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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
ケイノト編

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866.密談

※加筆修正を行いました。

 エイジの家に泊まらせてもらう事になったソフィ達は、外が徐々に騒がしくなっていく様子に耳を傾ける。どうやら『退魔組』の討伐隊の編成と準備を終えて、これから本格的に『加護の森』に現れた二人組を探しに行くのだろう。


 その二人組が現在、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


 ヌーは内心では『スー』という髪をオールバックにした男に、二人組の正体が自分達だという事を悟られていると疑っていた。


 だが、こうして夜まで待っても自分達の元へ来る様子が無いのを知り、その懸念は拭い去ってもいいだろうと判断し始めていた。


(この町の連中の事はもう大丈夫そうだが、ここから北にある里の長の『ゲンロク』とかいう人間は、どうやら一筋縄ではいかなそうだな)


特別退魔士(とくたいま)』と呼ばれていた『タクシン』よりも、『妖魔召士(ようましょうし)』という者達は強い力を持っているらしい。あの人間も戦い方はお粗末だったが、決して弱いワケではなかった。


 タクシンと十回やっても十回とも勝てるだろうという話に嘘はないが、もしあの環境でも戦える手段を身につけられていたのならば、勝率は七割から八割と言ったところであろうか。


 ヌーがゲンロクの元へ向かいたいと思ったのには理由があった。当然、ソフィの配下であるエヴィを見つけるという理由が第一だが、戦った『タクシン』と『ゲンロク』という『妖魔召士(ようましょうし)』にどれ程の差があるのか、それをヌーは自分の目で見極めたいと思ったのである。


 この『ノックス』という世界は、別世界ではあまり類を見ない『人間』が強い力を持つ世界である。ソフィでは無いが『人間』の可能性を見極めるには、この世界は正にうってつけの環境だろう。横で既に用意された布団で寝ているテアの寝顔を見ながら『胡坐(あぐら)』をかきながら腕を組んで物思いに耽るヌーであった。


 ……

 ……

 ……


 エイジの長屋の屋根の上より少しだけ高い空の上、ソフィは表通りの様子を窺っていた。狩衣を着ている者や腰鞘に刀を差している者。どうやら『退魔組』の退魔士や『退魔組』の護衛剣士など、大勢の人間が外の門へと向かっていくのが見えた。


 前を歩いている者達は隊列などもなくバラバラに歩いているが、後ろに居る者達はまるで軍列を歩む者達のようにキッチリと並ばれている。ぱっと見だが総勢で二十人程居るだろうか。この人数が『退魔組衆』の全員ではないのだろうが、最初に『加護の森』で囲んできた連中の人数よりは相当に多い。


 ふと、最後尾付近に視線を送ると『イバキ』や『スー』の顔が見えた。


 どうやら彼らも『加護の森』に向かう討伐隊のようである。ソフィは夜の空に魔力や気配を消して浮かんでいる為、イバキ達がこちらに気づく様子は見られなかった。


「駄目だな。あれは『漏出(サーチ)』を使えば直ぐに気づかれそうだ」


 今はこちらの気配には気づいてはいないが『イバキ』達の周囲には魔力が可視化出来る程に纏われている。魔族や龍族が纏う『オーラ』とは違うようだが、人間達が纏っているあの魔力は、何やら簡易な結界を自身の周囲に施しているような、そんな印象に近いものをソフィには感じられた。


 今この場所から『漏出(サーチ)』や『魔力感知』などを使えば『イバキ』達にソフィの魔力に気づかれるだろう。


 ソフィはイバキ達から視線を外して、とある男を探し始める。その男とはエイジ達が言うには『退魔組』の現場を預かる監督役で、頭領と呼ばれている『サテツ』という『妖魔召士(ようましょうし)』であった。


「まぁ、現場の監督とはいっても、本部を預かる人間が直接向かう事はないか」


 目的の人物を探す事が出来なかったソフィは、列をなして門の外へ向かっていく『退魔組衆』を見送るのだった。


 そして目的の人物を見つけられなかったソフィは長屋に戻ろうとしたが、そこでエイジとシュウが、向かいの長屋の路地の隅で何やら話をしているところを見かけるのだった。


「もう少し近づいてみるか」


 ソフィは空の上をゆっくりと移動をして、声が聞こえるくらいまで近づいていくのだった。


 ……

 ……

 ……

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