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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
アサの世界の戦争編

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708/2242

695.戦争の気配

※加筆修正を行いました。

 その頃カストロL・K地域からエイネと魔族達は、イルベキアを目指して海の上を飛んでいた。


 名目上は魔人族と龍族の戦争中である為、魔族を引き連れているエイネは尖兵として龍族達の大陸へ向かっていた。


 しかしすでにエアル王には話をつけてあり、今向かっているイルベキアのヴァルーザ龍王に、()()()()()になる事を了承してもらい、直接エアルと会ってもらって戦争の終結を認めさせる。


 その後は龍族達の王となったヴァルーザに、龍族達の大陸全土にある国々に魔族を攻撃する事を禁じてもらい、イルベキア国で魔族達を保護してもらう。


 一応はこれでこの世界の魔族達の身の安全の保障は、確保出来るだろう。


 エイネはひとまずキッカケを与える事まではやり遂げた。


 この世界の後の事は、この世界に生きる魔族達や、ミデェール達の手にかかっているだろうが、魔人達に隷属している少し前の状態よりは幾分かは楽になる事だろう。


 後はもう『(レア)』と合流を果たしたであろう、フルーフからの『念話(テレパシー)』を待つだけである。


「ん?」


 しかしそこでエイネは龍族達の大陸で、一箇所に多くの魔力が集まっている事を感じ取った。


 そして集まっている魔力の中で小さくなっていく者達が、大勢いる事を感知した。この不自然に一斉に魔力が減っていく事には、イヤという程覚えがある。


 ―――()()()()()


(この多くの魔力が集まっている地点は、ヴァルーザ龍王が自身の領土と呼んでいた。これはマズイわね)


 万事全てが上手く行くとまでは考えてはいなかったエイネだが、まさかこんなに早く戦争になるとまでは思っていなかった。


 せめて自分がイルベキアに辿り着いていれば、ヴァルーザ龍王を守る事は問題がなかったであろう。


 しかしこんなに早く戦争になれば、少々話が変わって来る。ヴァルーザ龍王が戦死する事になれば、全てが水の泡になるのだ。


 エイネは背後を振り返る。後ろを飛んでいるのはミデェールを含めた『上位魔族』の者達である。仕方の無い事だが、エイネが『高速転移』を使って移動をすれば、彼らはついてこれずに置き去りになってしまうだろう。


 しかしこのままのペースでゆっくりと移動を続けていれば、龍族達の大陸に着く頃には戦争は終わってしまっているだろう。仕方なくエイネは自分の後ろを飛んでいる『ミデェール』に話しかける。


「ミデェール。落ち着いて聞きなさい」


 ミデェールはエイネに話しかけられたことが嬉しかったようで、笑顔を見せながら首を傾げる。

 何処か可愛いなと思うエイネだったが、今そんな事を考えてる場合では無いと頭を切り替えて口を開いた。


「どうやら龍族達は、龍族同士で戦争をしているようなの。貴方たちを預けようとしていた国が、滅ぼされかけている」


「な、なんですって……!」


 そこでミデェールは龍族達の大陸の方角を見る。しかしそこで、エイネは大きな声をあげた。


「ミデェール! 魔力を探知するのはやめなさい!」


「えっ! は、はい!!」


 いきなりのエイネの大声にびくりと身体を震わせながら、慌てて視線をエイネに戻す。


 イルベキア軍や多くの龍族達は、ミデェールが魔力を探知しても問題はないだろうが、()()()()()()()()()()()()()が、少しだけ紛れ込んでいるのをエイネは気づいていたのである。


 今のミデェールは、金色を纏ってはいないし、そもそも纏っていたとしても、あの『龍種(コープパルスドラゴン)』の魔力を感じるのは危険である。


 あまりに戦力値や魔力値が違いすぎる者を強引に探知する事で脳が焼き付き、絶命する危険性があるのである。


「貴方『念話(テレパシー)』は使えるかしら?」


「テレ……、パシー……?」


 どうやらミデェールは『念話(テレパシー)』を使えないようである。


「ミデェール。悪いのだけど、貴方に後ろの彼らを任せてもいいかしら?」


「ええ、それはいいのですが……。俺は龍族の大陸なんてわからないですよ?」


 龍族の魔力を探知しながらならば辿り着く事は可能だろうが、それは先程エイネに咎められた為に、それは出来ない。


「大丈夫よ。このままの方角を維持して真っすぐ飛んで行けば、イルベキアの領土にそのまま辿り着けるし、貴方が大陸に近づけば、私が迎えに行けるしね」


「分かりました。それでは後ろの者達は、私に任せて下さい」


 ミデェールの近くで飛んでいた魔族達も話を聞いていたのだろう。女の魔族『(フィリー)』は、エイネに向かってウインクを向けて来る。


「それじゃあ、後はミデェールのいう通りに、従ってついて行きなさいね」


 エイネが女の魔族にそう言うと、ミデェールに頷きを見せる。ミデェールも頷きを返すとそれが別れの挨拶となった。


 大魔王エイネが前を向き直ったかと思うと『()()()()()』のオーラを纏い、そして『高速転移』を使って、一気に龍族の大陸へと突き進んでいった。


「す、すご……!」


「凄い! 流石エイネさん!」


 先程エイネにウインクをした女とミデェールは、驚愕の表情を浮かべて同じ言葉を発するのだった。

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