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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
ケイノト編

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870/2241

855.最上位の脅威度

※加筆修正を行いました。

「か、勘違いはしないで下さい! 何も俺達まで禁術を使う事を良しとしているわけではない! あくまで俺達は悪しき妖魔たちから人間達を救いたい、その一点のみを追求している退魔士だ!!」


 イバキの思いが込められた言葉を聞いて、エイジはようやく落ち着きを取り戻した。放っていた殺気が無くなりようやくイバキ達は長い溜息を吐き出した。


「そうか。殺気を向けたのは悪かったが、小生の言いたい事も少しは理解してもらいたい」


「ええ、分かっていますよ。ですが優先される事は妖魔より人間達でしょう?」


 イバキの言葉を聞いたエイジは、確かにその通りだと自分が『妖魔召士』になった時の気持ちを思い出す。一番大事にしなければならないのは『()()()()()()()()たちから町の皆を……。そう人間達を守る事である。


「その通りだ」


 魔力を完全に消してイバキの話に耳を傾け始めるエイジを見て、イバキとスーの両者もようやく一息つくのだった。


 ……

 ……

 ……


 ソフィ達は長屋の中からこっそりと気配を消しながら、外の様子を見に出てきていた。エイジが殺気を放ち始めた瞬間に、長屋の隠し部屋から慌てて出てきたのであった。


「どうやら本当に『()()()()』の()()()()()()()()が、この世界に居るかもしれないという話に現実味が帯びてきたな」


 ソフィが小声でそう言うと、ヌーは忌々しそうにエイジを睨みつける。


「おいソフィ『天衣無縫(エヴィ)』の野郎を探す事は大事だが、アイツがこの世界でどれくらいの立ち位置なのか、それをまず確認するところから始めるぞ」


「うむ」


 真剣な表情でそう告げるヌーは、どうやらエイジが迸らせていた魔力だけではなく、そのエイジから溢れ出ていた殺気を傍から見ていても看過出来ないレベルだったようである。


 加護の森で戦った『特別退魔士(とくたいま)』のタクシンでさえ、面倒な相手だとヌーは感じていた。


 しかしタクシンの場合は戦力値はほぼ互角ではあったが、ヌーから見ればまだまだ戦い方がヒヨっ子と呼べるものであり、そこまで驚異は感じなかった。十回戦っても十回とも負ける気がしない程の相手だったといえる。彼とヌーの間ではそれだけ戦闘経験の差があったワケである。


 だが、目の前のエイジはそんなタクシンとは比にはならない。まだ直接手を合わせて戦ったワケではない為、どっちが勝つか負けるかなどは予想も出来ないが、単純な魔力値、一瞬で相手を動けなくさせるだけの殺意。何よりヌーの目から見ても『エイジ』は敵に回したくないようだった。


 もし『妖魔召士(ようましょうし)』とやらが全員目の前のエイジより上の力量を持つとするならば、こんな世界にはもう居ることは出来ない。横に居る()()()()()()ソフィという存在が居なければ、アレルバレルの世界よりも危険度は上かもしれない。


 確実にこれまで渡り歩いてきた数多の世界で、最上位に来る程の()()()であった。


 ……

 ……

 ……


「エイジさん。話を続けさせてもらってもいいですか?」


 どうやらようやくまともに話し合えると判断したのか、イバキは前に居るスーの元まで歩いていくとそこで立ち止まって前に居るエイジにそう告げた。


「それは構わない。だが今家の中には大事な事な客人が居るのだ。話ならここで聞こう」


 エイジがそう言うとイバキとスーは顔を見合わせる。今のエイジの様子を省みるに、下手に逆らう事はいい結果を生むことは無いと判断するのだった。


「分かりました。もちろん人除けはしますが、重要な事も話しますので心して聞いて下さいね」


「承知した」


 エイジが頷くと同時『イバキ』は、何やら詠唱をはじめて周辺に人除けの結界を張り始める。


 どうやらこの『結界』はエイジや加護の森で張られた結界とは違い、単なる人除けの結界の類であるようだ。


 それはかつて『リラリオ』の世界で同じ人間であるラルフが使っていたものと同じく、汎用的な結界のようであった。


 ……

 ……

 ……

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