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92.レアからの忠告

※加筆修正を行いました。

「少しだけ、私の話を聞いてもらえるかしらぁ?」


 動く事も喋る事も出来ないソフィだが、すでにこの状況を楽しみ始めていた。


 『金色の目(ゴールド・アイ)』の体現条件は『魔王』の資質に目覚めている事。


 つまり彼の前にいるこの幼女は、彼がこの世界に来て何度も何度も探していた『同類』なのであった。


(ああ、構わぬ! 望むのであれば話し合いだけではなく、この場で殺し合っ……)


 そこまでソフィが考えると、幼女は首を横に振った。


「それはいーや! 貴方が本気になったら、()()()()()()()()()()()()()()?」


(クックック、謙遜するなよ魔王『レア』)


 ソフィが突然『念話(テレパシー)』で、幼女(レア)の名前を呼んだ事でレアは、少しだけ不愉快そうな顔を浮かべた。


「どうして私の名を……。ああ『漏出(サーチ)』か。もう勝手に覗くなんてえっちね?」


(クックック、お主も我の名前を知っておったではないか)


「まぁいいわぁ、貴方になら名前を呼ばれてもそこまで嫌じゃなかったし」


 ラルフがいつまでも立ち止まったままで、ついてこないソフィに気づき後ろを振り返る。


「あらぁ、あんまり時間がないみたいねぇ。もう用件だけ話すから、しっかり聞きなさい?」


 そう言うとレアと呼ばれた幼女は『金色の目(ゴールド・アイ)』をやめた。


 その瞬間にソフィは、自由に動けるようになるのであった。


「もうすぐこの大陸に『ヴェルマー』大陸の『魔族』が()()()()()()()()()()()魔王ソフィ。一応貴方の為に、警告だけはしておこうと思ってねぇ?」


 ラルフはとうとうソフィの目の前の幼女に異変を感じて『殺気』を幼女に向け始める。


「むぅ、大事な話をしている最中に……! それに人間風情に殺気を向けられるのは、()()()()()()()()()()()()?」


 ――ドクンッ。


 幼女の目が再度『金色の目(ゴールド・アイ)』に変わる。


 だが、幼女の『金色の目(ゴールド・アイ)』がラルフに届く前に、キィイインという甲高い音と共に、レアと同じ金色に輝く『魔瞳(まどう)』になっているソフィに『相殺』される。


「クックック『魔王』レアよ、あやつは我の配下なのだ。手を出すのはやめてもらおうか?」


 もしソフィが相殺しなければ、ラルフは即座にこの世から去っていた事だろう。


 『紅い目(スカーレット・アイ)』とは比べ物にならない魔瞳『金色の目(ゴールド・アイ)』は、対象者が『上位魔族』であろうと簡単に息の根を止める事が出来る程である。


「そうなのねぇ? 気を付けるわぁ。私は魔族程度に嫌われるのは、なんとも思わないけどぉ、化け物(ソフィ)に嫌われるのは泣きたくなるほど嫌だからねぇ」


 そう言いながらくすくすと笑うレアだったが、最後にソフィに可愛らしいウィンクをするのであった。


「じゃ、警告はしたからねぇ? 魔国の王(紛い物)なんかに殺されたら、次元を越えてでも貴方を殺しちゃうから気を付けてね」


 本心では魔王レアも同じ魔王領域を到達しているソフィが『()()()()()()()にやられるとは思ってはいないのだが、最後まで冗談めいた事を告げるのであった。


「じゃあねぇ、ばいばぁい!」


 可愛く首を傾げながら手をふったと思うと、最初からその場に居なかったかのように『魔王』レアは消えていた。


「ソフィ様! 今のはまさか、魔族ですか?」


 既に自分を遥かに上回る力を感じ取ったのだろう。


 ラルフは悔しそうな顔をしながらそう言った。


「うむ。確かに『魔族』で間違いはないのだが、あれは単なる魔族ではなく『魔王』だな」


「!?」


 ラルフは息を呑んでソフィの顔を見る。


 ――この世界では、()()()()()はお伽話にしか出てこない。


 かつてこの世界の全ての大陸を束ねたとされる『魔族』が居た。


 圧倒的な強さを誇ったその『魔族』は『ヴェルマー大陸に存在する全ての国を支配した後、別大陸からヴェルマー大陸へと攻め込んできた『魔人族』や『精霊族』、更には世界の調停を行うといわれる『()()』をも打ち滅ぼして後継者を残した後、()()()()()()()()()()()()()


 その魔族は自分の事を『魔王』と呼んでおり、また他の者達にも呼ぶように強要していたという。


 この『魔王』こそが『リラリオ』原初の魔王であったといわれている。


 ――そしてその魔王の名は『()()』と()()()()()()()()()()()


 ……

 ……

 ……

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