目覚め
〜1.目覚め〜
今日も仕事が終わり電車に乗って1時間強、最寄り駅に7時過ぎに着いた。
俺は駅前の商業ビルの一階にあるスーパーに入り、昨晩、携帯にメモしておいたお目当ての野菜と肉を次々とカゴに入れていく。
この時間は帰宅ラッシュに伴い、かなり人の多い時間帯だ。周りにいる他の客も俺と同じように忙しなく食料品を物色している。俺は隙間を縫うように移動し行列のできたレジの最後尾に並んだ。
この店は三ヶ月程前から入金のみセルフ式のレジが導入されたがそれがこの混雑を緩和してくれているのかは正直謎である。今日のレジ打ちスタッフは非常に優秀なようでテキパキとかなりのスピードで商品が山盛りに入ったカゴを捌いている。
この調子なら直ぐに家に帰れるだろうと予想し少し嬉しくなった。予想通り、いや、予想以上に早くレジに到着し、ササっとお金をレジに突っ込み、ビジネスバックから取り出したエコなバックに商品を入れ、俺は帰宅の途に就いた。とは言え、ここから歩いて15分。結構な距離だといつも思う。
広さを取るか、安さを取るか、通勤時間の短さを取るか、三つ巴の脳内戦争があった事だけ伝えておこう。
俺は家に着くと先ず米を炊き購入した玉ねぎや人参を鍋で炒め、水とルーを追加投入しカレーを作る。量は3日分、結果的に時間の節約になる事を知ってから結構ハマって作ってる料理の一つだ。もう得意料理と言っていいだろう笑。
ある程度、煮込んだら火を止めてスポーツウェアに着替えて家の前にある小さなジムに行く。同じ系列のジムならどこでも入り放題という触れ込みのジムだが通い始めてから他のジムに行ったためしがない。家に近いと言うだけで決めてしまった。結果的には家に近い以上の価値は無いがそれで良い。むしろそれが良い。お陰様で半年ぐらい続けられてるのだから。
腹筋こそ割れていないが、ぶよぶよだったお腹がかなりスッキリした。今はそのせいで少し皮が余って弛んでしまった事が悩みだったりする。かなり贅沢悩みかもしれないが悩みは悩みである。
俺は柔軟をした後、ランニングマシンに乗り器具を動かした。少しづつペースが上がり時速10キロまで上がる。そのまま15分、マシンの記録上9キロ走った。その後、バーベルベンチプレスやダンベルフライ等いくつかの種目で腕回りを鍛えてシャワーを浴びた。
汗を流した後、帰宅し録画しておいた異世界転生作品のなろう系アニメを見ながらカレーを食べた。
この文章を読んでいる貴兄らは多分、なろう系小説がどのような内容か分からないと思うので一応説明しておくと、「小説家になろう」と言うウェブサイトに投稿される主に別の世界に転生、もしくは転移してハーレムや逆ハーレムを作る過程を楽しむ小説コンテンツである。
人それぞれ解釈に多少の差異はあるかもしれない。
個人的にも上記の説明では大味だと承知しているが私には語彙力が足らないのでしょうがない。良ければ大目に見てほしい。
さて、アニメを見終わる頃にはもう11時過ぎ、そろそろ寝る支度をする。
洗面台で歯を磨き、そそくさと寝巻きに着替えて布団に入った。これで俺の今日はもう終わりだ。明日も仕事が沢山あると思うと眠れなくなったので、「小説家になろう」を閲覧し、満足してから電気を消した。