったのだろう。
何が言いたいか、人間はきっかけさえあれば、自分の心にある暗い部分を見つけ、悪に染まることができる。
・・・そして悪に染まり自分の自由に生きることができる、それはすごく楽しい。
国立神天学院、そこはあらゆる分野の天才たちが集まる学校である。
この学園には一切権力が関与できず、入学できただけですでに将来の成功が約束されている。
そんな超エリート学校に通う俺浅野河零も自分で言うのもあれだが一種の天才だ。
俺は・・・
「よう零」
バンっと肩をたたき声をかけられた。
「おはよ雀羅、朝から元気だな。あと痛い。」
「零の鍛え方が足りないんだよ。」
「ボクシング最年少世界チャンピオンにそれを言われると説得力があるな。」
「だろ?」
こいつは浜野雀羅、圧倒的な動体視力と力で数々の相手をダウンさせてきたボクシングの天才だ。
ニカっと笑うその笑顔は純粋で自然と周囲に人を引き寄せる。俺の数少ない友人だ。
「今日から最高学年かー、楽しく学園生活を送れるのも今年で最後なんだよな。」
「ああ、なんだかんだ言って俺もそれなりに楽しかった。」
「それなしなのかー、相変わらず冷めてんなー。」
「・・お前が熱すぎるだけだ。」
俺は少し言葉に詰まりながら言った。
教室に着く、二年間、ずっと変わらなかった38人のクラスメイト、そのほとんどが登校し話に花を咲かせていた。
今日は始業式だ、話題には事欠かないのだろう。
何人かとあいさつを交わしながら窓際一番後ろの席に着く。
パソコンを開き、書きかけの小説の続きを書く。
「おはようございます、零様。紅茶です。」
いきなり隣に現れ紅茶を差し出してきたのは椎木美奈、メイドのスペシャリストだ。
俺の専属メイドでもある。
「ああ、そこに置いておいて。」
まぁそんな彼女にも欠点はあるが・・・
しかし俺には恵まれた才能、生まれ、友人。何気ない日常を送ることができている。
だが俺は心のどこかでもの足りなさを感じている。
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処女作なので至らぬところも多いと思いますが、率直なご感想をいただけたらと思います。
なるべく多くの方に読んでいただきたいので、よければ拡散よろしくお願いいたします。




