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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
アサの世界の戦争編

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721/2242

708.会議の後で

※加筆修正を行いました。

 ――そして会議が終わった。


 当初の予定ではスベイキアのヴァルーザ龍王をこの大陸の王へとするつもりだったが、話し合いの結果。スベイキア国のシェイザー王子が、イーサ龍王の後を継ぐ事となった。


 決まった背景にはネスコー元帥の必死の後押しと、ヴァルーザ龍王が()()()()になる事を辞退した為だった。


 その代わりにエイネの要望通り、この世界の魔族達をこの大陸の全ての国々で協力し合い、全面的に保護するという約束を取り付けた。


 シェイザーはエイネに怯えながらもその決定には不満そうな表情を浮かべていたが、ネスコー元帥が何度もシェイザーに言って聞かせた事で、最終的にはシェイザーの首は縦に振る事となり、約束を取り付けたのだった。


 不満そうな表情のシェイザーの首を縦に振らせた理由の一つに、エイネが何度もシェイザーを睨みつけたり、舌打ちをしたりして、圧力をかけた事も大きかっただろう。


 普段はソフィのように温厚な表情でニコニコしている彼女だが、納得のいかない事があれば『女帝』の顔が時折姿を見せるのである。


 会議中のエイネには、その女帝の表情がずっと見え隠れしていた為、プライドが高いシェイザーにとっては、この会議の最中はずっと屈辱的な所を曝け出されてしまい、非常に辛く苦痛の時間だったであろう。


 因みにこのエイネの女帝の片鱗は、すでに数千年前から見え隠れしていた。


 リーシャは幼少の頃からエイネに修行をつけてもらっていたが、修行時にはエイネに今のシェイザーのように圧を掛けられて育ってきた為『九大魔王』となった今でも、リーシャはエイネには頭が上がらない。


(※リーシャの中では『アレルバレル』の世界で猛者揃いの『九大魔王』達の中で、小さい時から一緒の集落で育ったエイネが、()()()()()()と思っている)。


 魔族の保護の約束を取り付けた後は、エイネはもう会議で話す事の大半は終えたと考えていたが、ネスコー元帥から発せられた『ハイウルキア』の『ガウル』龍王の話を聞いた時、エイネは少し嫌な予感を覚えた。


 どうやらシェイザー達は、このガウル龍王とかいう奴に唆されてイルベキアを襲撃したらしい。


 ネスコー元帥が言うには、ヴァルーザ龍王が国家転覆を狙っていて、イーサ龍王を謀る為に魔人達と戦争を仕掛けさせた挙句、弱ったところをイルベキア全軍でスベイキアを襲ってこの大陸の王になり替わろうとしていると言われたらしい。


 エイネはこんな荒唐無稽な話を信じたのかとネスコー元帥とシェイザー王子の頭を心底疑ったが、それを口に出せばまた王子が、へそを曲げるだろうと察して口に出す事は差し控えた。


「当然ガウルとかいう奴や、ハイウルキアの幹部達は、()()()にしたんでしょうね?」


 エイネの言葉に答えたのはネスコー元帥ではなく、ヴァルーザ龍王だった。


 エイネが来る直前に戦っていた相手が、ガウル龍王達だったようだ。どうやら隣に居るヴァルーザ龍王が、ハイウルキアの者達とガウルを倒したらしいが、ガウルが絶命したかどうかの確認までは出来てはいなかったらしい。エイネが嫌な予感を覚えたのはそれが原因だった。


 もしガウル龍王とやらが生きていたとして、スベイキアの王子を唆して同盟国達を襲撃に参加させた挙句に失敗した以上、今後は大人しくせざるを得ないだろうが、やぶれかぶれにヴァルーザ龍王や、私という魔族に恨みを持ち、私ではない()()()()()()()()を襲ったとしたら危険である。


 確率としてはかなり低いだろうが、逆恨みをする者というのは必ず存在する以上、絶対に安全だとは言いづらい。


 ましてやエイネは()()()()()()()()()()()()()()()()。フルーフがこの世界に彼女を迎えに来た後は、私はこの世界を去ってしまう。


 もしガウル龍王がその事を知ってしまい、この世界にエイネという存在が居なくなった後、蛮勇を振るって事を起こすような事がないとも限らない。


 日頃から騙し合いや裏切りなどが日常であった『アレルバレル』の世界の『魔界』を生き抜いてきたエイネは、今回のガウル龍王という者がどのような存在か、ネスコーやヴァルーザから聞かされた事で十中八九、自分が居なくなった後に何かを企んでくるだろうと考えるのだった。


 エイネは戻る前にもう一つやる事が増えた。懸念をなくすにはその原因となる因子を取り除く事が大事なのである。


 そして会議が終わった後に『エイネ』は、ヴァルーザ達にイルベキア王城に誘われた。自分一人であれば断っていただろうが、この場に居るミデェールや待機して待っている魔族達も居る為に、その厚意に甘える事にするのだった。


 ……

 ……

 ……

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