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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
封印式神編

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787.地下にある特別牢

※加筆修正を行いました。

 フルーフはレアが寝たのを確認し、寝顔を見ながら優しく頷く。


「さて、ソフィを迎えに行く前にこちらも終わらせるとするか」


 そう言ってフルーフは自室の扉を後ろ手に締めて部屋を出ていく。今から大魔王フルーフの向かう目的の場所は『()()()()()()()()()()』。


 ……

 ……

 ……


 部屋から出て行ったのを片目を開けて確認したレアは、静かに寝かされていたベッドから体を起こして思案顔を浮かべる。


(私が下手について行って、邪魔をするのは良くないわよねぇ)


 明日にはフルーフはソフィを連れて別世界へ向かう事になる。あのヌーという魔族と父が話をするには今しかない。その場に自分が行く事は邪魔でしかないと、レアは考えて尾行する事は諦めるが、しかし過去に唐突にヌー達の手によって、離れ離れになってしまった事が頭を過り、少しだけ不安に駆られるレアであった。


(だ、大丈夫……。ここはソフィ様の魔王城だし、何かあってもリーシャやエイネ達も居る!)


 レアは頼りになる九大魔王達、リーシャ達の存在を考えて強引に逸る気持ちを落ち着かせるのであった。


 ……

 ……

 ……


 ソフィの魔王城の中を『隠幕(ハイド・カーテン)』を使って歩いていく大魔王フルーフ。


 別に魔法を使って姿を隠して会いに行かなくとも問題は無いのだが、ソフィに地下牢へは近づくなと言われていた手前、出来るだけソフィの配下達に見つからずに事を済ませようと考えたフルーフだった。


 目的はあくまで()()()()()()である。本当であればこれまでの報いとして、ヌーを殺してしまいたいところではある。しかし先程レアが自分に会いに部屋に来た事で彼は少しだけ考えが変わったのであった。


(今後のレアの事を考えるならば、安易に殺すのではなく、()()()()()()


 フルーフは思案を続けながら『隠幕(ハイド・カーテン)』で、姿を稀薄にしながら廊下を歩いていくのだった。


 ……

 ……

 ……


 魔王城の地下に辿り着いたフルーフは牢がある場所へと向かう。


 ソフィの魔王城にある地下牢は二種類あり、普段使われている牢屋は数人が入れる程の大きさの牢屋が複数と並び、廊下を挟んで向かい合わせになっている。


 基本的には捕らえられた魔族はこちらの牢屋が使われる事となるのだが、この牢屋には今誰も入ってはいない。既に前回誰も居ない事は確認している為、フルーフはその牢を無視して歩き続ける。


 やがてその並んでる地下牢の最奥に辿り着くと一つの()が見えた。そこまで辿り着いたフルーフは『隠幕(ハイド・カーテン)』を解くのだった。


 ――ここから先はブラストの『結界』が張られていて、魔法を使っていると術者に感知される為である。


隠幕(ハイド・カーテン)』を解いたフルーフは、扉に手をやるとそのまま開け放った。


 その扉から一歩中へ足を踏み入れると、フルーフは結界の感覚を味わう。中は『特別牢』に直接つながっているのではなく、所謂看守室になっている。


 ここには魔王城の『()()()』を守る魔族達が中を見張る為、数体程ソフィの配下の魔族が詰めているのである。そしてここに居る魔族達は、それぞれが『大魔王中位』領域クラスの魔族である。


 扉が開かれたことで、中に居た魔族達は一斉に入り口を見るが、フルーフだと分かった事で少しだけ警戒を解く。


 しかしそれでも()()()()()()()()()訓練されている彼らは、無防備になったという意味ではない。


「これはこれはフルーフ様、このような場所に何か御用ですかな?」


 そして『淡く青いオーラ』と『()()()()()』の『二色』を纏ったまま、一番近くに居た魔族が声を掛けてきた。


 フルーフはニヤリと笑いかけると、その魔族に魔瞳の『金色の目(ゴールド・アイ)』を使う。次の瞬間には話しかけてきたソフィの配下の魔族は目が虚ろになって棒立ちとなった。


「ソフィ様がご一緒で無ければ『()()()』への入室は、フルーフ様でもご遠慮願います」


 棒立ちとなった魔族の代わりに一体の魔族がそう告げると、奥から次々とソフィの配下達が近づいてくる。


「何、気にするな、お前達は普段通りにしているがよい」


 そう言って再びフルーフの目が『金色』になるとその場に居た者達は全員フルーフの命令に従い、普段通りの仕事に戻っていく。


 この部屋からは『魔』の力を使うと、ブラスト達に侵入した事がバレる為『魔瞳(まどう)』を使って、この場を制圧したフルーフであった。


「お前達、すまぬな……。少しワシはヌーと話があるのだ」


 フルーフはそう言ってゆっくりとした足取りで『特別牢』がある方の扉に向かう。


 そして扉を開けようとするが、どうやらこちらの扉には鍵がかかっているようで、開く事が出来なかった。


「流石にこちら側には鍵を掛けているか」


 強引に力を使えば結界が作用して術者にバレる為、魔法も使えず仕方なくフルーフは、再び先程の場所まで戻って操った魔族達に再び『金色の目(ゴールド・アイ)』を施して命令して鍵を開けさせるのだった。


 この場に居る『特別牢』を守る魔族達全員が、戦力値が300億を越えるが『()()()()()()()()に居るフルーフが『金色の目(ゴールド・アイ)』を使えば、あっさりと従わせる事が出来るのだった。


「では少し借りる」


 入り口付近に棒立ちとなっていた魔族から鍵を拝借して、再び侵入者が来たら対応するようにと命令をし、再び奥側の扉に向かっていく。


「さて、ここからだな」


 看守室の奥の扉の鍵を解錠すると、そのまま『特別牢』へと入っていく大魔王フルーフであった。

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