表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
消えた龍王編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

724/2242

711.エイネの選眼

※加筆修正を行いました。

 ガウル龍王は最初の攻撃を避けられて、逆にカウンターを貰った後も目の前の魔族が到底自分より強いとは思えずに何度も攻撃を仕掛けるのだった。


 しかしそのたびにガウルの攻撃はミデェールに躱され続ける上に、ミデェールから攻撃を受け続けるのだった。


 魔族のミデェールの攻撃自体は大した攻撃力を伴っていない為、一方的に殴られはするモノの『ガウル』には大したダメージは通っていない。


 だがガウルにとってはこうも攻撃を見切られ続けるとなると、相当な精神的ダメージを受ける事になるのだった。


(何故当たらない!? 相手の避けるモーションが全く見えぬ!)


 これまでのガウルの戦闘経験を含めても、先のヴァルーザ戦以外でここまで苦戦を強いた経験はない。これまで築き上げてきたガウル龍王の培ってきた戦闘予測も経験則も全く意味を為さないのである。


 ――これは一つの恐怖であった。


 これが歴戦の魔族が蔓延る『アレルバレル』の世界や『レパート』の世界であれば『()()』という存在を知るモノは、体現者の特異なのだと気づけるだろうが『アサ』の世界では、()()()()()()()()()()など、

 歴史上に一人も存在していなかった。


 つまりこの世界の頂点に立つ程の力を持つ龍族達であっても『特異』というモノの存在を知らない為、何故戦力差がある筈の相手にここまで見切られているのか全く理解が及ぶ筈もなく、ガウルは猜疑心に捕われながらミデェールを攻撃し続けるのだった。


 結局何度攻撃してもミデェールには攻撃を当てる事は叶わず、ガウル龍王は得体のしれない妙な生き物を見る目で、ミデェールを見るのであった。


 ……

 ……

 ……


 ヴァルーザとエイネはイルベキアの上空から、ガウル龍王とミデェールの戦う姿を見ていた。


 拠点からエイネが『漏出(サーチ)』を使って『ガウル』龍王がイルベキアに居る事を探知した後、真っすぐにイルベキアに向かった為、ミデェールがガウルに声を掛ける頃には、イルベキアに到着していたのである。


 上空で人型のガウルを見かけた時、エイネ達は直ぐにミデェールの元へ駆け寄ろうとしたが、ミデェールが()()()()()()を発動したと同時に、特異が発動されて、ガウル龍王の初撃を避けたのを目撃したエイネは、目を丸くした後に慌てて人型のヴァルーザの肩を掴んで強引に立ち止まらせた。


 直ぐに助けに行かなくては若い魔族の命が、ガウルに奪われてしまうとばかりに、ヴァルーザはエイネを振り切ろうとするが、エイネの手の力が恐ろしいまでに強く振り払えない。


 ヴァルーザはエイネに非難の目を向けて、何をしているのだと口を開こうとするが、エイネは何かに取り憑かれたかのような目でヴァルーザを睨むと、声を出すなと()()()()()()


 エイネのその目を見たヴァルーザは、全身が震えあがったかと思うと、言葉を発せなくなった。


 そして余計な事を口にしようとしていたヴァルーザが、大人しくなったのを確認した後、再びエイネの視線は特異を用いてガウル龍王の攻撃を避け続ける『ミデェール』に移るのだった。


(彼が使っているあれは、バルド長老が使っていた『特異』と呼ばれる能力に酷似している)


 エイネは()()()では無い為、実際に特異というモノが如何なるものかという事をよくは知らない。


 過去に一緒の集落で過ごしていたバルドが、数回だけエイネに見せた事のある力。


 その相手を縛りつけるという恐ろしい、特異という能力を発動させている時の光と、今ミデェールの金色のオーラを纏っている時の彼の周囲に時折瞬くような光が、全く同じ輝きの光だったのである。


 エイネは直ぐにこの光が、特異によるモノであると気づいたのであった。


 そしてヴァルーザは龍王であるガウルと、殺し合いを繰り広げた事もあり、ガウル龍王という龍族の力がどれ程強いかを知っている。


 そんな彼は魔族の若い青年がガウル龍王に直ぐに、殺されてしまうと思っていたが、なんとそのガウルの攻撃を避けただけでは無く、カウンターで拳を合わせて吹っ飛ばしたのを見た。


 一体何が起きたのかとヴァルーザはあの若い青年を目を凝らしてみるが、その目にはやはりガウル龍王と同じく、特別強いようにも見えず、ただの魔族にしか映らなかった。


 だが、この場に居るエイネという恐ろしい魔族が大事な同胞である彼を前にして、助けに行こうとしないところを見るに、あの若い魔族に何か秘密のようなモノが隠されているのだろう。


 そうでなければ魔族の同胞を救うために龍族全てに対して、敵対の意思を示したこの魔族が、ガウル龍王という恐ろしい力を持つ龍族と相対している彼をこの場で助けに行かない理由がないからである。


 ……

 ……

 ……

『ブックマークの登録』や『いいね』また、ページの一番下から『評価点』を付けていただけると作者のモチベーションが上がります。宜しければお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ