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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
旅籠編

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937.怪しげな視線

※加筆修正を行いました。

「失礼するぞ」


 ヌー達が話をしていると、明らかに客ではない恰好をした男が店の中に入ってきた。ヌーとエイジは直ぐに店の入り口の方に視線を送り、その男を睨みつけていたが、その後に続いて入ってきたソフィ達を見て思わず立ち上がるのだった。


「ソフィ殿!」


「テア!」


 エイジとヌーは同時に声を出すが、その声を掛けた相手は互いに違っていた。声を掛けられたソフィ達は直ぐに先頭に居た男に何やら自分達の連れだと説明を行っていた。


「むっ、彼らがお主達の仲間とやらか」


 コウゾウはそう言うとずかずかと店の中に踏み込んでいき、ヌー達の元へと向かう。


「お前達。楽しく呑んでいるところすまないが話を色々と聞かせてもらいたい。俺達と同行を願う」


「ああ……?」


 感傷的な気分で呑んでいた所に突然入ってきてついて来いと言われたヌーは、不機嫌そうな声をあげた。


「宿で人攫いのような者達が踏み込んできてな、この()()()()()()()()()()()()()()()()撃退したのだが、そこへこの警備隊のコウゾウ殿が騒ぎを聞きつけて我達の元へ来たというところだ。ひとまず話を聞きたいらしいから、お主達もついてきてくれぬか?」


 このままでは再びヌーとコウゾウが揉めると判断したソフィは、事細やかに起こった事の説明をして事情をヌー達に伝えるのであった。


「何だと? 誰がテアに手を出しやがった……」


 ソフィの言葉を聞いたヌーは、聞く者をぞっとさせるような低い声を出した後、ゆっくりと立ち上がって店の入り口の方に視線を向ける。


 どうやら機嫌の悪そうだったヌーは、輪をかけて機嫌を悪くしていて、今からそのテアに手を出した襲撃者に芽生えた殺意をぶつけにいこうとする様子だった。


「落ち着けヌー殿。コウゾウ殿といったか? 警備隊というのは、この町の()()()で間違ってはおらぬか?」


 コウゾウは成り行きを見守っていたが、そこでエイジに話かけられた事で頷く。


「そうだ。俺達はこの旅籠の護衛隊だ。本部がある『サカダイ』から派遣されてきた」


 その言葉を聞いたエイジは直ぐに頷いて、再びヌーとソフィに視線を向けた。


「よし、分かった。お主について行こう。ソフィ殿、ヌー殿、悪いがここは黙ってコウゾウ殿に従うのだ」


 エイジは立ち上がると軽くヌーの肩に手を置いて『ここは逆らわずに言う通りにしよう』といったニュアンスで顔を向けてくる。


「ちっ……、わぁったよ」


 先程までエイジと呑んでいた事で、何やら少しは気を許したのか、ヌーは素直にエイジの言葉に従うのだった。


 ソフィはそれを見て感心したような目をヌーに向けて笑う。先程のヌーの機嫌の悪さであれば、少し前までなら店の中で暴れていてもおかしくはなかった。


 しかし素直にエイジに従ったことでソフィは、ヌーが少しずつではあるが、丸くなって協調性を見せ始めた為に嬉しそうに笑うのだった。


「大丈夫だったかよ」


「――!」(当たり前だろ? 私はあんな奴に負ける程弱くない!)


「ふっ……、そうだったな」


 喧嘩していたテアと言葉を交わしたヌーだったが、エイジはいつも通りのやり取りをしている様子を見て、安心したように頷く。


「どうやら話は纏まったようだな。呑んでるところすまなかった、ここの代金も俺が支払っておく」


 そう言ってコウゾウが店員の方に視線を向けると、何故かコウゾウを睨むように見ていた店員は、慌ててその視線を逸らした。


「ん? まぁいいか、ここに置いておくぞ」


 コウゾウは自分の方を睨むように見ていた店員の視線に気づいたが、今はそれどころじゃないと判断して、ヌー達の酒の代金を席に置いてそのままソフィ達に頷きを見せた後、店の入り口へ向けて歩いて行く。


「毎度……」


 店員の声を聴きながら一行は、店の外へ出るのであった。

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